シークレット・レース―ツール・ド・フランスの知られざる内幕 (小学館文庫)

  • 439人登録
  • 4.45評価
    • (102)
    • (58)
    • (18)
    • (0)
    • (1)
  • 79レビュー
制作 : Tyler Hamilton  Daniel Coyle  児島 修 
  • 小学館 (2013年5月8日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (551ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094088014

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
横山 秀夫
近藤 史恵
ウォルター・アイ...
近藤 史恵
近藤 史恵
三浦 しをん
ジェイムズ・P・...
近藤 史恵
クリス・アンダー...
ジャレド・ダイア...
有効な右矢印 無効な右矢印

シークレット・レース―ツール・ド・フランスの知られざる内幕 (小学館文庫)の感想・レビュー・書評

並び替え:

表示形式:

表示件数:

  • 【内容紹介】

    ドーピング、隠ぺい、手段を選ばぬ勝利の追求―自転車レースを支配するシリアスな闇の世界に、ランス・アームストロングのマイヨジョーヌに貢献した元プロ自転車選手のタイラー・ハミルトンとノンフィクション作家のダニエル・コイルがメスを入れる。

    煌びやかなプロ自転車競技界の裏側にある幾重にもつらなった腐敗を暴き、かつ恐ろしいまでに不穏な世界を暴きだす。
    元プロ自転車選手ならではの心理を克明に描いた傑作ノンフィクション。

  • 希望の持てる終わり方でよかった。前半の高揚感、中盤からの緊張感、そして危機と終焉。構成もすばらしい。
    結局、ランスですら真実を告白せざるを得なかった、ということは、やはり”不正”はひとの心を蝕む、ということなのだろう。「みんなやってる」というのはこころの奥底には効かない、ということなんだろうな。

  • 面白い。ノンフィクション。アスリートのストイックさに胸を打たれる。有力選手がほぼ全員ドーピングをしている中で、ドーピングを拒絶することが真のフェアプレーといえるのか。状況次第で善悪やフェアの概念は変化し得るかとの疑問を投げかけている。

  • 一流へと上り詰めた自転車レース界のヒーローたちが行っていたドーピングについてを告発した本。
    タイラー・ハミルトンへのインタビューをもとにして著者が物語調で作り上げたものとなっている。

    子どもたちの憧れにもなっていたようなランス・アームストロングをはじめとする選手たちが、ドーピングという禁止行為を行って記録を更新し続け、世間を欺いてきたという内容である。
    ただドーピングはスポーツ界に蔓延しており、今度も無くなることはないように思える。
    運悪く見つかったか、密告されたかの違いであり、密告者本人も使用者だったりするような足の引っ張り合い状態である。

  • ロードバイクの世界を知ると同時にロードレースの最高峰、ツールドフランスの激しく熱く戦う世界に夢中になりました。毎年のテレビ観戦を心から楽しみにしていました。これほど過酷な競技で、しかもなんと癌を克服した上で7連覇もしたアームストロング氏の書籍を読み感銘を受けたころにドーピング事実が発覚、しかも彼自身認めたとのことを知り大変な衝撃。

    ただ本書を読むことによって、当時の世界ではドーピングしなければ絶対に勝てないどころか選手としては生きてはいけないほど蔓延していたという事実を知りました。ドーピングを受け入れるか?選手としての人生を下りるか?という究極の選択を、まさに今、夢が実現しようというところで迫られます。巻き込まれるのは状況的にどうしてもいたしかねないと感じさせられること、もしそういった状況に身を置かれると誰もが手を染めかねないと思わせられる衝撃。

    その事実を、アームストロング氏と同じチームに所属された経験があり彼の優勝にも貢献してきたタイラーハミルトン氏の選手時代のドーピングにまつわる全てのストーリー、そして引退後にその全ての事実を世間に公表したことを記された物語となっています。

    ただこの物語を読むことで、世界的なヒーローだったはずのアームストロング氏のイメージが事実とはかけ離れたつくられたものであったという別の意味の衝撃もありました。

    現在のロードレースの世界はクリーンになっているのでしょうか?過去にこれほどのドーピングシステムが構築されていたものを完全にクリーンにすることができるものなのでしょうか?
    現在のロードレースの世界を信じたい気持ちになりますが…選手たちの言葉を信じたい気持ちになりますが…たたドーピング問題は決して選手たちの判断だけでは行われないこと、スポンサーや主催側の営利目的が原因でもあること。
    そしてそれはロードレースの世界だけに限らずどのプロスポーツにも当てはまるので、当分は心の中で葛藤しながらのスポーツ観戦が続きそうです。

  • 事実は小説より奇なり。
    という言葉が正に当てはまるようなタイラーの半生が綴られている。
    特に興味深かったのはランスがどういう人物だったかという描かれ方で、死の淵を覗いた者は必ずしも他人に優しくなれるのではなく、自らの欲望を加速させ何物をも省みなくなるような刹那的で危うい生き方をする者もいるのだと思った。
    倫理的かどうかはともかく限りなくドラマティックであり退屈などという言葉とは無縁だ。
    タイラーが母へ真実を告白する時には思わず涙が出た。
    私は怪物が観たいのではなくてレースを通して人間が観たいのだと改めて思った。

  • サイクルロードレース界の長きにわたるドーピングの実態について、元プロ選手タイラー・ハミルトンの語りをノンフィクション作家ダニエル・コイルがまとめる形で執筆した「シークレット・レース」。

