偽善入門 (小学館文庫)

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著者 : 小池龍之介
  • 小学館 (2012年12月6日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (236ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094087833

偽善入門 (小学館文庫)の感想・レビュー・書評

  • 備忘録的に...

    ・道徳とは一般に「自分が得をするために、他人に守らせたい」という利己的な特徴を帯びるのではないかと推測されます。自分が労力を払うことなく周りの人間に労力を払わせるために道徳に「タダ乗り」しようとしているのです。結果として、世の中の道徳は「他人に押し付けるもの」「命令的なもの」という特徴を帯びて参ります。

    ・たとえば「そんなの常識でしょ」「それは社会性に欠けているよ」という台詞があります。このような「誰もが皆こう振舞ったり考えたりするのが当然である」という言い方をするとき、「それを言っている本人の意見が社会全体のルールや社会全体の常識に一致していて、それを言われている相手は、その素晴らしい意見を理解できない非常識な人間である」という印象を作り出すことができるのです。しかしながら、たかだか一個人の意見が社会全体の常識や意見に一致する、ということはありません。

    ・私達の心の中身がとっ散らかった不全な状態へと導く下手なエネルギーには、たった三種類しかありません。「欲望」「怒り」「迷い」

    ・自業自得という言葉は、自分自身を理解するときにのみ有効な言葉であって、他人に投げかけますときは、ほぼ必ず欲望や怒りになって、相手を蔑ろにしようとしているものであるということが、気づかれるでしょう。

    ・100%の悪、100%の善というものはない。偽善のグラデーションを少しでも、偽「善」とぜんを増やす努力が必要。

    ・「欲望=やる気」ではない。

    ・やる気のエネルギーと申しますのは、欲や怒りなしに、集中して何かに取り組んだときに得られた、過去に積んだ善いカルマのエネルギーを原材料として作られます。

  • 「考えない練習」に引き続きこちらも読了しました。
    私にも世の中みんな偽善だ!嘘つきばかりだ!!と斜に構えていた時期があったので、とても腑に落ちることばかりでした。
    今もその傾向が少しあることも、読み進めるうちに実感。
    でも偽善というものが、どういうものなのか分かったのでこれからまた自分を見つめ直したいと思いました。
    今もう既に読み直したい!って思ってます(笑)
    解説にも書いてありましたが、それ程に目からウロコなお言葉だからけで、びっくりすると同時に、読むととてもホッとできるのでふとした時に読み返したくなります。

  • あまり期待せずに読み始めたが、期待以上に示唆に富んだ本だった。
    道徳というものについて、自分が労力を払うことなく周りの人間に労力を払わせるために道徳に「タダ乗り」しようとしている、利己的な特徴があるという下りは、なるほどと思った。確かに純粋な善というものは稀有かもしれない。
    カルマのエネルギーに関しては、少し抵抗感があるが、まあ著者は僧侶なのだから、当然ああいう表現になるのだろうと思う。

  • p66 その怒りの感情により心身は損なわれ、惨めな気分になり、相手をも不快な気分にさせる。"偽"善ではなく、偽"善"とクローズアップするせい

    p71 過去に作った何かに対する、嫌だなあ、というガソリンが心の中に蓄積し、それが原因でたかが雨や風のことにすら心がネガティヴに波打つ。これがカルマの報い

    p87 勝者への恨みを抱く、それに我慢ならず、勝ち負けを逆転させるへりくつとして道徳を発明。勝者は卑怯で強欲、自分は心優しいから競争に関わらない、道徳的にまさっている
    という道徳ゲーム、ニーチェのいう奴隷道徳

    p91 自分は愛されてる特別な存在と錯覚したいほど、できるだけ自分は優しくせず相手から一方的な愛情を、もとめる、という呪わしい態度

  • いろんなことが
    合点いった
    僕にとっては
    価値ある内容でした

    「諸法無我」とか
    「欲望はやる気とは違う」とか
    「時間差カルマ」とか
    「カルマの流れを乗りこなす」とか

    いままで不確かだったことが
    すっきり(頭では)理解できた気がします

    後は体得するだけ

  • 筆者は人が他人に為すことのほとんどが「偽善」であり、それを受け入れる生き方を提案している。筆者の暴力や依存の経験に基づき仏教という知恵を通じて語っているので、実践的であり参考になる。三毒に現れる恐れの話、瞑想の有用性などである。
    他者に対して「道徳」という大義名分を振りかざす人は、自分の私欲に突き動かされているに過ぎない。またあからさまで無い、多少なりとも他人の力を借りようとする行為も全て悪であると言う。人が何かを為すことに「善」はほとんど無いとする。
    筆者の意図を極端にすれば、自分の悪の部分を否認すると、より悪を為してしまう、ということだ。逆を言えば、全てを偽善だと認識した上で、その善性を増やす方がその人のためになる、ということだ。
    そういう意味で、自分を客観的に見るための手段としての「瞑想」がある。怠りがちであり反省するが、やはり効果が有るのだと改めて気付く。

  • 僧侶・小池龍之介氏が「善悪」、「道徳」について考えてきたことを一冊にまとめた、という感じの本です。他の著作と異なり、座禅や瞑想の実践的な内容はほとんどなく、なんというか「坊主の説教」テイストの強い本だと感じました。

    話題がときどきジャンプするので、とりとめのない雑感記のようにも映りますが、全体をおおまかにまとめると、「道徳・善を批判的に論じる」⇒「それでも偽善の中に含まれる"善"を肯定する」⇒「そのための具体的な自己コントロール法解説」という流れになっています。

    個人的に興味深かったのは、著者自身の過去について述べているところです。わたしも著者と同じように"大学に入って、こざかしくも西洋哲学を学び"、ニーチェの著作に脳ミソを揺さぶられた経験を持っています。善悪みたいなものを考えるのであれば、やっぱりニーチェは外せないのかもしれません。P.198~「自我ショック」のあたりを読んでいると、「哲学をこじらせた人」の典型例を見るような気持ちになり、自らのバカさ加減に改めて思いをはせました。

    いずれにしても何かに役立てる本というよりも、どちらかというとある種の「思想書」のような雰囲気があります。手っ取り早く座禅や瞑想のエッセンスを学ぶということであれば他の著作を読んだほうが良いでしょう。著者の考えの根っこにあるものをじっくり見つめたい、という方におすすめの本です。

  • 昔、道徳の授業や自分自身に感じていた違和感がはっきりしたように思います。色々なたとえが、ねじれた思考をシンプルにしてくれたようにも思いました。綺麗ごとは一応綺麗というエピソードが印象に残りました。

  • 【経緯】
    小池さん気分。タイトル買い!

    【書き出し】
    善、偽善、悪、偽悪。
    これらが本当はどんなものなのか、ほとんど誰も知りません。
    知らないのに無意識に、誰もが毎日、善や悪を使っています。
    しかし、知らなければ、うまく使いこなすこともできません。

    【感想】

    【共感】

    【引用】

    【不可解】

  • 素直に面白かった。「偽善」を実践してみようか、と思える本。
    わかりやすいし、日頃の自分に当てはまる部分もあって反省しつつ読了……。自戒の念を忘れないよう、ちょくちょく読み返そうと思う。

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偽善入門 (小学館文庫)の作品紹介

ベストセラー『考えない練習』の僧侶・小池龍之介が説く、現代をサバイバルするための善悪マニュアル。ネガティブに捉えがちな「偽善」を解明し、むしろ前向きに使うことによって、日ごろの悩みやストレスの解消にすぐ役立てよう。

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