限界集落株式会社 (小学館文庫 く 6-6)

著者 :
  • 小学館
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  • Amazon.co.jp ・本 (473ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094088670

感想・レビュー・書評

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  • まぁ、ここまでうまいこと事が運べばええんやけどね。エンタメ作品としては楽しく読めた。ただ、捉えている内容自体は現実で起こってることなので、こういうところからどんどん認知されていけばいいなと思う。

  • 限界集落株式会社  (小学館文庫) 2013/10/8
    著:黒野 伸一

    限界集落とは、過疎化などで人口の過半数を65歳以上の高齢者が占める地域のこと。そしてその限界集落は日本全国に現在約一万カ所も存在している。

    物語はそんなTHE限界集落というような止村と呼ばれる、山間にある小さな集落を舞台に繰り広げられる。

    主人公である多岐川優は、大都会東京にてサラリーマンとして一定の成功をあげる。そんな優は次なるステップである起業を行うにあたり、リフレッシュを名目に先祖が居をかまえていた止村で過ごすことになる。

    限界集落という現実を目の当たりにした優。その集落・村そして住人を救うべくひと肌ぬぐことになる。

    止村の行く末やいかに・・。

    おもしろい。
    すごくおもしろい。爽快であり痛快。涙あり、笑いありの村おこしエンターテイメント小説!!

    限界集落の実態に詳しいかたからすれば、そんなうまく言ったら苦労もしないよという意見も漏れ聞こえてきそうであるものの、そんな日本が国として抱える問題のひとつに興味を持つきっかけになる本としては素晴らしい役目をはたしている。

    全てが矛盾しているわけでもなく、グサリとえぐりこむように実態を紹介したり、都会人と現地の人の考えをその中で実際に戦わせたり、色々な陰と陽の対立が重なりあってひとつの物語として成立している。

    一気読みしてまたスタート地点に戻りパラリパラリと名残を惜しむ程の一冊。

  • 読みやすかった。こんなにとんとんびょうしでうまく事が運ぶなら、村おこしも農業も楽しいだろうに。

  • 面白かった。
    こんな風に物事が上手くいけばいい。実際はこうはならないだろうけど。

  • 文体はものすごくあっさりしており、ドラマのノベライズという感じ。なので、それぞれの人物が、何を考えて、気持ちをどう動かしたのかを自分で想像しなくてはならず、不全感が残るし、ご都合主義な部分も多い。
    とはいえハッピーエンドで、読後感は悪くないし、農業の楽しさみたいなものも感じられた。

  • 「限界集落株式会社」

    IT企業を辞め投資専門の仕事をしていた青年が人生疲れた!と訪れた村が正に限界集落と呼ばれる、過疎化が進み農地は荒れ果て悲惨な小さな村。
    でも村で暮らす老人は心優しくご先祖様から受け継いだこの土地を無くしたり離れることはできないと必死に暮らしている。

    そんな中、主人公はこの村の再生を行う!
    そう、今や少しブームとなっている近代農業をして村自体を会社に!

    ちょっとビジネス書みたいだけど、個性豊かな脇役たちが面白くとてもためになりました!

  • 限界集落と聞くと、もっとよそ者は排除されるイメージがあるのだが、本書はあまりそれを感じさせない。
    本当はもっともっと葛藤があってくれると、農業について詳しくかかれていると、農業に興味を持てる文献になるのかもと思う。
    最後の書評は、都心に住まう読者が『復興』についての著者のメッセージを、改めてしみじみと考える良き文章とお見受けします。
    あっぱれ!

  • 続編を早く読みたい。

  • 2015/9/14

  • アメリカでMBAを取得した東京出身の元エリート銀行員(住まいは六本木)が主人公。冒頭の一文が「マクドもない、スタバもない、セブンーイレブンさえない」。いきなり凄い伏線張るなあ、と読み進めたところ、そこには何も触れずに終了。

    東京出身者はマクドとは言わない。絶対に。そしてスタバと続けたならば、最後は「セブン」もしくは「イレブン」とすべき。絶対に。転勤族の僕にはわかるよ、わざわざそう書いたには理由があるんだよね、とずっと気にしてたのに何もねーのかよオイ!

    中身は、僕のように「おれは、農業に関しては素人だが、経営に関しては玄人だ。アメリカの大学院で学んだからな」(P118)とクールに言い放つMBAホルダーが、僕のように人が嫌がるニッチに参入して、僕のようにスマートに成功して、僕のように絶体絶命のピンチを迎えて、僕のように一番の美女にモテる、という、アメリカの大学院を出ていない経営に関して素人な方が読めば楽しめることウケアイの物語です。

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著者プロフィール

黒野伸一(くろの・しんいち)
一九五九年、神奈川県生まれ。『ア・ハッピーファミリー』(小学館文庫化にあたり『坂本ミキ、14歳。』に改題)で第一回きらら文学賞を受賞し、小説家デビュー。過疎・高齢化した農村の再生を描いた『限界集落株式会社』(小学館文庫)がベストセラーとなり、二○一五年一月にNHKテレビドラマ化。『脱・限界集落株式会社』(小学館)、『となりの革命農家』(廣済堂出版)、『長生き競争! 』(廣済堂文庫)、『国会議員基礎テスト』(小学館)、『AIのある家族計画』(早川書房)、『グリーズランド1 消された記憶』(静山社)、『お会式の夜に』(廣済堂出版)など著書多数。

「2021年 『あした、この国は崩壊する ポストコロナとMMT』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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