左京区七夕通東入ル (小学館文庫 た 21-1)

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  • 小学館
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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094087093

作品紹介・あらすじ

京都を舞台にした理科系男子との不思議な恋
学生の街・京都を舞台に、かけがえのない時間と仲間たち、ほっこりと育まれる等身大の恋を描く。甘酸っぱい記憶を呼びさますたまらなくキュートな青春恋愛小説。

単行本刊行時、多くのメディアから注目を集め、『ダカーポ最高の本2010』では「女子読み恋愛小説第1位」に選出された話題作の待望の文庫化。
2012年4月刊行の単行本『左京区恋月橋渡ル』は本作の姉妹編。

感想・レビュー・書評

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  • 『京都』というとどんなイメージが思い浮かぶでしょうか?

    せっかくなので全国47都道府県で『京都』が一位を占めるものを見てみましょう。まずは、”国宝の建造物数”です。これはどう考えてもそうでしょう。”金閣”、”銀閣”にはじまって、”清水寺”とか誰でも知っている建造物が目白押しです。次は、食べ物で”ほんしめじ”です。なんと全国の生産量の99.9%を占めるというその事実を私は今の今まで知りませんでした。偶然にもこのレビューがきっかけで知識が増えましたね。では、これは皆さんご存知でしょうか?”人口10万人あたりの大学数”です。えっ?と驚くその順位。東京よりも!大阪よりも!大学の数が多いというその順位を知って私はとても驚きました。確かに京都と言って思い浮かぶ大学名は多々あります。かつて都が置かれたその土地に学ぶ魅力、世界に誇る文化が色濃く残るそんな土地に学ぶ魅力というものが、京都の大学にはあるのかもしれません。

    このレビューを読んでくださっている方の中にもかつて大学で学んだという方がいらっしゃると思います。もしくは、私のように”学んではいない”けれど一応大学は卒業できたという方もいらっしゃるかもしれません(笑)。大学生活というものも人それぞれです。学問、サークル活動、そして恋…。人生の中でも最も自由な時代、なんでもできると自由を謳歌できる時代だからこそ、そこに賭けるものも人それぞれだと思います。

    さて、ここに、京都の左京区に位置する大学で、『運命のひと』を見つけたという女の子を描いた物語があります。『七月七日にわたしたちは出会った』と始まる恋の物語。それは、『数学科ってなにするの?』という女の子の質問に『一日、思いついたことを書きとめていくねん』と答える男の子の物語。そんな男の子と『もう少し会話を続けた』いと願い、『たっくんて呼んでいい?』と『なぜかそう聞いていた』という女の子。この作品はそんな女の子が大学生活最後の一年を、彼に一途に一生懸命に生きていく、そんな眩しい青春の煌めきを見る物語です。
    
