のぼうの城 (下) (小学館文庫 わ 10-2)

著者 :
  • 小学館
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094085525

作品紹介・あらすじ

「戦いまする」三成軍使者・長束正家の度重なる愚弄に対し、予定していた和睦の姿勢を翻した「のぼう様」こと成田長親は、正木丹波、柴崎和泉、酒巻靱負ら癖のある家臣らの強い支持を得て、忍城軍総大将としてついに立ちあがる。「これよ、これ。儂が求めていたものは」一方、秀吉に全権を託された忍城攻城軍総大将・石田三成の表情は明るかった。我が意を得たり、とばかりに忍城各門に向け、数の上で圧倒的に有利な兵を配備した。後に「三成の忍城水攻め」として戦国史に記される壮絶な戦いが、ついに幕を開ける。

感想・レビュー・書評

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  • 上巻はスルーして
    面白かったなぁ 歴史物好きやなぁ
    小城に攻めた20000の軍勢を3000で迎え撃つ籠城戦。水攻めにあい絶体絶命の状況での長親のとった行動がなんでなん?みたいなww
    それが結果的にみんなの心がひとつとなり応戦!
    人って結局は人気だね。

  • ずっと前に貸してもらっていたけど、歴史小説をそれまで読んだことがなく、なかなか手を出すことなくいた本。
    この年末年始にこそ読んで返さなければ、と半ば強制的に読み始めた。

    大河ドラマで『どうする家康』を見ていたので、石田三成や刑部など、画面で動いていた人物と重ねながら読むことができたのは良かった。

    のぼうとは「でくのぼう」からのニックネーム。
    ぼーっとしているのか、単に何も考えていないのか、それともそれは戦略で人に読まれないよう表情を見せていないだけなのか。

    どうやら前者のようだけど、でもここぞというときにみんなが実はそうしたかった、という方向を示せるのがすごい。ぼーっとしていると見せかけてしめるところはしめる。そうじゃないとつっぱねる。
    顔は強面でも、心の中で色々あきらめていた丹波がはっとする。

    でも普段は頼りなくて、みんなが助けなきゃと支える、支えたくなる。有事には、のぼう様のためならと戦に立ち上がるほどの信頼。

    これってめちゃくちゃ有望なリーダー像。。っていう感想ももちろんあると思う。でもまわりにいる丹羽や和泉、靱負がめちゃくちゃ優秀だからこそ成り立つという構図でもあると思う。
    リーダーが1人で全部背負うって無理だ。やはり他にも3人くらい有能で個性的な参謀がいることが成功の秘訣かもしれない。だって、ふだんはちょっとぼーっとできる余地があるから…。

    ということで来週からの仕事を思って気が重くなりつつある。。





  • 三成は忍城攻略に、秀吉が得意な水攻めをおこなっている。
    それに対して、長親がとった思いもよらない対抗策とは。

    大賢は、大愚に似たり

    天正15年(1588年)に九州平定をなしとげた、秀吉は、天下統一の総仕上げである小田原平定に向かう
    天正17年小田原攻めに平行して、北条傘下の支城攻めをおこなっていた 。
    そのうちの1つが、忍城です

    三献茶で知られる小才の石田三成と、坂東武士である、成田長親との知力戦

    三成は関ケ原で敗れ刑場の露と消え、長親は、尾張で天寿を全うする。

    甲斐姫の大阪城以降の話、東慶寺の伝説などの余韻を残す

    知略とは、勇猛と柔弱には関係がないとの見本である。

    目次

    上巻





    下巻





    ISBN:9784094085525
    出版社:小学館
    判型:文庫
    ページ数:224ページ
    定価:457円(本体)
    発売日:2010年10月11日 初版第01刷
    発売日:2012年12月02日 初版第15刷

  • 上巻の中盤からおもしろくなってきたが、下巻はもう最初から最後までずっとおもしろい それぞれのキャラが立っているのがなによりの魅力だろう ほかの作品も読んでみたくなった

  • 上巻は読むのに時間がかかったけど、下巻は一気読みでした。
    のぼう様(^з^)-☆最高です。

  • めちゃくちゃ面白かった!
    侮られていたとはいえ、相手を圧倒する戦ぶり。
    長親はどこまで先を読んで行動していたのかが気になる。
    全部わかってて行動していたような気もするし、たまたまいい方向に動いたんじゃないかという気もするし。

    とにかく!本当に面白かった!!

