青いリボン (小学館文庫)

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著者 : 大島真寿美
  • 小学館 (2011年12月6日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (173ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094086706

青いリボン (小学館文庫)の感想・レビュー・書評

  • 離婚調停中の両親を持つ高校二年生の依子の物語。
    父は福岡に赴任中、母親と暮らしていたが、母親も上海に長期出張することになる。
    北海道にある母親の実家へ行けと言われ、途方に暮れる依子に、「うちに来る?」と住みかを提供してくれたのは友だちの梢。

    両親共働きで子供一人の依子の家は、おしゃれなマンション。
    梢の家は、祖父母・両親・子ども三人でにぎやか。
    以前は居候も絶えなかったという。
    あまりの『家庭』の姿の違いにおどろく依子だが、割とすぐに馴染んでいく。

    しかし、立派に仕事をしているにもかかわらず、驚くほど幼稚で身勝手な両親だ。
    (特に、幼稚な父親は嫌だな)
    それに対して、依子は醒めているというか大人と言うか。

    淡々と進む、いつもの大島真寿美の、少女の成長小説。
    透明感がある。

  • 家庭内別居の中で育った依子が、友人の大家族の家へ居候する中で、もまれながら、家族関係とは何かについて、考え、成長していく様子を描いた作品。『香港の甘い豆腐』よりこちらの方が好きだったかな。そして、上海に引っ越してしまった沖田君との関係は今後どうなるんだろう。沖田君へのもやもやとした気持ちと手紙のやり取りも何だかよかった。

  • 家庭内別居状態の両親と暮らしている女子高生・依子が主人公。
    父が福岡へ転勤になり、母は上海への長期出張が決まったため、依子は友人・梢の家に居候をすることに。
    3人兄弟に祖父母までいる梢宅はいつも賑やか。
    家族のあり方を考え直したり、ささやかな恋により成長する依子の物語。

    口調がかなり幼く、中学生向けのジュブナイル小説のようだった。
    ちょっと軽すぎる。

    http://www.horizon-t.net/?p=835

  • 高校時代って、甘酸っぱくていいな。

  • 大島さんの作品の中ではちょっと弱いかな。

  • みんないいかんじ。
    私は好き。
    ☆は3.5。

  • 年明けに、妙にハマってぐるぐると3周ほど読んでいた大島真寿美の『虹色天気雨』と『ビターシュガー』のことは、『We』176号の「乱読大魔王日記」で書いた。

    この大島作品が原作のドラマを、昨秋テレビでやっていたと妹がおしえてくれた。「ドラマになってたんか」と私はあとから知ったが、「本もあるんやー」と妹は原作のことを知らなかった。ほかに何人かからも、ドラマをみた、でも本があるのは知らなんだと聞いた。有川浩の『阪急電車』もそうだったが、本がいいと、映像のほうを見るかどうかと迷う。私のアタマの中でくりひろげられている会話と風景のイメージを、なんとなくこわしたくない。

    もうちょっと大島本を読みたくて、図書館で借りてきた『青いリボン』。高2の依子の両親は、もうずっと長いこと"家庭内別居"だった。びみょうな距離を保ちながら続いてきた生活が、父の転勤と母の海外長期出張を機に、動く。

    父の転勤先の福岡へ行くか、母方の祖父母のいる北海道へ行くか、学校は転校すればとか休学すればと、両親それぞれの勝手な話に、「学校を変わりたくない」依子は、親友の梢との相談で、梢のうちへ居候することになる。

    核家族の一人っ子のうえに、親がそんなびみょうな距離でいて、ずっと一人で暮らしているようだった依子は、梢に、その妹と兄、両親、おじいちゃん、おばあちゃんのいる大家族のなかで最初は戸惑う。

    ▼この家は、うちとなんてちがうんだろう。
     いつもごちゃごちゃと人が入り乱れていて、しょっちゅう誰かが誰かの名を呼び、しょっちゅう誰かが誰かを探してる。誰かが誰かに用事を頼み、頼まれた方は頼まれた方で、迷惑がって誰かに押しつけたり、シカトしてみたり、すすんで手伝ってたり、かと思えばトイレの前でどっちが先か喧嘩してみたり、あれこれ文句を言ったり。
     迂回せずに平気でぶつかり、平気で離れる。
     平気で近づき、平気で関わる。(p.55)