    『七月七日にわたしたちは出会った』、というその朝に寝坊をしたのは主人公の花。『じっくり考えるひまもなく』、『白いシャツにジーンズという無難な組みあわせを身につけた』花。『時計をにらんで頭の中で計算』して、『あと五分だけ時間があること』に気づいた花は『プレーンヨーグルトの容器を開け』ます。さらに『ふと思いつき』、冷凍庫を開けた花はそこにブルーベリーがあるのを目にしました。『ブルーベリーは身体にいいらしい』と思って手に取るも『何粒かが、勢いあまってころころと容器の外にこぼれ』ました。そして、『脇腹のあたりに散った斑点に目を落とし、わたしは泣きたい気持ちになった』という花は、『悩んだ末に、先月末に買ったばかりの、紺地に白い花柄のワンピースを着ていくことに決め』ます。そして、授業の後、『食堂の前を通り過ぎたところで肩をたたかれ、振り向くとアリサが立って』いました。『ここから自転車で十分足らずのところにあるミッション系の女子大』に通うアリサは、『恋人の修治がうちの大学の理学部にいる』こともあって『このキャンパスに足繁く通って』います。『かわいい服!』と声をかけられ『ありがと』と返す花。そんな花に『ねえ、花ちゃんて今晩ひま?合コン、どう?』と『四対四で設定』していた合コンに欠けた一人の『代打を探している』と伝えるアリサ。『運命のひとがみつかるかも』と、粘るアリサに『了解』とうなずいた花。そして、『七時から三条木屋町の居酒屋で行われた』という合コンに出席した花。しかし、『お店に現れた男の子は修治も含めて三人』でした。『話題も雰囲気も非常にまともだった』と会が進む中、『乾杯から一時間以上経ってやっと四人目が登場』します。『空いていたわたしの正面の席にすとんと腰を下ろした』そんな彼と目が合い、『花です』と名乗ると『龍彦です』と答えた男の子。『どこの学部?』、『理学部』、『じゃあ修治と同じだね』、『うん、でも学科が違う。おれは数学科』と弾む会話の中で、花は修治が学ぶ『数学』に興味を持ちます。『たっくんて呼んでいい?』と『なぜかそう聞いていた』花。そして、そんないっ時を思い出し、『ひとめぼれというわけではなかった』、『なにがそんなにわたしの心をつかんだのか、今でもよくわからない』と振り返る花は、『でも、ひとつだけ確かなことがある』と考えます。『七月七日の朝にブルーベリーをこぼさなかったら、わたしはなんの変哲もない白いシャツにジーンズ』で、『アリサの誘いをすぐに断っただろう』、『それ以前に…アリサは私に声をかけようとは思わなかっただろう…』。そして、『七月七日の朝にブルーベリーをこぼしたおかげで、わたしはたっくんにめぐりあった』と思う花。『これから毎年、七夕飾りを目にするたびに、わたしはブルーベリーを思い起こすことになるのだろう』と思う花。そんな花が大学生活最後の一年を送る中で、『運命』の出会いを果たした龍彦のことを想う、甘酸っぱい大学生活が描かれていきます。

    『大学4年間京都にいて本当に楽しかったので、京都の街を知っている人にも知らない人にも想像しながら読んでもらいたいなと思っています』と語る瀧羽麻子さん。京都大学経済学部で学ばれたという、そんな瀧羽さんが綴るこの作品の一番の魅力は、瀧羽さんが『楽しかった』とおっしゃる大学生活の舞台、京都の街並みのこれでもか、と描写されていくその雰囲気感にあると思います。京都という街への想いは人それぞれだと思います。修学旅行で行った程度という方から、京都に長く暮らしていらっしゃる方、そして、瀧羽さんのように人生の一時期をその場所で過ごしたという方まで。これは京都に限らず、その街のイメージというのは人それぞれの経験によって見えてくるものが大きく異なってくるように思います。ほんの数日しか滞在しなければ見えるものはほんのわずかでしょう。その一方で長らく暮らすと逆に見えなくなっていく部分もあるように思います。そういった意味でも大学の四年間という青春の真っ只中を東京から移り住んだ花と、やはり大学の四年間を京都で過ごした瀧羽さんに見えたものはリアルに重なっていくのだと思います。そんなこの作品はもうどこを切り出しても京都を感じさせる地名が頻出していきます。『川端通に出て少し南に下ると、すぐに出町柳の駅に出る』という花のマンションから大学への道程。『この街と大阪をつなぐ京阪電鉄の終点で、さらに北、修学院や比叡山のほうまで延びる叡山電鉄にここで乗り換えることもできる』と単なる道案内に過ぎないような表現でさえ、雰囲気感に満ちていると感じるのは京都ならではです。同じようなことを他の都市の駅、路線名でやっても、だからどうしたとなるのは、京都という街が持つ最大の武器かもしれません。そんな場面を絶妙に短い言葉で切り取っていく瀧羽さん。それは、街中のふとした一瞬を捉えた場面でも同じです。『レンタサイクルの店の前にさしかかったとき、中から出てきた若い外国人のカップルが自転車をスタートさせた』という何気ない描写。そこに、『リズミカルに揺れる金髪の頭越しに、大文字の「大」の字が刻まれた緑の山肌がのぞめた』とまたもやこの一文だけでそこに京都の絵がふっと浮かび上がるこの場面。京都が好きな人にはたまらない、全編どこを切っても京都という街の魅力満載な作品だと思いました。