  • 最後の解説に書かれていることだが、馬鹿殿部門の時代小説部門では、ぶっちぎりの一位であろう。
    面白い小説である。

  • 「戦いまする」
    三成軍使者・長束正家の度重なる愚弄に対し、予定していた和睦の姿勢を翻した「のぼう様」こと成田長親は、正木丹波、柴崎和泉、酒巻 負ら癖のある家臣らの強い支持を得て、忍城軍総大将としてついに立ちあがる。
    「これよ、これ。儂が求めていたものは」
    一方、秀吉に全権を託された忍城攻城軍総大将・石田三成の表情は明るかった。我が意を得たり、とばかりに忍城各門に向け、数の上で圧倒的に有利な兵を配備した。
    後に「三成の忍城水攻め」として戦国史に記される壮絶な戦いが、ついに幕を開ける。

    のぼう様素敵です

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「後に「三成の忍城水攻め」として」
      どんなセット?かなぁ愉しみワクワク!
      原作は、映画を観てから読む予定。。。
      「後に「三成の忍城水攻め」として」
      どんなセット?かなぁ愉しみワクワク!
      原作は、映画を観てから読む予定。。。
      2012/08/31
    • しをん。さん
      ですよね…。水攻めが一番気になります!!
      私は、もう原作を読んでしまったので後は映画で楽しみます♪
      ですよね…。水攻めが一番気になります!!
      私は、もう原作を読んでしまったので後は映画で楽しみます♪
      2012/09/12
  • (上下巻合わせてのレビューです。)

    友達から薦められた歴史小説。

    現代版・司馬遼太郎っといった感じか。
    主人公ののぼう様(成田長親)は不器用で何の役にも立たない城代ですが、民衆の心をつかむことにつけては一級品の才を持つという設定で、石田光成の大軍と戦う設定です。のぼう様を取り巻く脇役たちが皆、個性的で話を引き立ててくれます。

    戦国時代ってとても好きで何冊かの歴史小説を読んだけれど、信長でもなく秀吉でもなく家康でもなく、のぼう様というセレクトがよかったです。まだまだ知らない世界がたくさん眠っているのですな。。

  • この本のように、のぼう様みたいになりたいと思った人がいるのではないでしょうか?現代の会社の中で、のぼう様のように慕われ、決断できる上司になりたいと。なかなかなれないんですけどね。
    戦をする理由や相手を尊敬する考え方が現代とは違っていて違和感がありましたが、海賊の娘もそうでしたが、清々しい登場人物が多く気持ちよく読めました。

  • 常識がある方は水責めの結末が分かった上で読み進めるのだと思いますが、私の場合は全く結末分からずなので、更に楽しむことができました。
    戦が終わった後のエピローグも良かったです。

  • 読みやすくて先が気になって一気読みしてしまった。

  • おもしろーい!!でくのぼうの主人とそれに使える武士たち及び農民たち。全然歴史に詳しくないけど、忍城など行ってみたいな。そして秀吉や石田三成について本を読みたくなる。

  •  二万の軍勢を率いる三成軍とわずか500の軍勢の忍城の長親軍。ついに戦いの火ぶたが切って落とされる。

     生死を争う合戦ですが、読んでいるとまるで青春小説を読んでいるような気分になります。戦国時代なりのルールや価値観をもとに三成は正々堂々と忍城軍と戦うからたぶんそう思うんでしょうね。三成が引き上げるシーンはスポ根ものの最終回のような一種の清々しさすら感じます。

     合戦シーンも読み応え十分! 様々な作戦と地の利を生かした忍城軍の戦い方は読んでいて痛快です。

     長親の行動や言葉もさすがですね。相変わらずどこまで本気かわかりませんが、領民や軍師たちに対し全幅の信頼を置いているからこそ、無茶苦茶な「のぼう様」でいられるわけですね。三成の水攻めの破り方は見事と思うしかありませんでした。

