金色の野辺に唄う (小学館文庫)

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  • 小学館 (2010年10月6日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (252ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094085532

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金色の野辺に唄う (小学館文庫)の感想・レビュー・書評

  • 「忘れられないもの、捨てられないものを荷としてくくり、背に負うて生きていくしかないのだろう。生きていけばいいのだろうー本文抜粋ー」

    九十二歳の松恵の死に際に、次女、孫の嫁、ひ孫、そして本人のそれぞれの想いを描いていく。残す者、残される者。きれい事だけではない生きること。

    あさのあつこの描く登場人物は、なんとも生々しく、独特なわけではなくても「その人」を思い描ける。

    足掻いて、足掻いて…生きていけばいいんだろう。

  • 2017年読み初め(笑)

    あさのあつこさんの四冊目。
    『バッテリー』など有名過ぎて読めていない。

    実は一部だけを読んで、その描写がとても良かったので、まるごと読みたくなった作品。
    藤崎という地元では有名な家系に嫁いだ松恵。
    彼女の死に際して、娘、曽孫、孫の嫁、近所の花屋さんという変わった視点から語りが広がる。
    それぞれ登場人物がドロドロと溜まった醜さを抱えながら、一人の死に向き合っていく。
    それは、綺麗事では片付けようがないのだけれど、死という非日常によって、自分自身とも対峙していくという流れがすごく良かった。

    ただ、意外なのが曽孫の東真パートで出てくる瑞樹パートがなかったこと。
    身内固めでいくなら、花屋さん忠明パートがあるもんなー。

    個人的には東真の父であり、孫である充パートも読んでみたかった!

    色彩表現の豊かさと、そこに上手く気持ちを乗せていく描写の巧さ。
    奈緒子さんの生々しさがあっても、ラストでしっかり感動に持っていける、すごさ。

    秋風に耳を澄ませると、優しい声が聴こえてくるんじゃないかと思わされた、素敵な作品だった。

  • 途中で誰が誰だかわからなくなって『今は誰目線?』ってなってしまいました。読み手の力不足です…(^^;

    物語は静かに進んでいくのに、読み終わりの余韻が長いお話でした。

    祖母が他界したばかりだったので、色々重ねる部分が多かったです。

  • 家族の関係は家族だからこそのすれ違いがある。
    でもいい人たち。
    いい人でありたい。

  • 大おばあちゃん。
    おばあちゃん。
    おかあさん。
    みんなに物語がある。葛藤がある。

  • 最初に読んだ時はすぐに読み終わり、特に感慨深い印象もなかったけれど、後からじわじわくる。
    人の心の深いところを上手く伝えていて、自分と照らし合わせて考えることも多々。
    手放してしまったけど、もう1回読みたいと思う。

  • 綺麗な情景の浮かぶ 言葉の綺麗なお話だった。

  • 1番好きな本。
    1冊でありながら、さまざまな色をもった本だと思う。
    おばあちゃんが家族を見守っている暖かい雰囲気が心を落ち着かせる。
    なんてことのない日常で、持ってしまう嫌な感情を全て浄化されるように思う。

  • 死者を火葬場まで皆で列をなして送ることを「野辺送り」というと、恥ずかしながら初めて知りました。

    写真や映像では見たことはありましたが、近年ではめったに見られない光景です。

    ある老女の死ぬ間際から物語は始まり、老女と関係する人々の話で構成されています。

    中学校の教科書に掲載されている「風の唄」は老女の曾孫―東真の話。

    才能のある人間に出会うことで、自分の限界を知り、大好きだった絵を描くことをやめてしまった東真。

    そんな彼に曾祖母は「柿の木を描いて棺におさめてほしい」という。

    東真が描かなくなった原因でもある、映子が言った一言で、最後は自分の気持ちと向き合い、乗り越えることができてよかった。

    読んでて辛く痛かったのは、老女の娘、奈緒子の物語。

    自分を疑い続けて死んだ、父

    そのことから、ただひたすら愛されることを望み続けた奈緒子の生きざまは読んでてひりひりしました。

    そんな奈緒子を誰よりも愛してくれたのは、母であり、母に誰よりも愛されていたことに気付いていた奈緒子。

    葬儀のときにとった彼女の行動も素敵でした。

    島本理生さんの解説もよかった。

  • 面白かったけれど、自分の好みではないです。

  • 92歳の松恵が息を引き取ろうとしている思ったこと、亡くなった後に家族が思った事が書かれた物語。夫婦、親子、姉妹と、家族だからこそ生まれる葛藤。年月を経て理解できることも忘れてしまうこともあるけど、みんな最後まで足掻いて自分の人生を行きて行くのだなと思った。

