ちょんまげぷりん (小学館文庫)

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著者 : 荒木源
  • 小学館 (2010年2月5日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094084672

ちょんまげぷりん (小学館文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 安兵衛がこの表紙のイケメンを見たら、ぜったい
    「この男前のお方はどちら様でござるか?」と訊ねそうだけれど

    実際は小さな目に団子鼻、エラが張った顔にがっしり体型という
    いかにも江戸時代の侍らしい容姿で、繊細なケーキを作り、
    ポケモンカードの対戦に真面目に取り組む安兵衛が、とても魅力的です♪

    『オケ老人!』が素敵に楽しかった荒木源さん、
    この『ちょんまげぷりん』も、重厚な長編ミステリーでデビューしたとは思えないほど
    軽快で読みやすくて、サービス精神いっぱいの物語で

    江戸時代からタイムスリップしてきた幕府直参の侍という身の上から
    「勤めに出るのはいやしき女のすること。
    うち向きのことは女、勤めに出るのは男と決まっているのでござる」
    と、フェミニズムのかけらもない発言をしていた安兵衛が

    世話になった恩返しにと、武士の命ともいえるちょんまげをバッサリ切り落とし、
    掃除洗濯炊事と、「うち向きの仕事」でひろ子と息子の友也を支えることで
    シングルマザーのひろ子がゆとりをもって生き生きと仕事に打ち込めるようになる、
    という逆転の構図が愉快です。

    天才パティシエ兼ござる言葉のコメンテーターとして時代の寵児となった安兵衛が
    直営ショップの経営やタレント活動に意外なほど夢中になり
    ひろ子と友也ともいつしか疎遠になってしまう展開はショックだったけれど

    働いて認められることへの渇望の裏には
    雀の涙ほどの禄で役目もなく、剣術の稽古くらいしかすることのない
    「小普請組」という身の上の切なさがあったことを知るにつけ

    「上様はこんなことはせぬ!」と言いながら
    TVの時代劇「あっぱれ将軍」にかじりつき
    両腕にふたり子どもがぶら下がっても余裕で「飛行機ブンブン」できる
    安兵衛への愛おしさが募る、楽しい本でした。

  • ただ単に、面白い。
    昔のお侍さんが、この現代に来て色々と困難に打ち勝ちながら、生活していくお話。
    映画化されていたので、読む気にはならなかったのですが、たまたまのご縁で。
    でも、少し現実離れしているかな・・・とも、感じましたが
    侍が、忘れていた「日本人の心」を思い出させているようで、その点ではよかったです。
    続編も、読まなきゃ~!

  • 【ちょんまげぷりん】の存在を知ったのは映画が最初でした。
    関ジャニ∞の錦戸くん主演の映画【ちょんまげぷりん】
    ちょんまげぷりんって・・・、何?
    「ちょんまげ」と言えば、あのお侍のヘアスタイルしか思い浮かばへんし・・・
    「ぷりん」とひらがなで書かれていても、洋菓子の「プリン」しか思い浮かばへんし・・・
    その二つを足したら・・・、何になるの?????
    今ひとつ、興味がわきそうでわかへんし・・・
    何と言っても、ちょんまげ姿の錦戸くんがあまりにも・・・なので、それっきり記憶から消しさられていました。

    二度目に【ちょんまげぷりん】との出会ったのはNHKのTV番組「グレーテルのかまど」でした。
    そこで紹介されたあらすじがちょっと面白そうで、消し去られた記憶が読みがえる。

    そして、先日、いつもの古本屋さんで三度目の出会い。
    これはもう、読むなら、今でしょ~!(笑)

    この本、とっても不思議な本でした。
    江戸時代から180年の時を超えてタイムスリップしてきた侍の木島安兵衛。
    安兵衛が出会ったのはシングルマザーのひろ子とその息子の友也。
    この親子と暮らし始めた安兵衛が現代で「パティシエ」となる。
    タイムスリップものは数あれど、こんな展開、他にはないよね・・・
    ちょっとばかばかしいけど、ちょっと笑えて、ラストはちょっといい感じ。

    難しいことなど考えず、単純に楽しみたいときに読んでみるにはよい本かな・・・
    でも、映画はどうだろう・・・?

    ところでこの作品、単行本として刊行された時には【不思議の国の安兵衛】だったそう。
    それはあまりにもひねりがないよね~(って上から目線でごめんなさい!)
    よくぞ【ちょんまげぷりん】に改題してくれました~!!
    って、タイトルで悩んでいたのにねぇ・・・(笑)

  • これは面白い。
    単なるタイムスリップで、帰り方を一緒に探して…って話だったらありきたりなのに、あろうことかお菓子作りを始めるなんてw
    現代の世界に馴染むことが、路頭に迷っているところを助けてくれた親子からも離れることに繋がっていく、その流れがすごく自然でした。
    最後の結末はちょっぴり涙…歴史っぽいのに現代小説な、すごく読みやすい話でした。

