金米糖の降るところ (小学館文庫)

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著者 : 江國香織
  • 小学館 (2013年10月8日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (396ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094088663

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金米糖の降るところ (小学館文庫)の感想・レビュー・書評

  • 江國ワールド全開だ。
    というのが第一の印象。
    常識の枠なんて取っ払ってしまった、言ってしまえばはちゃめちゃな人々の物語なのに、どうして静けさが漂ってるんだろう…といつも思う。

    佐和子(カリーナ)とミカエラ(十和子)という、日系アルゼンチン人の姉妹。ふたりは幼いころから仲が良く、何でも共有しあって生きてきた。付き合う男でさえも。
    しかし佐和子が初めて「共有したくない」と言い出した男が達哉で、佐和子は彼と結婚して日本で暮らし、ミカエラはアルゼンチンに戻って暮らし、離ればなれになってから20年近くが過ぎた。
    そして。

    恋慕の感情に突き動かされるように行動することもあるけれど、愛情と舌打ちの違いが分からなくなって、どちらかというと消極的な衝動で行動を起こすこともある。
    どこか醒めていて大人しい佐和子と、奔放で行動的なミカエラ。正反対に見えるふたりだけど本質は似通った部分がある。

    全てを悟っても静かにミカエラを許す姉の佐和子と、ミカエラの娘・アジェレンの恋愛がとくに印象的だった。
    アジェレンの恋は恐らく痛手になるのだろうけど、若いうちに一度は経験しておいたほうがいい。自分にはこの人しかいないし、相手にとっても自分は誰よりも必要不可欠な存在だと信じて思い込むこと。たとえそれが違っていたとしても。

    佐和子の夫・達哉もとんでもない男だけど、登場人物の中ではいちばん普通の感覚を持った人間で、こういう存在が登場するからこそはちゃめちゃな物語が成立するのかもしれない、と思った。

    そしてこの物語に「金平糖の降るところ」という童話みたいなタイトルをつける感覚に感服。
    物語中の、とてもロマンチックなエピソードから。

  • 「会えないあいだ、おなじ本を読もう」「それを読んでいるあいだは、おなじ場所にいることになるから」

  • まともな人が全然出てこない。さすが江國さんワールド。

  • あいかわらず空恐ろしいほどに甘い残酷さを軽やかに描かれる。
    恋も愛情も夫婦という枠組みも倫理も羽ほどの重みももたず、そう在れることと強さと孤独のまさに羨ましさよ。

  • ああ、何も感じない人だらけ。
    もう嫌になるわ、登場人物を通してわからせられる自分の穢さ。江國さん。一体なにを。
    読後は、安全で清潔な恋(そんなのあるかしら)をしたいと思った。

  • けっこうなボリュームでどこかで何か面白い展開があるのかも?と思って最後まで読んだけど取り立てて何もなく。結局この姉妹は何がしたかったのか?と思うし、淡泊すぎた夫婦関係に浮気相手との新しい生活に。何だかよくわからないまま終わってしまった。

  • 佐和子、ミカエラ 姉妹
    アジェレン 娘
    達哉 佐和子妻
    田渕 佐和子不倫相手
    ファクンド アジェレン恋人、ミカエラ上司
    マリア ファクンド妻

  • 単行本を図書館で読んで、しばらくずっと「また読みたい」と思ったので文庫を購入。
    アルゼンチンのステーキを食べたくなる。ワインも飲みたくなる。。

  • 日系人の町で育った姉妹、佐和子とミカエラ。二人には、少女の頃、恋人を〈共有する〉事と言うおかしな誓いがあった。
    佐和子は、大学で知り合った達也と結婚。
    ミカエラは、父親のわからない娘アジェレンを産む。 実は、佐和子が姉妹で〈共有する〉事を拒んだ、唯一の男だった。
    自由奔放な達也を許し、アジェレンは、達也の子供では?と思って生活を送っていたが、離婚を決意、昔の教え子(田渕)と再婚。
    アジェレンは、ミカエラの上司(ファクンド)と不倫。それを知らされたミカエラは、会社を辞めてしまう。
    恋の形は、色々なのは、分かるがどの形も、応援出来ないな〜