     自分たちの力を信じ後悔なく戦ったからこその合戦後の忍城軍は爽やか、そして三成も相手の力を認める潔さがあるから爽やかです。
    合戦の結末は自分たちのおよびつかないところで唐突に幕が切られても、そこに一片の哀愁も、後悔もありません。ただお互いに全力で戦った、という満足があるだけです。

     そんなわけで、あっという間に読み終えてしまった下巻でした。

    第6回本屋大賞2位

  • 紀伊太田城、備中高松城とならぶ日本三大水攻めの城、
    上記の二城の羽柴秀吉に倣い、弟子を自負する三成が。
    のぼうはあだ名の通りなのか、常任では計り知れない程の大きさの器を持つのか?
    1つ1つのセリフに奥がありニクい(格好良い)です。

  • 上に立つ人は、中途半端が一番だめであると聞いた。

    よほどの天才か、よほどの馬鹿かがよい。

    少し賢いくらいが部下を駄目にする。

    のぼう様くらい愚鈍であれば皆に愛されるのかもしれない。

    人の想像を超える行為は人の心を打ち、人を行動に駆り立てる。

    歴史小説はどうしても説教くさくなるが、さらりと読める傑作。

  • 時は戦国時代、織田信長亡き後秀吉が天下統一に邁進する頃、形勢は明らかに不利な状況の中、二万人を超す石田三成率いる敵兵に宣戦布告した仰天の異形の武将、成田長親とは一体何者なのか・・
    のぼう様とはでくのぼうの略であり、忍城下の農民に笑われてもへらへら笑い、いくさはおろか、百姓仕事を手伝おうとしてもあまりに不器用で断られるような殿様でした。しかし、三成軍の使者に対峙した時、それまでの長閑な雰囲気とは一変、戦わずして降参することなかれと坂東武者の誇りを示したのでした。それからは、まさかの連続で、個性的な家臣団の活躍や農民たちの行動など、胸のすくような場面に感動します。悪役の筈の石田三成の心情の移り変わりも、肝心なところで彼の性格もよく描かれています。見せ場はやはり、決着がつき城を明け渡す際の、成田長親と石田三成の対面の場面です。三成の武将としての生き様が垣間見えてこれにも納得できました。読みやすくすがすがしい気持ちになれた小説でした。

  • 読み始めたら、あぁ~おもしろい・・・
    あぁ~おもしろかったかった!!・・・と読み終わるまで
    止められず。
    とにかく、主人公のぼう様をはじめ、
    登場人物、一人一人が魅力的。
    敵も裏切り者も、それぞれのよさがあって、
    みんなが憎めず、爽やかな読後感だった。
    コミックのような、軽いタッチではあるけれど、
    史実に基づいた話なので、かえって
    「これが本当にあった話なのか?」と
    驚きと興味をもって楽しむことができた。

  • 下巻は一気に読んでしまった。歴史物をこんなに楽しく、さらっと読めるなんて癖になりそうです。何を考えているか分からない頼りないのぼう様と、優秀な家臣たちや農民たちとのやり取りが面白い。最後までのぼう様の本心は謎に包まれたままだが、これが全て計算尽くだったとしたら(おそらくそうなのだろうが)、正に名将とはこのような人を指すのだろう。三成の水攻めで忍城が浮島になる場面やのぼう様の田楽は映像でも見てみたい。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「田楽は映像でも見てみたい。」
      流石、野村萬斎って感じでしたね!
      「田楽は映像でも見てみたい。」
      流石、野村萬斎って感じでしたね!
      2013/01/04
  • エンターテイメント!!面白かった。
    四人の大将と二人の総大将、キャラクターの味付けが良い。
    豊臣側は記録も残っているから後の姿からも想像をしつつ、成田側はたった一つの戦を頼りに壮大に。
    誰もが魅力的(正家でも)で輝いている。そしてたった十年後に訪れる三成、吉継の運命さえこの戦があってこそ、清々しく感じられる。
    史実+フィクションなのに100%史実と思いたくなる。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「清々しく感じられる。」
      石田三成について知っている訳でもないのに、何となく好きになりました(元々判官贔屓する方ですが)。そして映画で観た野...
      「清々しく感じられる。」
      石田三成について知っている訳でもないのに、何となく好きになりました(元々判官贔屓する方ですが)。そして映画で観た野村萬斎は、とっても凄かったです!
      2013/02/08
  • よき戦さにござった。
    こんな言葉が敵に向けて出るというのがすごい。戦争は良くないとおもうけれど、戦さと言うのはまた違うのかな?殺し合いの意味では同じだけれど。つい、美しいと感じてしまう。