    そしてそんな京都の街の中に描かれる大学の風景も印象的です。『左京区』の入る書名で匂わされるその場所。『たまに機動隊に封鎖されちゃうんだけど』という『近衛通沿いのその寮に足を踏み入れる』という花の描写など、作品の中に大学名は登場しませんが、瀧羽さんの母校・”京都大学”をそこかしこに感じさせるのも、この作品の魅力です。そんな大学は、関西圏にあるものでもあります。となると欠かせないのは食です。そんな食のシーンも鮮やかに登場するこの作品。『それがたこ焼きパーティーの略だということがわかったのは、寮に着いてからのことだ』と花が驚いたのは、龍彦たち三人の男子と共に開いた『タコパ』の描写でした。『手前のちゃぶ台には立派なたこ焼き器がのせてある』というその場所。『鉄板のまるい穴はクリーム色のタネで埋められ、その横のボウルも同じどろりとした液体で満たされていた』と始まった『タコパ』。『熱々の表面にのせたかつおぶしが、へなへなとソースに寄り添う』というその描写。『今日って、たこ一匹分使ったん?』『うん、ヤマネんちから届いた分まるまる使い切った。いい味出てるやろ?そんじょそこらのたこ焼きとちゃうで』と続く極めて自然な関西弁の描写と共に盛り上がる『タコパ』の場面は、経験しないとわからない関西ならではの食の魅力と、それを味わう幸せなひと時をとても自然にリアル感を持って伝えていると思いました。

    そんなこの作品のもう一つの魅力が、花と龍彦、文系女子と理系男子の間に生まれた恋模様の描写です。『七月七日にわたしたちは出会った』というなんともロマンチックに始まる物語は、それだけだと、”そういうのは興味ないです”と切り捨てられる人もいそうな印象を受けます。しかし、そこで描かれていくのは、花の大学卒業までの9ヶ月に渡って、鴨川の流れのようにゆっくりと、穏やかなに展開していく二人の落ち着いた恋の物語でした。大学生の恋の物語と聞いてどのようなイメージを思い浮かべるでしょうか?確かにそれは青春の物語です。しかし、高校生の恋とは違います。主人公である花も『歴代、というほど経験豊富ではないけれど』と表現されるように今までにも複数の恋を重ねて来た女の子です。単なる初々しさではなく、花の心の動きで魅せていく瀧羽さん。『どうしてこのひとなんだろう。どうしてこのひとが気になってしかたないのか、笑顔を見るだけで条件反射のように力が抜けてしまうのか、自分でもわけがわからない』と、その恋に戸惑う花。恋に初々しいわけでもないのに『会いたいと思い続けていたくせに、短い会話が成立しただけでなんとなく満足だった』と、あくまでゆっくりと展開していくその恋は、文系女子と理系男子という背景の上に絶妙な温度感をもって描かれていきます。それが『数学は、やればやるほどはまるねん。歯止めがきかへん』、『予想が証明できたり答えの数字が出たりしたらおしまいってわけじゃないねん。逆に知りたいことがどんどん増えてくねん』と、龍彦が熱中する数学の世界の描写でした。そんな龍彦に戸惑う花。しかし、次第に龍彦のことを理解していく花は『ちゃんと知っている。たっくんにとって数学以外のことがどうでもよくなってしまうことも、そして、どうでもよくなってしまう一切がっさいに、わたし自身も含まれていることも』という一つの思いに到達します。『ずっと不安だった。今まで、ずうっと。わたしには数学のことはよくわかんないから』という花の想い。『でも、わからなくてもかまわない』、『そばにいたいの』と龍彦に寄り添っていく花のどこまでも真っ直ぐで、ひたむきな想いが描かれるこの作品。大学生の恋の物語なのに、この作品ではデートらしいデートのシーンさえ描かれることはありません。しかし、この作品で描かれる恋の物語は、心と心の繋がり、もっと高い次元で繋がっていく二人の恋の物語でした。これ、味があるなあ、とそんな想いが読後に後をひくこの作品。瀧羽さんが描く恋の物語の上手さをとても感じました。

