- Amazon.co.jp ・本 (538ページ)
- / ISBN・EAN: 9784094088366
作品紹介・あらすじ
家康の密命と家光の兄弟愛
御三家水戸家に家康が与えた“密命”とは? 徳川家存続のための秘策を思想化した水戸光圀と、その思想が結果的に幕府を崩壊に追いやることになった歴史の皮肉を解き明かす第一章。さらに、将軍の子として生を受けながら他家に養子に出された保科正之と兄家光の“兄弟愛”が幕末会津藩の悲劇の源流にあることに論及した第二章など歴史の深層から著者が掘りだした秘話が満載。リーダー必読の上杉鷹山「伝国の辞」の背景や江戸町人の文化歌舞伎や俳諧のルーツにも迫った歴史ノンフィクション第16弾!
感想・レビュー・書評
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やっぱり文化を推測するのって面白いよなぁ。息吹を感じる。
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この巻は「江戸名君編」というサブタイトルが示しているように、徳川光圀、保科正之、上杉鷹山、池田光政といった人びとの業績がわかりやすく解説されています。
すでに著者は、水戸家が「徳川家の安全装置」であるという独創的な考えを語っていましたが、本書ではその考えを敷衍した議論がおこなわれており、明治維新へと日本を動かしていく力をもつことになる尊王思想の源流をさぐっています。また、江戸時代の識字率の高さがどのようにして実現されたのかということを、通史的な観点から解き明かす試みもなされています。
この巻では、状況証拠にもとづく著者の憶測をつないでいくような論証がめだち、やや危うさを感じるのも事実ですが、刺激的な議論であることはこれまでと同様で、興味深く読むことができました。 -
徳川光圀、保科正之、上杉鷹山、池田光政そして江戸文化。
なんと幅広い内容。
井原西鶴が上方で活躍していたから、同世代の松尾芭蕉は江戸に本距離とおいたのではないか…世代と地理とその当時の人間の心理を組み合わせた考察は、いつもながら腑に落ちとても理解がすすむ。
16冊目ともなると、著者のいつもの毒舌を軽ーく飛ばして読むスキルも身についてきた(^^) -
ああそうか。浮世絵が大量生産されると言う事は、技術的に可能+需要があって商売として成り立つって事か。そうだよなあ。とか、文化の大衆化ねえ。とか、太平記(読むモノ)と平家物語(聞くモノ)かあ などと
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作者提到尊皇思想和太平記的秘伝理尽鈔的流傳有很大關係,太平記是武士階級的初級教科書,也致使尊皇思想到幕末變成一個社會上的常識,無人不知。這點我是存疑。再者他提到日本獨步全球驚人的識字率,他認為一開始是因為平家物語。他主張是慈圓當パトロン指示藤原行長和等人寫成,讓琵琶法師到平家相關之地演唱鎮魂,因此也讓很多人聽著聽著會唱,從聽到認字學習就很快,之後當然寺子屋等等的教育都是在這個基盤上更加穩固。
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江戸時代に名君と呼ばれた大名がいる。
その理由と彼らの立場行動を解説。
著者の考えから説明されて納得する個所やあらためて知る部分があることが本作の楽しみ。
当時は当たり前のことが後世では前提として理解されてないのが過去を解析できない理由という発言には納得大。
今後も日本史定説の誤解を世に広く説明して欲しい。 -
水戸光圀にはじまり、保科正之、池田光政など江戸の名君といわれた殿様の事績を中心に紹介する。僕が特に印象に残ったのは米沢藩における上杉鷹山の改革。TVなどでは改革の理想像のように扱われる事も多いが、流血を伴う断固たる決意をもった改革だった事が書かれていた。反対派を話し合いで説得する、というのがいかに難しいか、というのがよく分かる歴史の教訓と言える。
後半部分では、落語や俳句といった江戸文化の発展について書かれている。芭蕉の名句「古池や~」という俳句は、古池にカエルが飛び込む情景を詠んだものではなく、カエルが水に飛び込んだのを見て、古池の情景が頭に浮かんだ、という解釈を紹介していて興味深かった。 -
儒教と日本の関係が良くわかりました。
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第1章 江戸「名君」の虚実1 徳川光圀の生涯編
第2章 江戸「名君」の虚実2 保科正之の生涯編
第3章 江戸「名君」の虚実3 上杉鷹山の改革編
第4章 江戸「名君」の虚実4 池田光政の善政編
第5章 江戸、町人文化の世界1
第6章 江戸、町人文化の世界2 -
15巻を飛ばして本巻を読んでしまったが、まぁ、江戸時代のことだからよしとしよう。
15巻は内政史、本巻は文化史ということでもあるので。
いっとき著者のしつっこさについてけない時もあったが、だんだんとその執念に敬意を感じるようになってきた。もちろん、あまりに大雑把すぎるろ論証も多く、納得できない点もあるのですが・・・
本巻で言えば、鎌倉後教育史に当たる部分。大筋は納得できるのですが、あまりに、大雑把すぎて、本当に、日本人の当時の教育水準の高さを説明しているのか、今一つでした。
蛮勇とも言える試みで、荒さは仕方ないと思うが、その時代の専門家の必要性もあると思う。
井沢通史が完成したら、次は、専門家とコラボ、あるいは、徹底的な論争でもいいので、ぜひ、読んでみたい。