  • 史実に”ある程度”沿った歴史小説(?)。
    「柔よく剛を制す」「判官びいき」
    典型的日本人の私には心地よい物語。

  • 上巻のレビューでは星二つ★★の評価をした私ですが…!!

    下巻、進むにつれて猛スピードで読み終えてしまいました!

    のぼう様!素敵!
    優しい気持ちになれる様な、スカッとする様な
    何とも言えないこの感じ!!

    今度のお休みで、埼玉県行田市へ行ってみようと思います。

    あぁ、どの登場人物も本当に素敵!

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「猛スピードで読み終えてしまいました!」
      へぇ~
      映画が待ち遠しい、、、
      実は、映画を観るまで読むのを我慢しています。
      「猛スピードで読み終えてしまいました!」
      へぇ~
      映画が待ち遠しい、、、
      実は、映画を観るまで読むのを我慢しています。
      2012/09/05
  • 何だろう、このちょうどいい感じ。長過ぎず短過ぎず。面白さの火がついたまま読了。一つ言えるのは、表紙にオノナツメ持ってきたやつ天才。

  • 面白かった。

    人の上に立つとは…人心を掌握すること…いやそんな上からのことばではなくて、当たり前に同じ心を持つこと…そんなことを感じた。

    物語としても面白い。登場人物みんな好きだ。

    • hibuさん
      れもんさん、こんにちは!
      登場人物がイキイキと描かれていて面白いですよね!
      僕も大好きな作品です♪
      れもんさん、こんにちは!
      登場人物がイキイキと描かれていて面白いですよね!
      僕も大好きな作品です♪
      2024/01/19
  • 私が守ってあけないと、と思わせる人強い。ただ何も出来ないだけじゃなくてそこに愛嬌とか親しみやすさとか結構色々必要。リーダー論について考えたくなっちゃった〜。史実織り混ざった歴史フィクション大好き。

  • 組織をまとめる良いリーダーは、能力があればいいということではない。この作品から、思わず助けたくなるような非力な部分と、大きな決断をすることのできる能力が必要だと考える。

    時代小説として、とても面白く読むことができた。

  • 最初の丹波、和泉、靱負の活躍はそれぞれの特徴が生かされていて頼もしかった。石田三成が一度ひいて、水攻めにすると決め、金に物を言わせて利根川と荒川を結ぶ堤を造るという突貫工事を進め、ついに忍城が本丸を残して水浸しになってしまった。その時、長親が舟に乗ってその上で踊るなどとは考えが浮かばなかった。敵味方を一つにしたこと、矢を打たれたことによって、味方の復讐心を煽り、外側から堤を壊して土手を決壊したこと、怒涛のごとくの展開でおもしろかった。

  • のぼうの城

    映画化された作品で、映画は一度だけ見たことがあるが、原作は読んだことがなかったので、今更ながら読了。

    歴史の中の忍城攻防戦をここまで鮮やかに書けるのかと感嘆。

    小田原攻めの局地戦をここまで鮮やかに、長束正家や大谷刑部の心の動き、農兵の脆弱性を想像の範囲だとは思うが、記述されているのは驚きだった。

    成田家は成田長泰の代以降緩やかに零落していくイメージで、その家臣達も土着したり、離散したりと様々な人間模様があると認識していた。

    忍城の攻略戦で(脚色もあるだろうが、)まだまだ成田家はやれるぞと天下人に示した事は、幕末までその命脈を保たせた1つの原因なのかもしれない。

  • 歴史小説ですが、言葉もわかりやすく書かれており、大変読みやすい作品です。登場人物がイキイキと描かれています。オススメ!

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