奇跡の教室 (小学館文庫)

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著者 : 伊藤氏貴
  • 小学館 (2012年10月16日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (233ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094087734

奇跡の教室 (小学館文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 本書は、橋本武という一人の教員が、私立中高一貫校で展開した授業と、その授業を受けた子どもたちのその後の人生への影響をまとめたものである。橋本先生は、1年間を通じて中勘助著『銀の匙』を教材として活用する。和辻哲郎が「不思議なほどあざやかに子供の世界が描かれている」と述べる教材を1年間を通じて活用する授業で、子どもたちは、追体験を通じて子どもの世界と文学を学ぶ。教育のあり方、教材研究のあり方、教師のあり方等、様々な教育に求められる観点を考えさせてくれる。教育者を目指す学生には是非、読んで頂きたい良書である。

    人間科学部 F.K

    進学校として名高い灘校において教科書を一切使わずに一冊の文庫本を3年間かけて読み解くといった授業をしてきたエチ先生こと橋本武先生を取り上げた本である。このように言われれば、ああ、そんな話を聞いたことあるな、と思う方も多いのではないでしょうか。多種多用な形で橋本先生の授業方法は取り上げられており、この本もそのうちの1つと言えます。但し、エチ先生の教え子の話や、エチ先生から学んだことなども上手に織り交ぜて構成されているので、非常に読みやすくなっています。将来、教員を目指す学生さんには是非とも読んでいただきたいと思います。そして、時間がありましたら、3年間読み解かれた『銀の匙』にも手を伸ばしてみてください。

    教育学部 J.K


    越谷OPAC : http://kopac.lib.bunkyo.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=1000887380

  • 「速けりゃいいってもんじゃない」
    「すぐ役立つものは、すぐ役立たなくなる」

  • 学力を育てるというより、人間を育てるエチ先生の授業。自分で自発的に考えることが出来れば、勉強だって楽しく思えるようになるかもしれないし、大人になってもしっかりとした考え方が持ち、様々な状況に柔軟に考えることができるかもしれない。そんな考え方を教えてくれる先生がもっといたら、きっと学校が楽しいものになっていたかも。そんな授業を行なってきたエチ先生の授業は素敵だ。うらやましい。

  • 灘中高の元教師、橋本武先生は、中勘助の「銀の匙」を教材にして、中学一年から三年までの国語の授業を行った。

    3年間かけ、一つの作品を読み込んでいく途中で、文中のエピソードから横道にはずれ、美術や、数学の勉強にもつながっていく授業だった。

    この本はその授業を受けた子どもたちの今の姿も紹介している。当時の授業の様子や、その授業を受けたことにより、進路や、仕事にどのような影響を及ぼしたかがわかる。

    紹介された人たち、なぜかみなさん、東京大学出身者なんですね。

    この授業、受けてみたかった。そして、この授業、やってみたい。

  • その当時無名だった灘高をここまでの名門に仕上げた方の本。

    「横道こそが王道」

    新鮮な気分と共に自分の意欲をすごくかき立てられる。

    先日101歳でお亡くなりになったと知り、これは単なる偶然ではないのかもしれない。
    ご冥福をお祈り致します。

  • 『奇跡を起こすスローリーディング』を読んで気になったので購入。
    『銀の匙』だけを3年間かけて読む授業を行った教師と生徒に取材したノンフィクション。
    ゆっくり本をよむこととは、自らの好奇心に任せてどんどん横道にそれても構わず、物語の世界に没入すること。これにより実生活、実社会を生き抜いていく力を養うこと。
    ともすれば、ストーリーが気になってはやく読んでしまいがちになる自分を戒めようと思った。

  • 灘中学で行われた精読の講義の先生についての本。

    のめり込ませる技術のlostwikiではないけれども、内容についてそれぞれを細かく解説していくという手法。

    のめり込ませて調べたくなるというのが一番思いつきやすいけれど、調べさせることで内容を把握させてのめり込ませるというのも、方法なのだなと。ビギナーをマニア化させる方法とでも言ったらいいのであろうか。

    ここのところ読んでみようと思っている&読み進めている文学者の書く読書案内にも通じる感じでなおかつ、元々が中学生向けなのでこれなら自分でもできそうという内容がいいと思う。

    本書のプロフィールを見ると二〇一二年十二月に単行本としてでたとあるけれど、文庫初版二〇一二年十月。単行本は二〇一〇年十二月では?

  • 灘高の伝説の教師橋本さん。
    中勘助の「銀の匙」を中学3年間教材として扱い、
    「スロー・リーディング」を実践した。
    教え子たちのその後が中心。

    銀の匙は美しい日本語の文章で私も大好きですが
    どんな読み方をしてるんだろうと気になっていた。
    この本はそれについて書いてある本ではなかったけれどヒントにはなった。
    教材のプリントを是非みてみたいなあ。

  • まぁ、「東大合格率日本一」っていうのがあって、そこから導かれて、ものすごく外側から書かれた本だから、こんな感じなんだろうなぁ。

    失敗には理由があるけど、成功にはたいした理由はないというのは、この手の本を読むときに、いつも心にとめておかなければならないことです。
    もちろん、そこからなにも学ぶなという意味ではないけれど。

    この物語の中での1番の奇跡は、エチ先生に、自由に精一杯やれる環境があり続けたということですよねぇ。学校では、昔から、「教科書教えろ問題」っていうのがありますから。
    確か、裁判にもなったような気がします。

    その環境をつくって維持していくことも、もちろん、その人の徳であったりするのですが……。でも、その維持や、理解してもらうことにあまりにもエネルギーを使ってしまうと、肝心の所にエネルギーを費やせなかったりします。

    目先のことしか見えないのは悲しい。
    それは、自分にも戒めておこう。

  • 西先生の紹介

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奇跡の教室 (小学館文庫)の作品紹介

橋本武、現在100歳。戦後、公立校のすべり止めと見られていた灘中学で、文庫本『銀の匙』だけを3年間かけて読む授業を始める。虚弱な少年の成長物語を、横道にそれながら丁寧に追体験していく、橋本授業を受けられたのは30年間でわずか千人。そして『銀の匙』授業3巡目の昭和43年卒業組は「私立初の東大合格者日本一」に。実社会でも教科書なき道を切り拓いていく、「燃え尽きない一生学び続ける好奇心」を授けた授業を、橋本武自身と教え子たちへの1年間の及ぶ取材から解析。スロウリーディング・ブームの火付け役となった感動のノンフィクション、遂に文庫化。

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