羆撃ち (小学館文庫)

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著者 : 久保俊治
  • 小学館 (2012年2月3日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (348ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094086911

羆撃ち (小学館文庫)の感想・レビュー・書評

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  • ありがちなプロフェッショナルな人の一人語りかと思って読み始めましたが、これは深淵なる自然との交歓の記録であります。羆ものは好きなのでどうしても読んでしまいます。
    ただ、やはり基本的に野生動物を狩って首を飾ったりするのは生理的に受け付けないので、アメリカのハンティングに弟子入りしている所では素直に頷けない部分もありました。他国の文化なので否定はしたくないですが、動物の首をトロフィーといって、壁に飾ったりするのはどう考えても悪魔的。食べる為でなく飾るためってどうかしていると思っています。
    でも日本で愛犬フチと共に野山を駆け回って、狩った動物に感謝と愛を持って生活の糧にしている所は神聖な空気を感じる事が出来ました。そもそも生き物を殺す事を云々する人がいますが、自然に無関心な人が自然を壊すんですよね、特に川で遊んだ事無い役人のする公共工事は本当にえげつないです。以前秩父の山中ので前年まで誰も来なかった小さな渓谷が翌年護岸されていた時はまさに怒髪天を衝くという気持ちでした。話は逸れましたがこの本は自然への敬愛に溢れています。
    ちなみにアイヌ犬フチがとてもいじらしくてかわいいので愛犬家にもお勧めします。絶対泣くので人前で後半は読まない方が良いでしょう。

  • 久しぶりにすごい本を読んだ。

    私が「ヒグマもの」にはまっていたときに買った本で、買った当初数ページだけ読んでそのまま積ん読にしてあったものです。

    今回なんとなく「今かな」という気がして読み始めたら、もう止まらなくなりました。

    もう驚きの連続でした。
    私の「ハンター」の想像というのは、車で山まで行って、そこから山の中ウロウロして獲物を探して、いなかったら諦めて下山して家に帰って、後日また来る……というものでした。

    ところがところが!
    久保さんはまず山の中にキャンプを張り、そこから獲物の足跡などを追って山の中深く入り、追ってる獲物がその日のうちに見つからなかったらビバークするっていうんですから。
    北海道ですよ、ヒグマいますよ。
    「えーっ!」と信じられない思いでした。

    そして獲物を倒したら、その場で解体。
    それも心臓とか、その場で炙って食べながらやるっていうんですから、もう想像もつかないことばかりで「すげーっ!」の連続。

    淡々と、誰かとの会話文なんてほとんどなく、獲物を追って山の中を歩いてる描写が続くのですが、それがすごく臨場感があって、書評で「まるで森の中にいるよう」と言われたのも頷けます。

    なんという人がいたんだ、気づけてよかった、本を出してくれてよかったと思いました。

    そして猟犬フチとの出会いと別れ。
    たった一人で狩りをしていた久保さんにとっては、フチの才能は本当に心強かっただろうなあ、それだけにフチを失った悲しみは計り知れないです。涙なしには読めませんでした。

    読んだらブック〇フ〜くらいに思ってましたが、絶対に残しておきたい本になりました。
    私は持っていたので他の本に差し替えてもらいましたが、一万円選書をお願いした時にも候補に挙がっていた本なのもわかる!

  • ---ゆっくりと静かに構えたライフルのスコープの中に収まりきらない。ライフルを回すようにゆっくりと動かし、スコープの中で熊の鼻を見つける。そのままほんの少しライフルを下げ、喉を狙って引き金に力を加える。
     熊が崩れ落ちていった後、スコープには枝越しに空が、そして雲が写っていた---

    短くて簡潔で研ぎ澄まされた文章
    自然の中で狩猟する感覚と、動物たちとの対峙が飾り気のない文章で淡々と綴られています。

  • 久保俊治 「 羆撃ち 」プロ猟師である著者の猟師生活ノンフィクション

    宮沢賢治「なめとこ山の熊」、星野道夫の写真の世界観とリンクした。命のやり取りの残酷さ、自然との距離感を間違えたら命がなくなる緊張感、自然に生かされている自分など 研ぎ澄まされた死生観に満ちている

  • 久保さんとフチとの関係が素晴らしい。フチが健気で泣けてくる。人間同士でもこんな関係は作れないだろう。
    最後は涙で読みづらかった。フチと出会えて、久保さんは本当に幸せだったと思う。

    またこの装丁の絵が実にいい。

  • 2016.10.23読了。
    今年8冊目。

    岩田書店一万円選書の一冊。

    これまたものすごく良かった!

    何から書けばいいだろう...

    とにかく久保さんに魅了されっぱなしだった。
    その場で体験してるかのような臨場感のある描写。
    狩猟に全く興味のなかった私だけど、北海道での猟、アメリカでの生活、フチとの関係、そしてフチとの猟、どれもとても魅力的に描かれていてどっぷりのめり込んでしまった。
    だけど一気に読むのはもったいなくて少しずつ少しずつ大切に読んだ。
    羆撃ちとしての生き方、考え方ももちろん素晴らしく、そしてなにより素敵な文章を書く人だなぁと思った。


    続きが読みたい。もっと知りたい。
    恋する乙女のような気持ちで読み終えた。

  • みずみずしく読むうちに語感が目覚めていく気がする。
     厳しさを厳しいと感じさせない山中での狩猟生活の素晴らしさ。筆者の優れた狩猟感覚と身も心も自然ととけ込んでいるせいであると思う。自分などにはとてもできないだろうけれどとてつもなく憧れてやまない。

  • ^ ^

  • 大草原の少女みゆきちゃんのお父さんが、若かった頃、熊猟を主として生計を立てていたころの様子を描いた著書。羆を獲ってその場で解体して、内臓を食うという、野性味あふれる人物像とは裏腹に、書く文章がうまい。特に山の中の自然描写には多くのページ数を割いており、素晴らしい山の情景を読者に少しでも多く伝えたいという筆者の想いが伝わってくる。羆のわずかな痕跡を見つけだし、後を追い、仕留めるという息詰まるような攻防もまるで目の前に繰り広げられているかのような描写で書かれ、中盤以降出てくる猟犬「フチ」との生活や、永遠の別れの部分なども、この本に大きな色をつけてくれている。山での生活は、想像しているよりももっと壮絶なのだろうが、そんなことよりもある種の憧れを抱かせるような世界観を見せつけてくれる。

  • 岩田書店さん選書

    羆猟で生活をしていた方の話。
    猟犬のフチとの猟とアメリカでの生活の話が面白かった。

    こんなに自然の中にに生き、生き物を愛している人がいるなんて知らなかった。

    自分が今いる世界を彼のように愛せているか、自問自答した

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羆撃ち (小学館文庫)の作品紹介

北海道の大地で一人羆を追う孤高のハンターと比類無き才能を持つ猟犬フチとの迫力と感動に満ちたノンフィクション。大学を卒業後、就職せずに狩猟のみで生きていくことを決意した著者。猟銃と僅かな装備だけを手に山を駆け巡る生活の中で体感した自然の驚異と現実を瑞々しい感性で描く。

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