移動動物園 (小学館文庫)

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著者 : 佐藤泰志
  • 小学館 (2011年4月6日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (282ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094086041

移動動物園 (小学館文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 生前は目立つ評価を受けずに夭折したものの、近年の再評価が著しい佐藤泰志のデビュー作。

    表題作をはじめとしてここに収められた3つの短編は、いずれも寄る辺なき労働者の生活をビビッドに描きだす。この時点で、独特の言語感覚に基づく風景や心理描写のテクニックが荒削りながらもみられ、その後の傑作に繋がる片鱗をうかがわせる。

  • 表題作「移動動物園」他「空の青み」「水晶の腕」二篇。
    数少ない労働を題材に描かれる青春小説。
    いずれも主人公は20代前半から半ばほどと思われる。三者三様の仕事(動物の飼育と動物のお披露目、マンションの雇われ管理人、大きな工場での手作業)と、仕事を通しての人との繋がり、瞬間が息づいている。暑い夏の空の色や茂った雑草の匂いとか滴る汗の流れ方まで、描写が精緻。文学のテーマに暴力がブームの時代があった当時の残滓が香る。
    解説では、作者と同じ時代に育った村上春樹との対比が記されており、なかなかに面白かった。彼は、主人公を汚さない、お洒落な描き方をしているのに対し、作者は、泥臭く、どこか陰気な、静観したところがある、といった様な内容だった。
    「水晶の腕」が好み。
    自衛隊やあんちゃんと呼ばれる男はじめ、他の仕事仲間とのやり取り、最後のピンク映画を見る場面なんかはそこに発せられる空気が物憂げしくもあり惰性的な生き方が描かれており、個人的には印象深い場面で、とても良い。

  • 1977年発表の表題作と1982年、83年発表の2作品を収めた短篇集。
    普段は芥川賞の候補になるような作家の作品は読まないのであまり比べることは出来ないが、このように内面を掘り下げる作家はやはり、2015年近辺の現代にはそう居ないだろうなと思う。

  • 解説には、村上春樹と重ね合わせた考察が書いてあった

  • 初めて読んだ佐藤作品。
    閉じた世界で繰り返される
    青年たちの汗臭い日常。

    20代半ばぐらいまでに出会っておきたかった。

  • 「移動動物園」、「空の青み」、「水晶の腕」所収。

  • 他の作品と比べて随分泥臭い。けどまぁ、彼らしいっちゃらしい。

  • 300 新宿ブコフ

  • 2012/6/14購入
    2015/6/14読了

  • 移動動物園も良いけど、空の青みと水晶の腕が好き。

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移動動物園 (小学館文庫)の作品紹介

『海炭市叙景』で奇跡的な復活を果たした悲運の作家、佐藤泰志のデビュー作を文庫化。山羊、栗鼠、兎、アヒル、モルモット…。バスに動物たちを乗せ、幼稚園を巡回する「移動動物園」。スタッフは三十五歳の園長、二十歳の達夫、達夫の三つ上の道子。「恋ヶ窪」の暑い夏の中で、達夫は動物たちに囲まれて働き、渇き、欲望する。青春の熱さと虚無感をみずみずしく描く表題作。他に、マンション管理人の青年と、そこに住むエジプト人家族の交流を描く「空の青み」、機械梱包工場に働く青年の労働と恋愛を活写した「水晶の腕」を収録。作者が最も得意とした「青春労働小説」集。

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