くちびるに歌を (小学館文庫 な 20-1)

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  • 小学館
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  • / ISBN・EAN: 9784094088816

作品紹介・あらすじ

青春小説の新たなるスタンダードが文庫化!

長崎県五島列島のある中学合唱部が物語の舞台。合唱部顧問の音楽教師・松山先生は、産休に入るため、中学時代の同級生で東京の音大に進んだ柏木に、1年間の期限付きで合唱部の指導を依頼する。
それまでは、女子合唱部員しかいなかったが、美人の柏木先生に魅せられ、男子生徒が多数入部。ほどなくして練習にまじめに打ち込まない男子部員と女子部員の対立が激化する。
一方で、柏木先生は、Nコン(NHK全国学校音楽コンクール)の課題曲「手紙~拝啓 十五の君へ~」にちなみ、十五年後の自分に向けて手紙を書くよう、部員たちに宿題を課していた。
提出は義務づけていなかったこともあってか、彼らの書いた手紙には、誰にもいえない、等身大の秘密が綴られていた--。



【編集担当からのおすすめ情報】
著者の中田永一さんは、乙一さんの別名義でもあります。

帯には、アンジェラ・アキさんの推薦コメントが入る予定です。
解説は、作家のねじめ正一さんが執筆されています。

感想・レビュー・書評

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  • 引き続き中田永一さんの青春小説

    五島列島の中学が舞台
    ボッチ上級者のサトルと男性不信のナズナ
    人には言いたくない深い悩みを抱える二人を主人公として、合唱部の先生と仲間達がコンクールに出場までの話がメイン
    サトルもナズナも仲間達と触れ合いながら少しずつ変わっていく
    美人で男子の憧れの的、柏木先生
    ぶっきらぼうなキャラが意外だった〜笑
    みんなの五島の言葉が素朴で温かい
    読んでいるうちに、私にも喋れそうな気がしてくる

    中学の合唱コンクールが懐かしい
    練習中、男子がすぐ遊び出す
    真面目な女子が怒る
    時期が迫るとどうにかまとまってくる
    本書と一緒
    いつの時代も一緒なのかも〜

    中一の時の曲は今でも忘れられない
    隣のクラスは青春ぽいのに、うちのクラスは…ソーラン節だった
    ♪ヤーレンソーラン、ソーラン、ソーラン、ソーラン、はいはい♪〜
    真剣な顔で大きな口開けて指揮者に注目している集合写真
    自分の顔がブサイクに写っていて気に入らなかったのも、ついでに思い出した

    随分前に大人になってしまった私も、あの頃に少しだけ戻れた気がして楽しかった
    『百瀬、こっちを向いて』の方が好きなのですけどね

    五島列島、一度は訪れたい

    • 1Q84O1さん
      担任もなかなか渋いチョイスでしたねw
      それも、今となっては良い思い出ですかね(*^^*)
      担任もなかなか渋いチョイスでしたねw
      それも、今となっては良い思い出ですかね(*^^*)
      2024/03/01
    • まいけるさん
      娘がこの本をプレゼントしてくれました。
      本も映画もよかったなあ。
      懐かしくなりました。
      ありがとうございます。
      中3の時、校内の合唱コンクー...
      娘がこの本をプレゼントしてくれました。
      本も映画もよかったなあ。
      懐かしくなりました。
      ありがとうございます。
      中3の時、校内の合唱コンクールで最優秀がとれなくて
      終わった後、みんなで階段のところで歌いました。
      感極まって泣いている子もいたなあ。
      2024/03/03
    • ハッピーアワーをキメたK村さん
      まいけるさん、おはようございます
      優しい娘さんですね⸂⸂⸜(*^^*)⸝⸃⸃
      映画も娘さんと一緒に観にいかれたのでしょうか?
      娘さんもガッキ...
      まいけるさん、おはようございます
      優しい娘さんですね⸂⸂⸜(*^^*)⸝⸃⸃
      映画も娘さんと一緒に観にいかれたのでしょうか?
      娘さんもガッキーも可愛い♪
      中三だと合唱コンクールも盛り上がりますよね
      男子も声変わりしてるし
      私、中二、三の曲が思い出せなくて、
      ちょっと気持ち悪い状態になってます笑
      2024/03/03
  • 長崎県五島列島のある中学校の合唱部が繰り広げる青春小説。
    泣いた。特に桑原サトルくんの話や手紙に感情移入した。みんな優しい子たちだなぁ…(;_;)
    この中学生たちの甘酸っぱい切ないドラマに、自分の思い出を重ねる人も多いのではないかな。

