東と西 1 (小学館文庫)

  • 小学館
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本棚登録 : 118
感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (380ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094086812

作品紹介・あらすじ

突然、左半身だけになってしまった男が、長野・松本での人生最初の記憶と邂逅する『T』。世間の流れに全く乗れない二十代半ばの仲良し三人組女子が日光への旅であることに気づく『猿に会う』。一万五十歳で生を閉じたはずの河童らしき生物が思わぬ場所に漂着する『極楽』。デザイン事務所見習いの男が謎のインク製造所で働くことになる『赤、青、王子』。江戸の酒問屋の跡取り息子と吉原の花魁との恋の顛末を描いた『すみだ川』。ある習わしに縛られた岡山の一族から脱出した女優の生涯を綴った『東の果つるところ』。日本のどこかを描いた意欲的な小説集。

感想・レビュー・書評

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  • 気に入ったのは「猿に会う」
    流行とか世の中とかに飲み込まれることなくふわふわ自分たちのペースで漂っているような、大人の女性3人組。25歳である。けれど童話のような語り口も相まって、そのことを忘れてしまいそうになる。3人ともこのままでいてほしいなあ。

    印象的だったのが「極楽」
    なんともいえないようなおかしみと哀しみ。また見方によっては全く違ったふうに感じられそうでもあり。それらが微妙に混じり合って心に残った。

    「T」は冒頭数ページで挫折。今まで読んだいしい作品は好きなものが多かったのだけど。もっと頭のスッキリしてる時に再度挑戦してみたい。

    個性的な作品揃い。

  • 「猿に会う」「すみだ川」「東の果つるところ」がおもしろかった。
    でも西加奈子サンがダントツ好きでした。
    西加奈子サンのこういうおもしろくて
    ホンワカしてて微笑ましい話大好き。
    日光東照宮行きたい!

  • いしいしんじ、栗田有起、西加奈子、藤谷治、森絵都、池田進吾。
    6人の作家さんが日本のどこかをテーマに描いた小説集。
    とにかく奇妙でちょっと入り込みづらいけれど、それぞれの「東」と「西」が描かれていて興味深い。
    http://matsuri7.blog123.fc2.com/blog-entry-195.html

  • お目当ての西さん作品…楽しめたのだけど、読後にサラッと印象が薄れてしまった。
    不思議な後味の短編の中、心に残ったのは「すみだ川」と「東の果つるところ」。前者はスタンダードながら好き同士なのに意地を張って回り道をしてしまう二人の行く末にハラハラし、後者は未来に自分の気持ちを伝えることができる手紙のひたむきな力に励まされた。

  • 「場所」をテーマにしたアンソロジーシリーズの1冊目ラインナップは、T(いしいしんじ)/猿に会う(西加奈子)/極楽(栗田有起)/赤、青、王子(池田進吾)/すみだ川(藤谷治)/東の果つるところ(森絵都)の6作。

    いしいしんじの『T』は、ちょっとわかりづらかったかなあ。なんかシュールなんだけど、あんまりしっくりこなかった。栗田有起の『極楽』は、安部公房ぽいというか、極楽へ旅立った(つもりの)河童が、受刑者を使った発電所みたいなとこに拉致られて働かされるという不条理系。

    名前を知らなかった作家さんは約2名、池田進吾というひとは本業ブックデザイナーで、このアンソロジーの発起人(編集者)。藤谷治も読んだことなかったですが、『すみだ川』は落語調の語りの江戸時代の話で、なかなか面白かったです。森絵都は、まあそれなりに設定とか面白かったけど、とくに感動とかはなく。

    ダントツはやっぱり西加奈子。なんてことない3人の幼なじみの女の子たちの日常&旅行の話なんだけど、やっぱりなんてことない最後の登場人物のひとことで、一緒になって泣かされてしまう。

  • 120216

  • いしいしんじ 『T』 ★★★★★
    やっぱり好き。一気読み♪

    西加奈子 『猿に会う』 ★★★★★
    いいですね、女友達♪ おなじく一気読み。

    森絵都 『東の果つるところ』 ★★★★
    なんだか?と思いつつ、一気読みww

  • 栗田有起さん目当てで。

    西加奈子さん、藤谷治さんが面白い。

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著者プロフィール

いしい しんじ:作家。1966年、大阪生まれ。京都大学文学部卒業。94年『アムステルダムの犬』でデビュー。2003年『麦ふみクーツェ』で坪田譲二文学賞、12年『ある一日』で織田作之助賞、16年『悪声』で河合隼雄物語賞を受賞。そのほか『トリツカレ男』『ぶらんこ乗り』『ポーの話』『海と山のピアノ』『げんじものがたり』など著書多数。趣味はレコード、蓄音機、歌舞伎、茶道、落語。

「2024年 『マリアさま』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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