野の風 (小学館文庫)

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著者 : 辻内智貴
  • 小学館 (2010年9月7日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (188ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094085389

野の風 (小学館文庫)の感想・レビュー・書評

  • 仕事優先で人生を考えてきた主人公の父が突然病に倒れた。故郷の広島に帰省したことで、本人だけでなく妻と息子も再生されていく。生きることと絆を考えさせる表題作ほか3篇の短編集。
    他人より上の生活を望むことは、何かを犠牲にしなければならない。それが幸せに直結するわけではないが、人間はその努力をしている自分の姿に満足感を得るのだろう。変わり果てた父親からのメッセージがくみ取れるのであれば、主人公のこれからは明るい。

  • 「野の風」「帰郷」「花」「愚者一燈」の4つの短篇が入っています。
    「野の風」;倒れた父の見舞いに故郷に帰った事から、仕事に忙しすぎて崩壊寸前の家庭を見直し始めるサラリーマンを描いています。
    「帰郷」;両親が死に親戚に育てられた夫。夫の死後、一度も帰ろうとしなかった夫の故郷に向かう妻が出会った哀しい嘘を描きます。
    「花」;不和な両親の元で育ち、男を騙して金を溜めることを生きがいにしてきた娘が、自殺しかけた時に見た光景を描いています。

    暖かいです。青臭いほどに。辻内さんの作品はどれもそうですが。
    でも、随分上手くなったなぁと思います。円熟感のようなものが漂ってきます。
    ホッとする作品群です

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