    暴露本のような下品さはなくて、プロ選手の苦悩、人間としての葛藤、友情、家族、幸せとは何かなど、丁寧に書かれています。

    自分はクリーンに懸命に準備してきた。でも周囲は不正をしていて、このままでは自分に勝ち目がない。会社は自分にも不正を勧めてくる。その時自分はどうするか?という、自転車選手でなくても誰にでもあてはまる問い。懸命に準備している人ほど悩むと思います。

    読んでみて、今年もツールを応援しようと思えたのでよかった。

  • もやもやする。大きな罠に絡めとられていく感じが伝わる。でも、もやもやする。

  • スポーツの歴史の裏側には、もれなくドーピングの歴史がついてくる。
    それほどまでに切っても切れない問題なのだ。

    オリンピックなどの大きな大会では必ずと言っていいほど、陽性反応が
    出た選手のことが報道される。若くして亡くなった陸上短距離の女王、
    フローレンス・ジョイナーにも生涯ドーピング疑惑がつきまとった。

    三大ツールのなかでも日本で最も名の知られたツール・ド・フランスに
    出場し、アテネ・オリンピックの自転車競技で金メダルを獲得したのが
    本書で自身と自転車競技界のドーピングの実態を赤裸々に語って
    いるタイラー・ハミルトンだ。

    自転車競技の元トップ・レーサーによる告白は実に生々しい。

    再起不能と思われた癌からの生還、レース界への復活、不可能と言われ
    たツール・ド・フランス7連覇を果たしたランス・アームストロングのチーム・
    メイトでもあったハミルトンは、徐々に「あちら側」の人間になって行く。

    誰もがドーピングでパフォーマンスを向上させている訳ではない。同じ
    チームの中でも上位に食い込める可能性を秘めた選手に話が持ち掛け
    られる。

    選ばれたエリートたちによる違法行為は、まるでギャンブルや麻薬のよう
    にエスカレートする。ステロイドなどの違法薬物からヒト成長ホルモン、
    そして血液ドーピングへ。

    より速く、より強く。上を望めば望むほどに、深みに嵌って行く。その裏に
    大きな落とし穴が待っているのも忘れて。

    レース界復帰から何度もドーピング疑惑が持ち上がり、周辺では暗黙の
    了解になっていたランス・アームストロングの実態についてが衝撃的だ。

    本書が出版された時点ではアームストロングに対しての捜査が打ち切り
    になっている(共著者のノンフィクション作家が、打ち切りになった原因に
    ついての推測を記しているのが興味深い)。だが、逃げ切れないと悟った
    のか。2013年1月、テレビ番組の中でドーピングについて認めた。

    「かたが自転車レースじゃないか」

    あるレースの最中にハミルトンと並走する選手が言う。そう、かたが自転車
    レースなのだ。だが、最高のパフォーマンスを求める彼らにはそう考える
    ことが出来なかった。そして、厳正に監視すべき国際自転車競技連合
    自体がトップ・レーサーのドーピングを容認し、ツールの主催はあろうことか
    検査機関に記録の書き換えを要請する、狂った世界だった。

    マイヨ・ジョーヌ。ツール・ド・フランスの総合優勝者に与えられる黄色い
    ジャージ。ドーピングまみれの大会で与えられたマイヨ・ジョーヌは汚れ
    ていた。

    ランス・アームストロングの『ただマイヨ・ジョーヌのためでなく』で感動した
    のはなんだったのだろう。尚、アームストロングのツール・ド・フランス
    7連覇の記録は抹消されている。

    厳しいレースの為に鍛えられた選手たちが競う自転車競技。それは
    ドーピングなんて手段に訴えなくとも、驚異的な走りなのになぁ。

  • 元プロ自転車選手タイラー・ハミルトンによる告白本。
    組織ぐるみのドーピング、専門医による処方、ランス・アームストロングのこと、ドーピングをしなければ勝つことが困難、それ以前にドーピングしなければ同じ土俵に立てない、選手生活を続けていくことすらも困難な世界。
    とても面白かった。

    今はどうなんだろう?

全79件中 1 - 10件を表示

シークレット・レース―ツール・ド・フランスの知られざる内幕 (小学館文庫)に関連する談話室の質問

シークレット・レース―ツール・ド・フランスの知られざる内幕 (小学館文庫)を本棚に登録しているひと

シークレット・レース―ツール・ド・フランスの知られざる内幕 (小学館文庫)を本棚に「いま読んでる」で登録しているひと

シークレット・レース―ツール・ド・フランスの知られざる内幕 (小学館文庫)を本棚に「読み終わった」で登録しているひと

シークレット・レース―ツール・ド・フランスの知られざる内幕 (小学館文庫)を本棚に「積読」で登録しているひと

シークレット・レース―ツール・ド・フランスの知られざる内幕 (小学館文庫)の作品紹介

自転車競技を支配するドーピングに鋭く迫る

過酷なまでの勝利の追求がもたらしたドーピングとその隠蔽――自転車レースを支配する闇の世界に、ランス・アームストロングのマイヨジョーヌに貢献した元プロ選手タイラー・ハミルトンとノンフィクション作家ダニエル・コイルがメスを入れた。
そこは、煌びやかなプロ自転車競技界の裏側にある幾重にも連なった腐敗と恐ろしいまでに不穏な世界だった。
「現時点における、自転車競技の薬物問題に関する最も包括的で、誰もが入手できる報告である」(NYタイムズ)。

ツイートする