    中学生の合唱と聞いて忘れられないのは、文化祭の合唱発表会。私の思い出の曲は「翼をください」と「太陽がくれた季節」。今でも口ずさむ率が高い。
    ♪今私の願い事が叶うならば翼がほしい… とか、
    ♪君は何を今見つめているの 若い悲しみに濡れたひとみで〜 とか……泣ける(笑)
    ちょうど今の時期、発表に向けて練習を始める。気になる男子の位置を常に意識しつつ。文化祭が近づくとそんなに熱心じゃない男子たちがカッコつけて「練習しようぜ!」と全体に投げかけてハーモニーが始まる。一体感も嬉しかったし、皆が集まって歌い出す感じはミュージカルの1シーンみたいで、例えば"サウンド・オブ・ミュージック"とか妄想して楽しんでいる私がいた。
    今思えばこの時代はキュンとして甘酸っぱすぎた。そしてあまり深く考えずに生き、日々が過ぎて行った。二度と戻れない懐かしい日々は、思い出の中で再生するしかない。

    乙一さんって、あんな怖い話を書くのに、こんな話も書くのですね。中学生の複雑な気持ちや、男女の素直になれない恋愛感情とか……素敵!分かってらっしゃる〜乙一さん……好き…(*ノω・*)テヘ

    本書をご紹介くださったブク友のほん3さんに感謝!
    次は乙一ファンのブク友さんたちにバトンタッチ!

    • なおなおさん
      土瓶さん、こんばんは〜。
      良いお話でした。
      バトンは高く投げました\(^ω^\)
      土瓶さんかあおいさんに届くようにって!(笑)
      いつか受け取...
      土瓶さん、こんばんは〜。
      良いお話でした。
      バトンは高く投げました\(^ω^\)
      土瓶さんかあおいさんに届くようにって!(笑)
      いつか受け取ってくださいな(^^)
      2022/10/12
    • aoi-soraさん
      なおなおさん、おはようございます^⁠_⁠^

      合唱コンの季節ですね。
      私も“翼をください”歌ったよ♪
      あと、“モルダウの流れ”とか。

      他に...
      なおなおさん、おはようございます^⁠_⁠^

      合唱コンの季節ですね。
      私も“翼をください”歌ったよ♪
      あと、“モルダウの流れ”とか。

      他にも色々思い出します(⁠^⁠^⁠)

      バトンは受け取ってますよ〜(⁠。⁠•̀⁠ᴗ⁠-⁠)⁠✧
      2022/10/15
    • なおなおさん
      あおいさん、こんにちは!

      "モルダウの流れ"!!私も好きでした。
      ♪ボヘミアの川よモルダウよ〜 過ぎし日のごと 今もなお……  
      ですよね...
      あおいさん、こんにちは!

      "モルダウの流れ"!!私も好きでした。
      ♪ボヘミアの川よモルダウよ〜 過ぎし日のごと 今もなお……  
      ですよね!?なんか泣ける……(;_;)

      私が放ったバトンがあおいさんのもとに。
      "そして、バトンは渡された"(瀬尾まいこさん風)のですね!
      嬉しいでーーす(^^)
      2022/10/15
  • いやぁ、青春だな。
    長崎離島の中学生の合唱にかける青春。
    ポカリスエットのCMのような爽やかなイメージで、色々とドロドロしてしまった中年のおじさんは、読んですっかり心が洗われました。

    マジメに頑張って生きていかないとな。

    個人的には、桑原サトルの長谷川コトミへの思いが実るのかが気になって、一気読み(オーディブルなので「一気聴き」か)でした。

    おもしろかった!

    ♪ 手紙 〜拝啓 十五の君へ〜/アンジェラ・アキ

    • 土瓶さん
      たけさん、こんばんは~^^

      おなじくオーディブル聴きしました。
      字面がわからなかったり、あとがきや解説等がないのは寂しいですが、イン...
      たけさん、こんばんは~^^

      おなじくオーディブル聴きしました。
      字面がわからなかったり、あとがきや解説等がないのは寂しいですが、イントネーションまで再現されているようで楽しかったです。

      青春、でしたね~(≧◇≦)
      2023/05/08
    • たけさん
      土瓶さん、こんばんは!