    『その朝、わたしは寝坊をした』、という運命の朝から始まった七夕の一日は『ブルーベリーをこぼしたおかげで、わたしはたっくんにめぐりあった』という運命の瞬間へと繋がっていくものでした。大学という時代を思い出して、そこにどんな光景を思い浮かべるかは人それぞれだと思います。個人的なことを言えば、私は極めて不完全燃焼な四年間を過ごしたと未だもって後悔しています。そんな目には、この物語はあまりに眩しすぎる世界でした。京都の街のリアルな描写を、まるでスナップショットのように切り取って描いていく瀧羽さん。その素晴らしい筆致にただただ魅了されるこの作品。『タコパ。花火。学祭』とリアルな大学生活の魅力を存分に感じることのできるこの作品。そして、『ふたり乗りの自転車をこぎながら、振り向いた横顔』、『なんか、どんどん好きになる』、と花と龍彦の恋の物語が絶妙な温度感で描かれるこの作品。そこに展開される眩しいほどの青春を感じさせる作品世界に、いっ時を忘れてすっかり魅了された絶品だと思いました。

    瀧羽麻子さん、あなたの作品は私のど真ん中に突き刺さりました!
    眩しい青春の煌めきをありがとうございました!!

    • さてさてさん
      Macomi55さん、ありがとうございます。
      京都は旅行でしか行ったことのない私ですが、先日、ある用事で訪れた際に思わず小説内に出てきた地...
      Macomi55さん、ありがとうございます。
      京都は旅行でしか行ったことのない私ですが、先日、ある用事で訪れた際に思わず小説内に出てきた地名を探してしまいました。映画なんかの撮影地を訪ねる方もいらっしゃるようですが、確かにそういった楽しみ方ってあるんだなと思った次第です。京都は世界に名の知れた街ですし、観光立国を再び目指すにも要の都市、大切にしないといけませんね…なんだか政治家みたいですが(笑)
      読書量と言いますか、週に決まったペースで三度レビューを出すということを、三食のご飯のようにパターン化させて一年半になりました。自分の性格上、一度でも欠いてしまうと恐らくやめてしまうだろうな…という気がしているので、頑張ってペースを守ってやっています。ただ、飽き性な人間ですので、よくもまあ一年半も続けている(読書自体は来月で2年)なあ、とこれだけは自分を褒めてあげたいとは思っています。ただ、これには皆さんからいただくコメント、いいね、そして大崎梢さん「だいじな本の見つけ方」のレビューにも書いたのですが、自分の書いたレビューが、どなたかの新たな読書の起点になれること、”読みたい”に登録していただけること、このことをとにかく励みにして頑張っています。Macomi55さんにもお世話になっております。ありがとうございます!
      2021/11/07
    • Macomi55さん
      さてさてさん
       こちらこそお世話になっております。
       私は非常に遅読なので、その分、音楽のほうでレビュー数を稼いでいる(聞こえが悪いですね)...
      さてさてさん
       こちらこそお世話になっております。
       私は非常に遅読なので、その分、音楽のほうでレビュー数を稼いでいる(聞こえが悪いですね)のですが、決してブクログが読書のSNSだということを忘れているわけではないので、毎日少しずつ読んで細く長くやっていきたいと思ってます。これからも宜しくお願い致します。
      2021/11/07
    • さてさてさん
      Macomi55さん
      はい、いつも音楽のレビューにも魅せていただいています。私は映画のレビューは別サイトにあるのですが音楽のレビューって書い...
      Macomi55さん
      はい、いつも音楽のレビューにも魅せていただいています。私は映画のレビューは別サイトにあるのですが音楽のレビューって書いたことがなくて参考にさせていただいています。本の感想含め今後ともよろしくお願いいたします!
      2021/11/07
  • さてさてさんにお勧めしていただいた本です。

