ホーンズ 角 (小学館文庫)

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制作 : Joe Hill  白石 朗 
  • 小学館 (2012年4月6日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (732ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094084658

ホーンズ 角 (小学館文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 4.5

  • 最初の章が一番面白かった。
    ホラーと言うほどではない。でも、一気に読んでしまう面白さはあった。

    所々明らかな誤訳が有ったのが残念。

  • 久しぶりのジョー・ヒル

    ひどく酔いつぶれた翌日、目をさますとイグの額に角が生えている。角はそれを見た人間に、その人が抱えている秘密を告白させる力をもっていた。わけが分からず右往左往するイグに次々と告白される知人友人の秘密、恥部、聞きたくなかった暗い欲求。そして、一年前に死んだ恋人の死の真相。

    一章の引き込みっぷりはザ・ストレインの冒頭並に吸引力あった。何をしたのか、何でこうなったのか、何が起こっているのか、何で何でだらけの冒頭から登場人物が次々とどうかしている告白をべらべらと喋り出す。次はどんな酷い告白が来るのかちょっと楽しみになってきたところで、思いつく限り最悪の告白を聞かされて終わるのだ。そりゃあ次のページを急いで開きもする。

    ストレインは冒頭だけだったがホーンズはその後もたまらないほど心を翻弄してくる。表題のホーンズは英語圏では「寝取られ男」を意味する言い回しらしく、そのタイトルの通り死んだ恋人のメリンの心がどこにあったのかが話の焦点になってくる。章が進むごと、真相が明らかになるごとにメリンの印象が二転三転、まるで全ての元凶はこいつだったかのように感じるほど困惑させられる時すらあるくらいに。



    真相がはっきりした時点でオチはついたので終盤が消化試合だったものの、読後感は爽やか。続きようの無い綺麗な形で終わらせてくれて良かった。中盤あたりからダークヒーロー誕生譚で〆る気じゃないかと嫌な予感がしてたのだ。


    映像化すれば終盤の消化試合っぷりもマシになるだろうから今から映画が楽しみ。あと自動で起動する罠は味方に当たるに決まってるので、映画版では改変してもいいのよ。

  • 酷い二日酔いから覚めたその朝、イグの頭には角が生えていた。

    1年前に最愛の恋人がレイプされたうえ惨殺された。イグが容疑者とされたが証拠不十分で起訴はされなかった。しかし、街の人間は皆イグが犯人だと考えている。

    角が生えたイグには相手の欲望を言わせるコトができる。手を触れればその相手の過去の行いが瞬時に伝わる。

    登場人物達が出会った十代がかなりの長いパートで割かれています。正直、ちょっと飽きましたが、そこを乗り越えればサスペンスフルで非常に面白かった。
    ダークヒーローのビギニング的な印象もあります。角が生えたイグより、よっぽど悪魔のようなリー。

    ダニエル・ラドクリフ主演で映画化されてます。公開したら是非観てみたいぞ。

  • 読みやすかったが、誤字が目立ってたので、もったいないと感じた。わかならいって...笑
    話は、ダークヒーローになる過程として読めば面白いかも。

  • スティーヴン・キングの息子、ジョー・ヒルによる長編。
    ある日突然こめかみから角が生え、様々な不思議な力を使えるよう
    になってしまった男による復讐譚、というところか。

    良くできた作品だとは思う。各章がそれぞれ独立した中編としても
    成立するような作りや、時間軸を行き来しつつ少しずつ真実を
    明らかにしていく様は見事と言うしかない。様々な暗喩やポップ
    カルチャーから神学論争までを含む要素の多さを考えると、はまる
    人はとことんはまる作品なのではないだろうか。

    だが私が読みたいのはこういう小説ではないのだな。どちらかと
    いうと「角」の由来や能力、そしてそれを使って何をなすかという
    ことに興味があるのであって、若者達の愛憎劇は二の次でいいので
    ある。物語の舞台が、結局一地方都市の中でおさまっていること
    からもわかるように、この小説の主役は「角」ではなく、イグと
    メリンの純愛なのだ。正直、必要だとはわかっていながらも、
    第2章の子供時代の話を読むのは私にとっては苦行だった(苦笑)。

    場面転換や章立ての上手さは映像向きかなと思ったが、何と
    ダニエル・ラドクリフ主演で映画化が進んでいるとのこと。
    少しだけ楽しみにしていよう。

    ちなみにL・モーニングスターのLはルシファーの頭文字であり、
    モーニングスター=明けの明星をラテン語にするとそのルシファー
    となる。

    最後に一つ。遺伝的に生まれながらにして若死にする運命だった
    といってもいいメリン。彼女こそがイグをツリーハウスに導き
    悪魔と化した張本人だったのではないだろうか。私にはそう思えて
    ならない。

  • とにかく冗長だった。短編では無理でも中篇くらいでまとめられたんじゃないかと思うほど流れが緩やか過ぎて読むのが疲れた。
    主人公にツノが生えた理由も特に語られることもなく、ハリウッドばりに敵を叩きのめすわけでもなく、終始坦々としていて盛り上がりがないまま終わってしまった。リーの星をつかむ描写など幻想的なシーンは印象的だった。「20世紀の幽霊たち」は面白かったので残念。

  • 長い。そこまで書き込まなくてもと思うエピソードもあった。でも全て読んでよかったと思った。主人公が悪魔になるという話だが意外とさわやかな読後感だった。

  • 思い切り端折った言い方をするならこの物語、
    「恋人を惨殺された男が異形の力を得て、真相を暴き出し、復讐を果たそうとする話」
    という話ではあるんだが、そこに甘酸っぱくリリカルな青春小説、ミステリ的謎解き、サイコパスによる犯罪、モダンホラー……そういった要素が巧く織り込まれているように思った。

    章ごとに時制が行き来するので、悲劇的な未来(つまり現在)が待ち受けているのを知らずに青春を謳歌し、愛をささやき合う主人公らが痛々しく、そして眩しい。そして次第に明かされていく残酷な現実、秘められた真実、優しく、そしてあまりに悲しい嘘。
    ラスト近くでのある人物の告白などは、作者の思うツボとはわかっていてもやはり、泣ける。

    詳しくははこちらに。
    http://rene-tennis.blog.so-net.ne.jp/2012-12-06

  • ポスト・アメリカン・モダンホラー、
    とでも呼べばいいのか。
    メインプロットを、
    細かいモチーフで、
    どんどん肉付けしていく
    作者の技量が素晴らしい。
    新作を追い続けたい作家である。

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