      オーディブルだと、字面がわからないから、登場人物の名前を間違って聞き取っていたりするんですよね。
      いつの間にか場面...
      土瓶さん、こんばんは!

      オーディブルだと、字面がわからないから、登場人物の名前を間違って聞き取っていたりするんですよね。
      いつの間にか場面が変わっていて、ついていけてなかったりとか。

      中年になるとそういう辛さがあります。

      でも、この小説はオーディブルでちゃんと楽しめました笑
      2023/05/08
  • 青春。
    その言葉に尽きると思う。

    もう何年も前に終わった中学生。
    その頃は無駄に早く終われば良いと
    思っていた。

    こういう作品を読んで、あの頃に憧れるのは
    一生懸命に、中学生をやっていなかったから
    だろうなと思った。

    あー、もったいなかったなぁ
    って15歳の自分に手紙を書きたいよ笑

    • あゆみりんさん
      こんばんは♪
      私もこの作品を読んで、羨ましいと思いました。
      とにかく不真面目でダラダラ過ごしてしまった中学時代を悔やんでいます。
      (● ˃̶...
      こんばんは♪
      私もこの作品を読んで、羨ましいと思いました。
      とにかく不真面目でダラダラ過ごしてしまった中学時代を悔やんでいます。
      (● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾
      2022/11/23
    • キョーさん
      コメントありがとうございます!

      本当そうですよねー笑
      けどそれ気付けた今から一生懸命頑張ろうかなって思いました!

      共に頑張りましょ^_^
      コメントありがとうございます!

      本当そうですよねー笑
      けどそれ気付けた今から一生懸命頑張ろうかなって思いました!

      共に頑張りましょ^_^
      2022/11/23
  • 長崎県五島列島の中学校が舞台。
    合唱部がNコン(NHK全国学校音楽コンクール)への出場に向けて奮闘する、青春小説。

    課題曲は「手紙 〜拝啓 十五の君へ〜」
    顧問の先生が、生徒たちに
    “15年後の自分へ手紙を書く”という宿題を出す。
    しかし、提出はしなくて良い。
    誰にも見られないから、みんなそれぞれ、正直な胸のうちや秘密を吐露していく。
    未来の自分との対話。
    未来の自分から見た15歳の自分とは?
    自ずと、自分自身と向き合うことになる。

    この年頃って、なんだか苦しくてすぐ絶望したり、逆に踊りだしたくなったり(笑)
    家族との距離感とか、友人関係に悩んだり…
    青春だからって、決してキラキラしているだけではないと思う。
    なのに、この作品を読み終えた今、温かい光の粒の中に立っているみたい。
    やっぱり青春ってキラキラしているんだなぁ。
    なんて思ってしまう。

    “ピアノの澄んだ音の粒が、きらきらとホール内に反射する。”(P 270)
    (この描写好き。)

    サクマ式ドロップスが作中に出てくるのだけど、それさえも光って見える。


    この作品、ほん3さんのお薦めで、なおなおさんからバトンを受け取りました(⁠◍⁠•⁠ᴗ⁠•⁠◍⁠)⁠✧⁠*⁠。
    感謝です!

    • なおなおさん
      皆さん、こんばんは。

      あおいさん、「そして、バトンは渡された」ができて嬉しいっ!
      実は今日、またバトンを放り投げました(っ'-')╮ =͞...
      皆さん、こんばんは。

      あおいさん、「そして、バトンは渡された」ができて嬉しいっ!
      実は今日、またバトンを放り投げました(っ'-')╮ =͟͟͞͞ブォン
      2022/10/26
    • 土瓶さん
      「乙一バトン」増殖中ですね(⁠^⁠∇⁠^⁠)⁠ノ⁠♪
      「乙一バトン」増殖中ですね(⁠^⁠∇⁠^⁠)⁠ノ⁠♪
      2022/10/26
    • aoi-soraさん
      乙一バトン、スゴイね〜(⁠*⁠^⁠3⁠^⁠)⁠/⁠~⁠♡
      乙一バトン、スゴイね〜(⁠*⁠^⁠3⁠^⁠)⁠/⁠~⁠♡
      2022/10/26
  • aoi-soraさんからの「乙一バトン」
    素敵なお話でした、もっと読んでいたかったです。