    タイトルを見てわかるかと思いますが、舞台が京都です。
    私が京都に住んでいたことがあり、とても懐かしいとコメントしたら、お勧めいただきました。

    川端通、出町柳、修学院。のっけから懐かしい地名がたくさん出てきました。
    なにせ私は高野川沿いの川端通りに住んでいて、叡山電鉄の修学院駅まで歩いて4,5分のところでしたから。

    主人公の花は京大とははっきり書かれていませんが、たぶん京大の文学部の4回生で商社に就職が決まっています。

    そして人数合わせの合コンで七夕の日に出逢った龍彦(たっくん)は理学部の数学科。4回生で大学院に進む予定。

    あとは花の友だちで女子大(ダム女かな?)に通う帰国子女のアリサと恋人の修治。
    たっくんの学生寮の仲間、アンドウとヤマネ。
    花のゼミ友の剛くん。
    バイト先の服飾店ソレイユの店長、陽子さん。
    そしてたっくんと親しそうな謎の女の人。
    などが出てくるとってもキュートな青春ものです。

    花とたっくんは自転車の二人乗りをするシーンがありますが、京都はバスと地下鉄の便がとてもいいけれど、やっぱり自転車ですね。
    私も自転車通勤していたし、哲学の道を自転車で散歩したり友だちの家にもどこでも自転車ですね。
    懐かしかったです。
    さてさてさん、ありがとうございました。


    ちょっとネタバレになりますが…。


    クリスマスに花がたっくんの気持ちがよくわからないで悩んでいるとき(たっくんは数学が恋人なんです)ゼミの剛くんに告白されてしまいますが、たっくんもいいけど剛くんもなんか『あすなろ白書』の取手くん(木村君演じる)を思い出してしまいました。(「俺じゃだめか」っていう有名なシーンです)なんかフミヤの「TRUE LOVE」が流れてきた気がしました。ちょっと古いでしょうか?
    あれって、まさに青春でしたよね?

    • さてさてさん
      まことさん、住んでいるからこそ逆に行かないということってありますよね。すごくわかります。
      この作品の舞台となった場所には、小説片手に訪れて...
      まことさん、住んでいるからこそ逆に行かないということってありますよね。すごくわかります。
      この作品の舞台となった場所には、小説片手に訪れてみたいです。もちろん、自転車がいいですね。今年ももうじき終わりですが、夢を一つひとつ現実にしていきたいと思います。よろしくお願いします!
      2021/11/21
    • まことさん
      さてさてさん。
      住んでいるから逆に行かないということもあるかもしれないけれど、わたしの場合は、まだ、ネットとかがあまり発達してない時代だっ...
      さてさてさん。
      住んでいるから逆に行かないということもあるかもしれないけれど、わたしの場合は、まだ、ネットとかがあまり発達してない時代だったので(^^;有名な書店があることを知らなかったのですよ。
      一乗寺の書店とか、北山の書店なんて、それこそ自転車乗り回していた場所でありながらあるのを知らなくて、ジュンク堂までいつも行っていました。
      ジュンク堂も、バスで四条河原町まで近かったので、そんなに遠くはなかったですけど。
      さてさてさんも、行かれる時はよく下調べされて、行きたいとこを逃さず行かれるとよいと思います。
      2021/11/21
    • さてさてさん
      なるほど。そうですね。今の時代、調べようと思えばなんでも調べられますからね。それを怠るのは後悔に繋がりそうです。
      ありがとうございます!
      なるほど。そうですね。今の時代、調べようと思えばなんでも調べられますからね。それを怠るのは後悔に繋がりそうです。
      ありがとうございます!
      2021/11/21
  • 瀧羽さんの小説はいつもタイトルが個性的です。
    これは、京都を舞台にした、大学生の恋愛小説。
    オシャレが大好きな、文学部4回生の花の恋物語。

