- Amazon.co.jp ・本 (317ページ)
- / ISBN・EAN: 9784094087727
作品紹介・あらすじ
一人娘・真由が誘拐されて一か月、役場の仕事に復帰した白石千賀は、入札業者の不審な電話に衝撃を受ける(「談合」)。誘拐事件から二か月後、同じ町内に住む二十四歳の会社員・鈴木航介が死体で発見され、不思議なことにその表情には笑みが浮かんでいた。同僚の久保和弘はその一週間前、経理部員である航介から不正を指摘されていた(「追悼」)。誘拐事件を追っていた刑事・渡亜矢子は、地道な捜査を続け、ついに犯人像に近い人物にたどり着くが…(「波紋」)。すべてのエピソードが一つの線になり、事件の背景に「誰かが誰かを守ろうとした物語」があったことを知る(「再現」)。誘拐された幼女はその家で何を見たのか!?ベストセラー『傍聞き』の気鋭作家が「優しさの中の悪意」を世に問う。
感想・レビュー・書評
-
誘拐事件に殺人事件。
未解決の事件が続く、上条町の人々をえがく。
ひとつひとつの話が、独立した短編としておもしろい。
葛藤あり、伏線あり、スリルありで、最後にきちんとオチがある。
さらに、それぞれのエピソードがからみあい、ひとつの真相へとたどりついていく。
長編としてもたのしかった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
一つ一つは誰かが誰かを守るための物語。
実は全て大きな出来事で繋がってた。
少し頭を捻るような、著者らしい面白さがあった。 -
表紙の絵が球体人形の女の子なので、ちょっと気味が悪く、怖い物語なのかなと不安な気持ちで読み始めたが、優しい気持ちになる物語でした。誘拐事件や殺人事件も起きるので平和な物語とは言えないのだが、親と子の思いやりだったり、夫婦の絆だったり人と人との繋がりの物語でした。
-
ん〜複雑に絡み合いすぎて解りずらい感じでした。渡さんはなんであんな男を好きになってしまったのかなぁ。
ただ、『線の波紋』という題名には納得です。 -
幼女誘拐事件を発端に連作短編小説の形式で物語が展開する。最後には一見関係なさそうな事件が一本の線でつながる。『傍聞き』が非常に面白く、『陽だまりの偽り』も良い出来だったので、期待して読んだのだが、技に溺れた感があるスッキリしない作品だった。
-
4編の短編連作集。
一つの少女誘拐事件を軸に
いくつかの事件が絡み合っていく。
①談合
②追悼
③波紋
④再現 -
文章が読みにくく、そして登場人物の中身が薄っぺらく非常に読んでいて苦痛だった作品。
特に女刑事が惚れている相手に全く魅力がなく、ストーリーに入り込めなかった。
この作者の他の作品は面白いものが多いので非常に残念でした。 -
短編だけど長編。一気に読まされてしまった。ただ、つらい話。