    語り手の仲村ナズナと桑原サトル、二人とも悩みながらも頑張って生きている姿に、胸が熱くなりました。
    ナズナは父親のせいで男性不信だったけど、合唱を通じて男性を恨む気持ちが解消されていく。
    けれど、それをお母さんが許してくれるのか… そう思ってしまっているシーンには胸が苦しくなりました。
    お母さんはナズナの幸せだけを望んでいるんだから大丈夫だよ、と。
    サトルは自閉症の兄のお世話のために自分は計画的に産まれたのだから自分の人生はもう決まっている… と。
    お他所の家庭のことですからね、口出しは出来ないんだけど、サトルには楽しく生きて欲しいです。
    サトルは鋭い観察眼を持ち、強い優しさを持っている。
    家庭や人間関係の問題を抱えながらも、力強く合唱に向き合う中学生たちにグッときました。

    何かを成し遂げようとする姿は、とても素敵で輝いていた。
    『ただ歌を届けたい、大切な人に』
    そう言い切るナズナ、かっこいいぞ…
    最後に向井ケイスケと辻エリのその後も読ませて欲しかった。
    甘酸っぱい中学生の恋、いいなぁ(*´∇`*)
    もしあの頃に戻れたら、もっと真面目に何かに夢中になってみたかったなぁʕ⁎̯͡⁎ʔ༄

    • あゆみりんさん
      え〜、「夏と花火」気になる〜
      発想がもう? もうなんなのーっ

      「暗いところで待ち合わせ」って、想像すると面白いです。
      何故わざわざ暗いとこ...
      え〜、「夏と花火」気になる〜
      発想がもう? もうなんなのーっ

      「暗いところで待ち合わせ」って、想像すると面白いです。
      何故わざわざ暗いところ…?
      (`・ω・´)
      それも気になるーっ
      2022/11/08
    • 土瓶さん
      何と言っても
      「夏と花火と私の死体」ですから。
      私の死体って!!
      「暗いところで待ち合わせ」も、暗いのがポイントですね。
      乞うご期待(⁠≧⁠...
      何と言っても
      「夏と花火と私の死体」ですから。
      私の死体って!!
      「暗いところで待ち合わせ」も、暗いのがポイントですね。
      乞うご期待(⁠≧⁠▽⁠≦⁠)
      2022/11/08
    • aoi-soraさん
      「暗いところ」ね。
      ありがとー(⁠。⁠♡⁠‿⁠♡⁠。⁠)
      いずれ読みます!

      そうそう表紙が怖いのよ。
      絶対に買えないやつ。
      借りて、すぐ返...
      「暗いところ」ね。
      ありがとー(⁠。⁠♡⁠‿⁠♡⁠。⁠)
      いずれ読みます!

      そうそう表紙が怖いのよ。
      絶対に買えないやつ。
      借りて、すぐ返す、みたいな(笑)
      部屋にあると怖いからね。

      なおなおさん、中高の友達と仲良くしてるの、羨ましいわー。
      私なんて全然。

      これからよ。これから(笑)
      せっかく生きてるんだから、まだまだワクドキキュンしたいっ!!
      ♡⁠(⁠>⁠ ⁠ਊ⁠ ⁠<⁠)⁠♡
      2022/11/08
  • 長崎県五島列島にある中学校の合唱部の話。
    NHK合唱コンクールの課題曲であった、アンジェラアキさんの「手紙〜拝啓十五の君へ」を元に書かれた話らしい。

    何年も前に映画は観てたけど、改めて原作で。
    はぁ〜〜青春だ〜〜♡
    心洗われた♡
    こんな風に努力してみんなで1つの目標に向かうなんて、今の私にはもうほぼないので、なんだか懐かしい気持ちになった。
    15歳という多感な時期の子供達が、それぞれに悩みながらも少しずつ成長していく姿が愛おしかった。

    サトル、ナズナ、コトミ、、そして柏木先生、みんなの15年後はどんな風なんだろう。
    きっとこの日々のことは忘れられない大切な思い出になってるんだろうな。
    ちょいちょいウルウルさせられながらも、とてもあたたかい気持ちになれる作品でした♪

    中田永一さん=乙一さん。
    こんな爽やかな青春小説も書かれるのか〜!
    ほんと引き出しの多い作家さんだなぁ〜\♡︎/



    • 1Q84O1さん
      ありゃ!?
      参考に…(゜o゜;
      何か責任重大…w
      ありゃ!?
      参考に…(゜o゜;
      何か責任重大…w
      2023/07/04
    • aoi-soraさん
      mihiroさん
      コメント遅くなりました〜(⁠人⁠*⁠´⁠∀⁠`⁠)⁠。⁠*゚⁠+