    「七月七日の朝にブルーベリーをこぼしたおかげで、わたしはたっくんにめぐりあった。」

    なんて純粋で可愛いお話なんだろう。
    花は、同じ高校だったアリサとその彼氏修治の主催する合コンに参加して、たっくんこと龍彦に出会います。
    寮生活をする理学部のたっくんと、同じ寮生の友人ヤマネとアンドウ。
    三人セット、プラス花の四人で、タコパに花火、学祭、飲み会。
    もう青春そのものって感じです。
    京都の町を散策したくなります。

    たっくんをどんどん好きになる花。「数学バカ」の壁が立ちはだかるけれど、焦ってもどうしようもない。二人の距離が縮まらない。
    一体たっくんのどこがいいのと言われるけれど、たっくんの良さは私にしかわからない。
    恋ってそういうものですよね。
    これ、ピュアすぎて、泣けます。
    ブルーベリーのような甘酸っぱい恋。

    こんな素敵な学生時代の思い出は、色あせずにいつまでも心の片隅にあり続けてほしいです。

  • 自分の大学時代を改めて思い出しました。あることに熱中するあまり恋人と別れたこと、友人と好きなだけ時間を気にせず色んなところへ出掛けたことなど。

    物事を並行して進めるのは難しいこと!と気づいたのは大学時代でした。たった4年間だったけど、内容は濃すぎて、今でも思いを馳せます。勉強も遊びも、もっとやっておけばよかったといつも思います。
    2021,11/20-21

    • saruさん
      さてさてさん、ありがとうございます。
      とても嬉しいです。

      いつも楽しく拝読しております。
      今回さてさてさんと、まことさんのやり取りを拝見し...
      さてさてさん、ありがとうございます。
      とても嬉しいです。

      いつも楽しく拝読しております。
      今回さてさてさんと、まことさんのやり取りを拝見し、この本を手にしました。

      大学を卒業して20年が経ちますが、何度あの頃を振り返ったかわかりません。しかし、今では当時の仲間とも疎遠になってしまいました。SNSもあって、すぐに連絡も取れる世の中ですが、それも躊躇してしまうくらいの距離感を感じます。きっと、会えば盛り上がるんでしょうね。
      2021/11/21
    • さてさてさん
      saruさん、こちらこそいつもありがとうございます。
      確かに会わないとどんどん疎遠になっていきますね。会えば間違いなく盛り上がるようにも思う...
      saruさん、こちらこそいつもありがとうございます。
      確かに会わないとどんどん疎遠になっていきますね。会えば間違いなく盛り上がるようにも思うのですが、その一歩がなかなか踏み出せなくなっていくような気もします。せっかくの楽しかった想い出が変化しそうにも感じてしまって。
      今をしっかり生きるのも大切かなと、そして、未来に今を後悔しないように生きるのも大切かなと、そんな風に思ったりもします。
      いずれにしても色んなことを考えさせてくれた作品だったと思います。
      saruさんとやりとりさせていただくきっかけができて良かったです。
      今後ともよろしくお願いいたします!
      2021/11/21
    • saruさん
      さてさてさん
      おっしゃることに同感です。

      今をしっかり生きる、未来に今を後悔しないように生きる!ですね。

      こちらこそ、よろしくお願いいた...
      さてさてさん
      おっしゃることに同感です。

      今をしっかり生きる、未来に今を後悔しないように生きる!ですね。

      こちらこそ、よろしくお願いいたします。
      2021/11/21
  • 文系おしゃれ女子(都内出身)×理系寮生男子。京都大学を舞台にしたほんわか恋愛もの、、、なんですが、なんというかもう少し泥臭いお話が読みたいのです。「鴨川ホルモー」とか「太陽の塔」みたいな。

