- Amazon.co.jp ・本 (426ページ)
- / ISBN・EAN: 9784094085686
作品紹介・あらすじ
平均年齢おそらく世界最高齢のアマ・オーケストラ「梅が岡交響楽団」(略称・梅響)に、高校教師・中島は間違えて入団してしまう。彼は、演奏も覚束ない「オケ老人」たちのなかで勿論一番若く、力も備わっていると目され、指揮者になってくれと皆から懇願される。その後、彼が門を叩きたかった同じ町にある人気アマオケ「梅が岡フィルハーモニー」(略称・梅フィル)との確執、梅フィルの怜悧で、完璧主義のコンマス・大沢が熱望するロシアの人気指揮者ゴルゴンスキーの来日騒動などを経て、日本・ロシアの国家機密の情報漏洩にまで話は大きく展開していくが-。
感想・レビュー・書評
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勘違いから始まるマエストロ。多少の強引さはあるけど、コメディックであちこち笑えて楽しい。
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主人公は数学教師。新規に赴任した町で偶然聴いたアマオケに感動し入団するが、早とちりで聴いたオケではなく別のオケに入団してしまう。その団員は全員高齢者。辞めるに辞められず、指揮者になってしまう。
色々と事件が起こりつつも、音楽っていいな的にハッピーエンド。
話の筋は予想できていたが、ロシアが絡んでくるとは予想外。
テンポ良く文章も読みやすいのでサクッと読める。ただ、始めのほうは主人公が高齢者をバカにするような感じも多く、この手の筋にはありがちなので仕方がないのかもしれないが、やはりちょっとイヤな感じはある。 -
ご都合主義満載で何も考えずにサクサク読み進められるにも関わらず、そういった本にありがちな浅慮が故の不快な引っかかりがない。なんだかんだ言ってもハンバーガーとポテトとコーラも美味しいよねーみたいな感じで読めるエンタメ小説。
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色々とトントン拍子に進みすぎるけどそれがかえって気持ちいい。
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アマチュア老人オケからロシアの国家問題へ。絶対に繋がらないと思っていた事象がつながり、最後は音楽によって登場人物の人生が幸福に導かれている。特に最終楽章では、ドヴォルザークの第四楽章の物語を鮮明に描きながら、曲が描く怪物と目的の為にコンサートを破滅に導く怪物(アリヨシ)を重ね合わせて描写している場面が印象的だった。この作品は2016年に映画化されているが、主人公の性別の違いからも設定も内容も異なることは容易に予想できる。その違いに驚きを隠せないかもしれないが、違いを見つける楽しみとして映画も見てみたい。
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最初は話主が複数あり混乱しましたが、読み進めるとどんどん引き込まれます。出てくるご老人たちは元気でしたたかで個性的。主人公は巻き込まれ型で流されて行きますが、まっすぐ素直なところが良いところ。
音楽が好きな人たちが集まっていて、読んでると羨ましくなってしまう。
特に最初ド下手くそなウメキョーのご老人たちの演奏が、終盤になる頃にはホールで演奏してみたいよね、てとこまで上手になるのがスゴい!ラストの盛り上がりはとても素敵なので、ぜひ最後まで読んでほしい一冊です!
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音楽っていいなぁ。音楽じゃなくとも、一緒になって何かに向かって行ける仲間がいるっていいなぁ。と思えた作品。面白さも感動もあり、熱くもなった。
小説内に出てくる楽曲を聴きながら、そのシーンを読み直してみたい。 -
おじいちゃん、おばあちゃんがオーケストラで活躍するお話ですが、主人公はおじいちゃんでもおばあちゃんでもありません。ご老人たちと触れる中で成長していく中年教師、チンピラな青年、実業家、そしてスパイ。こう書くと何が何だかわからないお話ですが、読み終わるとさわやかな気持ちになります。音楽っていいですね。