      キラキラしてるよね
      実際に15歳の頃は、そんなこと思っ...
      mihiroさん
      コメント遅くなりました〜(⁠人⁠*⁠´⁠∀⁠`⁠)⁠。⁠*゚⁠+

      キラキラしてるよね
      実際に15歳の頃は、そんなこと思ってなかったけど。
      映画はまだなので、いつか観たいなぁ
      アンジェラ・アキが頭の中をぐるぐると♪♪♪
      2023/07/08
    • mihiroさん
      aoiさ〜ん、こんにちは(*^^*)
      コメントありがとうございます〜♡
      ほんと、実際に15歳の時にはそんな事思ってもなかったですよね〜笑
      で...
      aoiさ〜ん、こんにちは(*^^*)
      コメントありがとうございます〜♡
      ほんと、実際に15歳の時にはそんな事思ってもなかったですよね〜笑
      でも悩みとか全部ひっくるめて、めっちゃキラキラしてて懐かしいような、羨ましいような気持ちになりました✩︎⡱
      映画はだいぶ前に見たんですが、そちらもすごく良かった記憶です!
      先生はガッキーでしたよ〜♪
      機会があればまたぜひ〜!私ももう一度観た〜い♡︎/
      2023/07/09
  •  舞台は長崎県五島列島のとある島。そこの中学校の合唱部部員たちの青春小説。

     合唱部顧問の音楽教師松山が産休で、代わりに松山のかつての同級生柏木が、臨時教員として赴任し、合唱部の顧問となる。柏木はとても美人で、それにつられて女子だけだった合唱部に、数人の男子が入部してくるのだが、そこからいろいろと…

     この物語は、それぞれ家族に問題を抱える女子と男子の部員二人が、交互に視点人物となって語られる。

     そして柏木が部員たちに出した宿題。課題曲「手紙 〜拝啓 十五の君へ〜」にちなみ、「誰にも見せる必要はないから、15年後の自分に向けて手紙を書くこと」。これを受けて部員が自分自身に当てて書く手紙。これらが作中に挟み込まれる。これがいい。見せなくてもいい手紙。ただ自分は15年後に、ちょうど柏木や松山の年齢で見るかもしれないのだ。

     なお、著者の中田永一は乙一の別名義である。
     第61回小学館児童出版文化賞(2012年)
     第9回本屋大賞 4位(2012年)

  • ☆☆☆☆☆5をつけたのは

    【くちびるに歌を】 永田永一著

    NHK全国学校音楽コンクール、通称”Nコン”
    長崎の五島列島にある中学校の合唱部が目指したNコン。
    課題曲はアンジェラ・アキがNコンのために作った『手紙~拝啓 十五の君へ』

    臨時音楽教員の柏木先生。
    柏木先生目当てに入部してきた男子部員たち。
    それまでは女子だけの合唱部だったため、部員たちは戸惑い、不満だらけ。
    バラバラだった合唱部がぶつかり合いながら、同じ目標に向かって成長していく。
    「ザ・青春」です。
    どんどん引き込まれ、ラストは胸キュン。

    著者である永田永一さんは、乙一さんと同一人物。
    知らなかった…
    乙一さんは山白朝子名義でも小説を執筆しているのだとか。
    永田さんの本はこれが初めて。
    乙一さんの本は読んだことがない。
    ちょっと読んでみたくなった。

  • 青春 友情 恋愛 家族 部活動

    長崎県五島列島の中学校を舞台に合唱部がコンクールに向けて奮闘する姿を描いた青春物語。
    語り手は女子と男子の2人。様々な葛藤があり、それを乗り越える姿に心を打たれます。
    課題曲「手紙〜拝啓十五の君へ〜」がとても深く素敵な曲だなと改めて感じました。
    ストーリーの構成が良く、読み始めたら止まりませんでした。

    爽やかだけど心が苦しくなったり涙が溢れそうになったり、青春がぎゅっと詰まった感動的なお話でした。

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著者プロフィール

1978年福岡県生まれ、2008年『百瀬、こっちを向いて。』でデビュー。他の著書に『吉祥寺の朝日奈くん』『くちびるに歌を』『私は存在が空気』。別名義での作品も多数。

「2017年 『僕は小説が書けない』 で使われていた紹介文から引用しています。」

中田永一の作品

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