  • 2013年10月11日購入。

  • 20160404
    積んでたのをようやく読んだ。
    読み終わってしばらく佐和子が夫や自分の気持ちよりも妹との約束を最終的に尊重したのはなんでなのかなと思っていた。ミカエラが母子家庭の母で1人で頑張っているからなのかな。過去の考えを曲げずに男性に頼らず生きているのに、自分だけ勝手に落ち着いて幸せになっているのが、辛くなってしまったのかな。そしてなんだか誰も幸せになっていないようなのに、なんでこんなによんでてさわやかなのだろ。
    なんでなんでってずうっと考えてしまう本だなあ。

  • 率直に悲しすぎる。。。
    もう30なのに、アジェレンの心情に一番共感してしまうわたしとしては、こんなことって悲しすぎる…。

    姉妹の約束、それを果たせなかったことに負い目を感じる、姉の佐和子。
    綿矢りささんの解説にて、夫への愛より妹との約束を大切にしてしまった佐和子が、結果夫と暮らせなくなる、とあり、確かにそうかも。とは思ったけども。

    でもやはり、佐和子がたっちゃんを棄てたように見えて、結局のところ、佐和子がたっちゃんに棄てられたようにしか、わたしには思えなかった。
    大人の3人の中で、佐和子だけはたっちゃんを愛しているのに。
    愛していない2人が、最終的に近づくんだろうか。
    やっぱりそれは、悲しい。

  • 不愉快でどろどろなストーリーなのにさわやかにまとめてるの、ずるい。

    梨のシャーベットに似た、薄甘くて冷たい匂いの香水(p274)と、胸元の大きくあいた、薄いシフォンのワンピースー色は抹茶を思わせる緑で、銀糸の小鳥の刺繍が散っているー(p256)が欲しすぎる。

  • 不倫や浮気をしているのに、江國節が光って軽いタッチに見える、それでいてその内容の重さに絶句する。そんな話。
    不倫をしていたことがバレてしまうのは、なかなか珍しいパターンかも。

  • 恋人を共有もしくは試す事を約束した姉妹
    なのに、姉が初めて共有を拒んだ恋人

    多分、姉妹の約束を守る話しなのかな?

    2歳離れている姉妹なのに、双子のように感じた
    あえてそんな描写をしてるのかも


    佐和子さんもミカエラも倫理観や恋愛観は全く理解できない
    これぞ江國ワールドといったもの
    初見の人には世界観がつかめないかもしれない
    僕も未だに神様のボートは理解不能だしね


    その中にあって、アジェレンの想いだけは一途で素直で理解できる
    褒められたことではないし、手垢にまみれた表現だけど「好きになった人には奥さんがいた」状態でも、人を好きになるのはどうやっても止められるものではないからね
    そしてその人を愛おしく想い、逢えない時は次に会えるときの事を身悶えするほど待ち遠しく感じる気持ちも


    大人になると色々なしがらみが増えてきて純粋にはいかなくなるんだろうね
    佐和子さんと達哉さんが結婚した時にはアジェレンのように純粋な恋愛だったんだろうけど
    佐和子さんは、それよりも姉妹の約束を守る方を優先する方が大事になったんだろうね

    と、自分なりに解釈してみた


    あと、舞台がアルゼンチンなので、季節が逆というのも江國作品にしては珍しい
    夏のクリスマス、年越しというのは想像つかないなぁ
    でも、風景描写は相変わらずキレイなので、一度言って見たいと思わせるあたりはさすが

  • 美人姉妹の自由すぎる恋愛事情でした。
    現実にいたらこんな人も嫌だな…と思う佐和子の夫や姉妹の家族もなんだかまともに見えてしまう。
    彼女たちの中では筋が通っているだろうけど、姉妹の間にも周囲にも行動が破天荒に見えて驚きました。

    美貌もお金も自信も憧れられる趣味も持って素敵な恋もしたことある女性の話は他の江國さんの作品で読みましたが、いつも女性たちが大切にしている車やワインや趣味や服がとてもいいものに見えて素敵だと思います。