  • 一人の人間の死からはじまる物語。穏やかな言葉も、激しい言葉も一つ一つが胸に染み入る。色彩描写がとてもすてきで鮮やかだった。

  • 色彩豊かで読んでいて目の前が眩しくなる。文章だけでこんなに色鮮やかな世界を作り出せるんだなーって感動した一冊。いろんな人の想いが交錯してる感じも好き。

  • 静かな山あいの町で、90余年を生きたひとりの老女が息をひきとろうとしていた。
    その枕辺で彼女の最期の願いを聞き取ろうとする、15歳の曾孫・東真(あずま)。

    「東真、絵を描きなさい」
    秋の陽光に照り映えて焔のように燃え上がる、熟した柿の実を。
    そしてわたしと一緒に焼いて――。


    人はみな、なにかを背負い、手放し、間違い、満たされず、後悔し、本当には理解しあえず、迷いながらも生きてゆく。そして最期に思うことは。
    空は青く、大地は金色。稲穂が金色の波となり、光が跳ねる。
    豊穣の季節に静かに逝く老女と、彼女を見送る人々の人生を描きだした連作短編集。

  • ちょこちょこ読んでたら
    誰が誰かわかんなくなった(笑)

    全部読み終わってから表紙をみると
    いい表紙だなと。
    じわり、話が滲み出てくるような。

    人はじめじめ、ずっと
    心のわだかまりを思い出しながら生きていくんだな。
    どんなに おばあちゃんになっても…?

  • ある老女の死とそれを取り巻く人々の心情を優しくも切なく描いた作品。どこかセンチメンタルすぎる部分もあるけれど、心象描写の美しさは読んでいて心地が良い。

    ≪文中より≫
    「百年近くを生きれば、全て枯れ、悟り、遺す思いもなくなり、身軽に旅立てるとばかり信じておりましたが、どうしてどうして、人間って簡単に軽くはならないようです」

    そうかもしれないな。。。
    普通に考えれば人生が長くなればなるほど背負うものも想い出も多くなるんだもの。

    静かで美しい死生観。

  • 3時間ほどで読了。
    藤崎松恵、92歳。激動の月日を生きてきた彼女が臨終の時を迎えようとしています。
    臨終の前後の数日間を、彼女を取り巻く人たちの視点で描かれた作品です。

    さて、私の好きなマンガに『うしおととら』という作品があります。
    少年、蒼月潮が妖怪と戦うマンガです。
    その『うしおととら』の19巻に、人の死について質問を投げかける妖怪が登場します。
    納得のいかない答えだった場合、人間を食い殺す妖怪でした。
    二匹の妖怪の名は「たゆら」と「などか」という名で、人間に化けてこう問います。

    「満足する死とは、なんだ」

    今まで何人もの人間が納得する答えが出せずに食い殺されて行きました。
    そんな中、一人の女の子が、こう答えます。

    「質問に答えるわ!『泥なんて、なんだい』よ!」

    詳しいお話の中身については『うしおととら』を読んで
    大いに涙していただきたいところですが、
    この答えに対して私は納得が半分、疑問が半分でした。
    「泥なんて、なんだい」という考え方には共感するものの、
    結局のところ、死のその瞬間にはそういう気持ちは沸かないんじゃないかと思ったのです。
    すっきりしないまま月日は流れ、たまたま本作を手に取って読み終えて理解しました。
    「泥なんて、なんだい」ってこういうことだったのだなあ、と。

    松恵は92年の歳月の中で貧しい生活であったり
    大切な人に心に突き刺さる言葉を言われたりと、
    決して楽ではない生活を過ごします。
    それでもやわらかく、そしてあたたかく生き続けた彼女の生き様は
    家族や出会ったひとたちへ、確かな何かを植え付けます。

    だれもが最後に直面する死という現実を
    風に揺れる稲穂のように、ゆるやかに迎える松恵。
    最後まで読み終えて、私もこうありたいと思うのでした。

  • 人生いろいろあるけれど・・・最後は、大切な人たちに見守られ、穏やかに迎えたい。そんな最期を迎えたおばあちゃんは、とても、幸せだったと思う。100本の竜胆。柿の絵。は、おばあちゃんの出発に彩りを添えてくれた。

  • 一人の老女の死の裏側にたくさんの物語が存在している。語り手が変わることで、さまざまな側面が見えてくる。全編を通して死と喪失が描かれているのに、読後は爽やか。

  • あさのあつの本を読むのは初めてです。
    あさのあつこには珍しいテーマなのかもしれない人の死を描いていますが、ほんわかと暖かい気持ちになれました。

  • 「遥かなる子守唄」がせつなすぎる…

  • 90代の老女の死と葬儀。子供、孫にわたっての視点でそれぞれの想いが描かれる。どうも散漫な気がして盛り上がりに欠けたけど、全体として優しい雰囲気でまったりさらりと読めました。

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