線の波紋 (小学館文庫 な 17-1)

著者 :
  • 小学館
3.35
  • (8)
  • (27)
  • (42)
  • (3)
  • (5)
本棚登録 : 215
感想 : 27
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (317ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094087727

作品紹介・あらすじ

一人娘・真由が誘拐されて一か月、役場の仕事に復帰した白石千賀は、入札業者の不審な電話に衝撃を受ける(「談合」)。誘拐事件から二か月後、同じ町内に住む二十四歳の会社員・鈴木航介が死体で発見され、不思議なことにその表情には笑みが浮かんでいた。同僚の久保和弘はその一週間前、経理部員である航介から不正を指摘されていた(「追悼」)。誘拐事件を追っていた刑事・渡亜矢子は、地道な捜査を続け、ついに犯人像に近い人物にたどり着くが…(「波紋」)。すべてのエピソードが一つの線になり、事件の背景に「誰かが誰かを守ろうとした物語」があったことを知る(「再現」)。誘拐された幼女はその家で何を見たのか!?ベストセラー『傍聞き』の気鋭作家が「優しさの中の悪意」を世に問う。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 誘拐事件に殺人事件。
    未解決の事件が続く、上条町の人々をえがく。

    ひとつひとつの話が、独立した短編としておもしろい。
    葛藤あり、伏線あり、スリルありで、最後にきちんとオチがある。
    さらに、それぞれのエピソードがからみあい、ひとつの真相へとたどりついていく。
    長編としてもたのしかった。

  • 一つ一つは誰かが誰かを守るための物語。
    実は全て大きな出来事で繋がってた。
    少し頭を捻るような、著者らしい面白さがあった。

  • 表紙の絵が球体人形の女の子なので、ちょっと気味が悪く、怖い物語なのかなと不安な気持ちで読み始めたが、優しい気持ちになる物語でした。誘拐事件や殺人事件も起きるので平和な物語とは言えないのだが、親と子の思いやりだったり、夫婦の絆だったり人と人との繋がりの物語でした。

  • ん〜複雑に絡み合いすぎて解りずらい感じでした。渡さんはなんであんな男を好きになってしまったのかなぁ。
    ただ、『線の波紋』という題名には納得です。

  • 幼女誘拐事件を発端に連作短編小説の形式で物語が展開する。最後には一見関係なさそうな事件が一本の線でつながる。『傍聞き』が非常に面白く、『陽だまりの偽り』も良い出来だったので、期待して読んだのだが、技に溺れた感があるスッキリしない作品だった。

  • 単なる短編だと思って読んだら、実は連作だった。
    全体的に気味が悪い話であった。

  • それぞれの短編が1つに繋がるとの触れ込みで読んでみたが率直に言って期待外れであった。
    各話共に謎めいていてそれなりの結末を迎えるが、真犯人も察しがついてしまうし、そこに気づく過程も若干強引であった。作者が短編巧者なので非常に期待していただけに残念。
    これであれば敢えて短編をつなげるのではなく、中編なり長編にしてしまった方がもっとストーリーに入り込めた気がする

  • 4編の短編連作集。

    一つの少女誘拐事件を軸に
    いくつかの事件が絡み合っていく。

    ①談合
    ②追悼
    ③波紋
    ④再現

  • 文章が読みにくく、そして登場人物の中身が薄っぺらく非常に読んでいて苦痛だった作品。
    特に女刑事が惚れている相手に全く魅力がなく、ストーリーに入り込めなかった。
    この作者の他の作品は面白いものが多いので非常に残念でした。

  • 短編だけど長編。一気に読まされてしまった。ただ、つらい話。

全27件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1969年山形県生まれ。筑波大学第一学群社会学類卒業。2003年「真夏の車」で小説推理新人賞を受賞し、05年『陽だまりの偽り』でデビュー。08年「傍聞き」で第61回日本推理作家協会賞短編部門を受賞。13年刊行の『教場』は「週刊文春ミステリーベスト10」の1位、「本屋大賞」6位などベストセラーとなった。他の著書に『線の波紋』『波形の声』『群青のタンデム』がある。

「2022年 『殺人者の白い檻』 で使われていた紹介文から引用しています。」

長岡弘樹の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
長岡 弘樹
湊 かなえ
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×