    でもダッシュを使った言い回しが多くて読みづらかったのと、物語の波や結末が腑に落ちず★3です…。

  • 読み終わったあと、何とも形容しがたい不思議な感覚に包まれた。共感もあるものの、少しばかりの嫌悪感、やりきれなさもある。

    それぞれに描かれている不倫は生々しくもあり、ドロドロしているのに、淡々とやわらかな言葉で綴られていて重たい不快感を感じさせないのは、江國さんの作品ならではという感じ。

  • 江國香織さんの本を読み終えるたびに感じる、これでもうこの物語がおわってしまうのかというさみしさ。
    カリーナとミカエラの姉妹。
    姉妹というのは不思議なもので、私自身も姉とつかず離れず、仲が良いのか悪いのか。他人にはおそらく分からないであろう関係。
    また、ミカエラの娘アジェレンと年が近いこともあって目の前の彼にのぼせあがっていることにも、女性ならわかるのではないかと。
    解説が綿矢りさというのも良い。
    読み終えたあとの、なんともいえない感情をうまく言葉にしてくれています。

  • 話の中心となる姉妹の恋愛観が強烈過ぎて妹の娘の不倫とか姉の旦那の浮気っぽいところの印象が薄まってしまい逆に人間っぽいというか普通の行動に見えてしまう恐ろしさがある。なかなか強烈な作品だった

  • 佐和子は江國香織の作品によく出てくるタイプの女性だと思う。自分の世界を強く持ってて、誰にも理解出来ない恐ろしいことを大胆に、突然やってのける不思議系。
    個人的にどうしてもファクンドに嫌悪感を抱いてしまった。
    江國香織作品によく見られる、ミカエラとアジェレンみたいな母子家庭設定がすごく好き。ちょっと風変わりな母親で。シングルマザーやりたくなる。

  • 男ができるたびに、妹の(あるいは姉の)恋人を誘惑し、男が愛を貫けるかどうか試し、観察する。そして「男ってやっぱり信用できないわね」と嗤いあう。共依存の関係にある姉妹。共有される男達のなか、たった一人共有できなかった男。

    姉妹の関係を軸に織り成される恋模様。
    古いフランス映画をワイン片手に見るようなスタイリッシュ小説。江國さんのお話は家具映画を見ているような気にさせるおしゃれな小説ですね。

  • 頭をガーンっとされたような衝撃だった。未知で、セクシー。これだから江國香織の小説はやめられない。10ヶ月経つ今でも、これに出逢ったときの衝撃は忘れられません。

  • わたしも、少しだけど達也みたいな人に憧れるかな。


    #ドロドロの恋愛のわりにはあっさりよめたけど、突然おわっちゃう感じがしました。
    佐和子=カリーナだということが分からなくなる。

  • 不倫なんて私の中ではありえない事だけど、それが普通だと思う人達の世界の話だと思えば、登場人物はみんな愛すべき人達だ。

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金米糖の降るところ (小学館文庫)の作品紹介

姉妹は恋人を<共有すること>を誓い合った

アルゼンチン・ブエノスアイレス近郊の日系人の町で育った姉妹、佐和子(カリーナ)とミカエラ(十和子)。十代の頃、ふたりはいつも一緒にいて、互いの恋人を<共有すること>をルールにしていた。
古風で聡明な姉の佐和子は、留学先の日本で出会った達哉と結婚し、東京で暮らし始める。佐和子は達哉が共に生きたいと願った唯一の女であり、ミカエラは達哉に結婚を申し込んだ唯一の女だった。複数の飲食店を経営する達哉の周囲から、女性の影が絶えることはない。東京という場所から距離を置くために、佐和子は所沢の一軒家に引っ越した。
一方、気が強く奔放な妹のミカエラは、佐和子を追って留学した日本で妊娠し、アルゼンチンに帰国して父親の不明な娘・アジェレンを出産する。シングルマザーとして旅行代理店で働くミカエラにとって、アジェレンは大切な宝物だ。しかし、アジェレンには母親には言えない恋人がいた。
ブエノスアイレスと東京――華麗なるスケールで「愛」を描いた長編小説。



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両親とも、友達とも、恋人や夫とも違う「姉妹」という特別な存在。これは、強い絆で結ばれた姉妹の物語です。解説は、作家の綿矢りさ氏。

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