    京都を舞台にしたお話は数多あれど、我がD社はあまり登場しないので少し寂しい。。。

    高校生の頃、たっくんと同じ京都大学理学部数学科の皆さんと合コンなるものをしたことがあるのですが「数式の美しさ」「数字の神秘性」などを夢見る瞳で滔々と語られ、またカラオケでブリーフ&トランクスの「青のり」を熱唱され、、、いたいけな女子高生の合コンデビューにしてはインパクトが強すぎました。。

    でも未だにやりたいことや学びたいことを見極められず、浅く広く趣味の幅を広げている身からすればただ一つのことに没頭できる情熱だとか早々にそういうものを見つけられた人は羨ましくもあり。

    火が大好きで花火狂いのヤマネ、ひげもじゃでいかついが趣味はたこ焼き作りのアンドウら、あの寮に実在していそうな個性豊かな面々が魅力的。正直花ちゃんとたっくんのこれからよりも、寮生と京都のお話を読みたいだけなのかもしれません。

  • 大学時代は特別なことがあってもなくても後から振り返ると青春そのものという気がする。このお話は京都を舞台にしたそんな青春のひとこまを描いており、読んでいて懐かしいような、当時の日々に戻ったような感覚だった。内容は異なるが『のだめカンタービレ』といったドラマ(漫画)も好きだった私にとっては、この小説はとても面白かった。

    • IKFさん
      さてさてさん、こんにちは!
      こちらこそいつもありがとうございます。陰ながらさてさてさんのレビューのファンでしたので、直にコメントをいただき、...
      さてさてさん、こんにちは!
      こちらこそいつもありがとうございます。陰ながらさてさてさんのレビューのファンでしたので、直にコメントをいただき、感激しております。
      実は、こちらの作品、さてさてさんのレビューを拝読してから気になっていたものでした。期待通りの面白さで大変良かったです。ありがとうございます。「リアルな京都の街の描写が、青春のリアル度をさらに演出している」というさてさてさんの分析、なるほど!と思いました。大学時代、振り返ると全部ひっくるめて良いですよね。
      今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
      2022/01/17
    • さてさてさん
      IKFさん、ありがとうございます。
      IKFさんとは、結構好みの本が重なるように思いますので、レビューを楽しみにしております。最近では青山さ...
      IKFさん、ありがとうございます。
      IKFさんとは、結構好みの本が重なるように思いますので、レビューを楽しみにしております。最近では青山さんの「赤と青とエスキース」のレビューを早々にあげられていらっしゃいましたよね。私、三冊セットでしか読めないので青山さんについては、既に既刊を読んでしまってあと二冊出していただくまで読めないというジレンマがあり、IKFさんがレビューされているのを見て羨ましいというか、自分で自分に課した足枷を恨めしく思いました(笑)。ブクログの場ってこうやって読む本の刺激のし合いができるのも良いですね。
      こちらこそ、今後とも引き続きましてどうぞよろしくお願いいたします。
      2022/01/17
    • IKFさん
      さてさてさん、ありがとうございます。さてさてさんの読書の幅には及びませんが、私もさてさてさんと好みの本が似ているような気がしておりました。3...
      さてさてさん、ありがとうございます。さてさてさんの読書の幅には及びませんが、私もさてさてさんと好みの本が似ているような気がしておりました。3冊セットのルールを徹底されていてすごいです・・!青山美智子さんの新刊が早くもう2冊出て、さてさてさんの「赤と青のエスキース」のレビューを楽しみにしていますね!これからも魅力たっぷりのさてさてさんの本棚を参考にさせていただきます。改めてどうぞ宜しくお願いいたします。
      2022/01/18
  • ほのぼの恋愛小説。先日まで読んでいた「鴨川ホルモー」と同じ京都大学が舞台なのに、このカラーの違いは何だ!(笑)
    世の中の女子は大抵こういうのなんだろうなぁ。おしゃれが好きで、甘いものが好きで、ランチは自然派。男の子との素敵な恋とバイトの毎日。。。そういうのも悪くないけど、私にはつまらなく思えた。女子力強すぎる女は苦手だ。私自身や周りの友人達も完全にドライでさっぱり男前系で女子を全面に押し出してくる子いなかったので、共感できなかったのかも。

