逆説の日本史 13 近世展開編 (小学館文庫 い 1-23)

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  • 小学館
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  • Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094085433

感想・レビュー・書評

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  • 江戸文化と鎖国の謎

    ・徳川幕府の展開Ⅰ
     鎖国とキリシタン禁制編
    ・徳川幕府の展開Ⅱ
     大名改易と浪人対策編
    ・戦国文化の江戸的変遷Ⅰ
     茶の湯の変質編
    ・戦国文化の江戸的変遷Ⅱ
     演劇の変質編
    ・戦国文化の江戸的変遷Ⅲ
     儒学の日本的変容編
    ・武断政治から文治政治への展開
     古兵と遅れてきた青年たち編

  • 物事に対する先入観は、しばしば真実を覆い隠してしまう。そしてそれは、真実の正しい評価をできなくしてしまう。

    私が中学校で学んだ歴史では、生類憐みの令の項で、蚊を殺しただけで流罪にされた例などが取り上げられていた。当時の私は江戸時代のことだから…と何となく鵜呑みにしていた。そしていつのまにか、変な政策を打ち出す、変な将軍というイメージが、綱吉に対して出来上がっていったなであった。
    しかし流罪の話は、かなり曰く付きの者が噂に頼って書いたものであるらしい。
    そのような、人々によって作られたイメージを剥がしていき、冷静に綱吉の政策をみていくと、とんでもない名君であった可能性が浮き上がる。(というか、こちらである方が、筋が通る)彼は世に蔓延していた“武断”の雰囲気を、憐などの道徳でまとめあげるものへと改革を行ったのだ。


    イメージを打破し、何が真実に近いものなのかを見極められる力があれば、新たな歴史がみえてくる。

  • この巻は江戸初期を中心に鎖国の成立や、茶道、演劇などの文化面を「井沢節」で語りながら江戸早期にあった政治の転換点を明らかにしていきます。
     鎖国になった原因や利休の死の推理、歌舞伎の持つ独自さは幕府から規制された結果とかいつもながら面白く読みました。綱吉名君説の肉付けは次巻発売までの楽しみです。(単行本は出てるんですけどね)
    週刊誌の連載だからか自説の繰り返しの多いのだけ難点。

  • 利休のところ、実に興味深い

  • 2010.10.12読了

  • 鎖国にいたった理由、経緯、
    歌舞伎と能の違いにみる演劇史の変遷、
    武断主義から文治主義への大転換、
    愚昧とされた綱吉の政治家としての評価、等
    長いスパンで歴史を見る著者ならではの見解に納得。
    個人的には千利休切腹の真相が新鮮だった。

  • 歴史は繰り返されると実感させられる

  • この本の前の巻を読んだのが2008年6月なんだけど、そこから2年以上音沙汰なくて、何があったんだろうねぇ、漸く今回13巻。中国との間が酷いことになっているけど、本当に我が国の外交下手には呆れ返るよね。この本の作者は、戦後の中国との関係を「対中土下座外交」と呼ぶけれど、ともあれ、日本人の外交下手は昔かららしく、そうした日本人がキリシタン禁令からなし崩し的に進めた政策が鎖国であると喝破する。浪人と島原の乱の関連の指摘や綱吉と生類憐れみの令に対する評価など相変わらず独自の視点に立つ舌鋒は鋭い。読み様によっては牽強付会の謗りを免れぬ理論構築ながら、いやまあ、色んな見方があることが分かって、それもこの本の価値ですね。江戸時代の文化の特徴を茶道と歌舞伎と朱子学から斬るという試みにはちょっと勝手が違った感じ。

  • 20100919読了

  • 2010/9/10 メトロ書店御影クラッセ店にて購入。
    2015/1/19〜1/30

    久しぶりの逆説シリーズは安土桃山時代から江戸にかけて。利休、鎖国、家光に関する考察が面白かった。

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著者プロフィール

1954年、名古屋市生まれ。早稲田大学法学部卒業後、TBSに入社。報道局在職中の80年に、『猿丸幻視行』で第26回江戸川乱歩賞を受賞。退社後、執筆活動に専念。独自の歴史観からテーマに斬り込む作品で多くのファンをつかむ。著書は『逆説の日本史』シリーズ(小学館)、『英傑の日本史』『動乱の日本史』シリーズ、『天皇の日本史』、『お金の日本史 和同開珎から渋沢栄一まで』『お金の日本史 近現代編』(いずれもKADOKAWA)など多数。

「2023年 『絶対に民主化しない中国の歴史』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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