  •  江戸時代のお侍が現代の母子家庭にタイムスリップ。
     導入はそれほど目新しいものではないが,お気軽な読み物としては痛快で楽しめる。
     お侍が,現代社会で古めかしくも筋の通ったことを言って現代人をハッとさせる場面が興味深い。マックではしゃぐ子供とそれを甘やかす親に思わず一喝。できればこういうエピソードをたくさん取り入れるとまた一段と味わいのあるものになったのではないかと思うが,残念。
     どうやら錦戸で映画化されるらしいが,なんでも映画化するのはどうかとも思う今日この頃である。たいていの場合,本を読んでイメージを膨らませたものが映画化されることで大きくそのイメージが削がれたり,幻滅させられることが多いからだ。彼がこの作品をどう演じるかはわからないが,アイドルをただ出すことだけが先行していて,演技や演出を置いてけぼりにしているような作品がどうも多く感じる。作品のおもしろさを踏みつけにしてアイドルやそのファンだけが独りよがりで喜ぶような安易な映画化はどうも賛成できない。
     さて,後半,ストーリーは次第に現代社会で居場所を見つけていくお侍が主人公との間で微妙な隙間風が吹いてくる。この変は妙にリアルでもある。
     ラストシーンは,なかなかスマートな締めくくりとなっていて,おしゃれでいい。

  • 物語としては、シングルマザーの遊佐ひろ子の前に、お侍の格好をした謎の男が現れる。
    彼は、一八〇年前の江戸からやってきた、と言っていて「木島安兵衛」と名乗った。
    安兵衛の言うことを素直に信じられないひろ子だったけれども、行き場のない安兵衛を追い出すわけにもいかず、半信半疑のまま安兵衛を家に置くことにする。
    そんなひろ子に恩義を感じた安兵衛は、「武士の仕事ではない」と言いながら、家事の手伝いを申し出る。
    その所作は見事なもので、炊事・洗濯・家事などすべて完璧。

    毎日、息子を育てながら仕事と家事をなんとかこなしていたひろ子にとって、安兵衛は理想の「主夫」であることに気づく。

    という話でした。
    いやー、この小説をなめてました。はっきり言って。
    もうちょっと普通に面白くないギャグみたいなペラペラな小説なのかと思ったんですが、すっごく面白かったです。
    ふわふわとしたやり取りの中で、本当に大切なものは何なのか考えさせられる作品でした。
    「主夫」とは何なのか、家事と仕事の両立ってどうなのか……。
    ある程度の年をとれば誰もが一度はぶち当たる壁で、自分は何をしたいのかって悩む人ってとても多いと思うんです。
    そういうところをさらっと考えさせられる小説だなあ……と思います。
    しかも、安兵衛とひろ子はちょっと変則的な夫婦になっていい感じ! な瞬間もあったんですが、結局は安兵衛は元の自分の時代へと戻り、その後……という感じで終わりました。

    やっぱり人間は、あるべきものの中で、自分の一番の幸せを見つけていくのが一番いいのだなあ……と思いました。

    しかし、これの続きにもう一冊あるらしいので、それを楽しみにしています。

  • この表紙だれ?
    先日、作者のインタビューを読んで主夫として家事、子育てをしてきた作者と安兵衛さんが重なる。
    そういえば、じゃがいもっぽいとこも似ているかも?
    子育て中兼業主婦の代弁もありつつ、耳が痛いとこともある。
    「片手間」か。グサリと刺さるな。
    そして、さりげなく夫の目のつくところに置いて読ませたい気もする。
    プリンが食べたくなった~!

    「時代の移り変わりゆえ、拙者も、おなごが働きに出ることは百歩譲って容認いたす。なれど、そうでないおなごが、家事に心をもっぱらにせず、あれもしたいこれもしたいと、夢みたいなことばかり考えてえねるぎーを浪費しておるらしいのは看過できぬ。人には分というものがござる。分をわきまえて生きるのを、まことの人の道と申す。」
    「子供の横暴は、親が手伝いをさせぬことに一つの理由があると存ずる。きちんと教えれば、子供にも手伝わせられることはたくさんあり申す。それをしないのは、えねるぎーを惜しむからでござる。えねるぎーを注げば、子は自ら親の言葉を理解いたす。子育ては家事のうちにても大業でござる。片手間には決してまっとうでき申さぬ。その覚悟が肝心なのでござる。」

  • こういうほんわかしてるお話好き~。

    キャラクターが皆人間くさくていい。登場するお菓子も美味しそうやし。

    またお菓子作ろうかな。

  • 読み始めて2分でハマった!
    自分の場合、小説ってこんな最初からハマるもんじゃないのに、すごいスピードで引きこまれてしまった。
    内容は言わずもがな。面白い。
    たまたま手にとった本だけど続編?2があるようなので、今度呼んでみたい。あと映像もあるんだねー知らなかった。

  • 内容(「BOOK」データベースより)
    シングルマザーの遊佐ひろ子は、お侍の格好をした謎の男と遭遇する。男は一八〇年前の江戸時代からやってきたお侍で、木島安兵衛と名乗った。半信半疑のうちにも情が移り、ひろ子は安兵衛を家に置くことに。安兵衛も恩義を感じて、家事の手伝いなどを申し出る。その所作は見事なもので、炊事・洗濯・家事などすべて完璧。仕事で疲れて家に帰ってくるひろ子にとって、それは理想の「主夫」であることに気づく―。

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