    自宅で暮らしていたときには、一人の時間がものすごく長かった。それが梢の家に住みだしてから、一人でいられる時間はほとんどお風呂の中と布団の中だけになり、しかしその環境に、依子はみるみる慣れてしまう。ざわざわと常に誰かの気配のある場を、心の底で少しうっとうしいと思い、そのうっとうしさを新鮮に感じる依子。「ここには生まれなかった私が、ここで生まれたかもしれない私をリアルに想像してみたりする。」

    ほらきょとんとしてる、また依ちゃんのきょとんが出た、なんでそんな不思議そうな顔をするのと梢や妹の多美ちゃんに言われて、ふいに依子は思う。

    ▼…私にはすべてのことが、とにかくあらゆることが不思議で不思議で仕方がないのかもしれない、という考えが頭をよぎり、口をつぐんだ。
     なんとなく、そんな感じが、したのだ。
     そう。私にとって世界はいつもいつも不思議で、何もかも不思議な感じで出来ていて、つまり、不思議であって当たり前で、だから、びっくりしつつも、それが何故か考えない。考えちゃいけない。考えてもしょうがない。と、どこかで諦めているような機が…しなくもない。諦める? 諦めるって何に? 世界の不思議に? (pp.85-86)

    長く"家庭内別居"を続けていた両親は、離婚にむけて動き出した。依子は、両親それぞれの勝手な話を聞かされながら、似たもの夫婦だと思う。

    ある日、父親に「べつにばらばらの家族だっていいじゃないか」「けっこう、うまくいってたじゃないか」といわれて、「なに勝手なこと言ってんのよ」と依子が語った言葉には、ううっと刺された。家族って何やろと思った。

    ▼「うまくいってたなんてよく言うね。どこがうまくいってたのよ? うちなんてね、あんなの家族じゃないよ。お父さんとお母さんなんて、いっつも自分のことだけ優先してさ。あ... 続きを読む

  • 家庭内別居中の両親の都合から、大家族の親友の家に居候することになった主人公で高校生の依子。
    それにしても依子の両親は随分子どもっぽくて身勝手だなあ。
    祖父母、両親、兄、妹、犬までいる親友梢のにぎやかな家族との生活は、一人っ子の依子には驚きの毎日。
    そんな梢の家族だって、ノーテンキに平和ってわけじゃあなかった。
    どんな家族が理想だなんて言えないけれど、父と母が離婚したって、
    自分の行くべき場所はどこかにあって、そこに向かって進んでいけばいい。
    そう思える依子は少し大人になったね。
    大島真寿美さんの小説を初めて読みましたが、友情と恋と家族の物語は、まさに青春小説という感じでした。

  • 二十八日に読了。表紙と作者と裏のあらすじを見て購入。
    初大島真寿美氏である。

    主人公が高校生だからか、一人称の語りが、文章の進め方が児童文学やヤングアダルトらしく、テンポよく読むことができた。

    両親が家庭内別居、などと聞くといくらでも暗い話ができあがりそうだが、全くそうはならない。
    そこがいい。主人公も、決して自分を可哀そがらず、状況を淡々と見ている。

    母親の出張に伴い、四か月間だけ友人宅に下宿。
    解説で藤田香織さんが述べているが、「ずっと当たり前だと思い込んでいた「我が家の常識」が「世の中の常識」であるとは限らないと気付く瞬間、というものは、おそらく多くの人に覚えがあるのではないでしょうか。」とはまさに。
    知らなかった世界がそこにはある。

    他を見て、自分を知ることも多い。こんな生活もあり得る。
    どちらが良い悪いではなく、羨ましがることもなく、妬むこともなく、ただ自分が見てきた世界とは異なる世界を見る人も居るというだけだ。

    それをきょとんとした顔で見ながら過ごしていく主人公。

    青いリボンで結ばれる関係。それは家族であったり友人であったり好きな人であったり。
    風に揺れ、「どれほどの距離をも、かるがる越えられる青いリボン」(p.142)。

    主人公は、人々との絆について考え、少しだけ成長したのかもしれない。

  • この著者の作風なんだと思うけど、力の抜け具合が、読んでいてとても心地いい。

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