    と、ここまで書いた時は☆3つにしようと思っていたけれど…読んでいて昔のトレンディドラマのような展開に(「俺じゃダメか?」のキムタクか!)いよいよ耐えられなくなり、☆2つを決意した。後はもう無理矢理読み終えた感じ。
    甘い恋愛小説が自分には向いてなさそう…と思う今日この頃です。

  • 京都を舞台にした理系男子と文系女子のかわいい恋愛物語。
    京都の情景を思い浮かべながら読むのは楽しかった。
    恋愛要素はちょっとかわいすぎて・・・
    学生の頃に読んでたらもっとはまったかも。

    • まろんさん
      タイトルが素敵な本ですね♪
      「七夕通」って、すごく風情のある名前ですが、実際にある通りなのでしょうか?
      理系男子と文系女子っていう組み合わせ...
      タイトルが素敵な本ですね♪
      「七夕通」って、すごく風情のある名前ですが、実際にある通りなのでしょうか?
      理系男子と文系女子っていう組み合わせの行方が気になります♪
      2012/07/09
    • nobo0803さん
      「七夕通」かわいい名前ですよね~。
      残念ながら実際にはないんですよ。。。
      「七夕通」かわいい名前ですよね~。
      残念ながら実際にはないんですよ。。。
      2012/07/10
    • まろんさん
      あら、それは残念!
      もし本当に存在するなら、ぜひ住んでみたい地名ですよね。
      誰かに手紙を書くときに、自分の住所として「七夕通」って書けたら素...
      あら、それは残念!
      もし本当に存在するなら、ぜひ住んでみたい地名ですよね。
      誰かに手紙を書くときに、自分の住所として「七夕通」って書けたら素敵ですよね♪
      2012/07/10
  • 「左京区七夕通東入ル」というタイトルに惹かれた。
    京都好きなら気になってしまう。

    しかし、読むのはしんどかった。
    京都の大学生を主人公にしているのだが、
    森見登美彦作品のように阿呆な男子視点ではなく、
    恋する女子大生視点。
    つまらないというのではなく、語り口が合わないというか…

    主人公の花が、恋人に対する想いにしても、
    当初の覚悟が口だけでしょ?自分がかわいいよね?
    という予想が裏切られない。
    恋を通して、花が人間的に成長するってことを
    描きたかったのかもしれないし、
    予想の範疇がダメというわけではないけれど、
    それを上回るような物語にして欲しかったと思ってしまった。

  • 恋模様の果てしなく若者像の物語ですね。自由奔放な束縛が1番引っかかる、でも常にそうなる状況を作る花が初めて本気で好きになるたっくん。お互い言い出せず、自分から飛び込むのに壁を見つけてしまう、それを越せない花。でも4月に出会えて12月に恋人同士になるとか、掛かりすぎちゃうの。自分から行かない行けない言うてるけど情報収集はピカイチ。あっ相手を落とすとかそんな技はないのかな。就職は決まったがやりたい事見つからずモヤモヤしてます。プライベートは充分やり切った切った大学生活思うけど、折り返しページで未だ進展しない

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著者プロフィール

1981年、兵庫県生まれ。京都大学卒業。2007年、『うさぎパン』で第2回ダ・ヴィンチ文学賞大賞を受賞し、デビュー。
著書に『ふたり姉妹』(祥伝社文庫)のほか、『ありえないほどうるさいオルゴール店』『女神のサラダ』『もどかしいほど静かなオルゴール店』『博士の長靴』『ひこぼしをみあげて』など多数。

「2023年 『あなたのご希望の条件は』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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米澤 穂信
有川 浩
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