アラスカ 風のような物語(小学館文庫) (小学館文庫 G ほ- 1-1 VISUAL SERIES)
- 小学館 (1998年12月4日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
- / ISBN・EAN: 9784094111910
作品紹介・あらすじ
アラスカの海の恐ろしさは、アメリカの大都会の裏通りを歩くときの恐怖とは性格がまったく違うものだ。そういう怖さをはっきりと承知しながら星野さんはアラスカの自然や動物と付き合っていた。彼の事故は残された人々には悲劇であるが、彼自身にとっては自然に歩んでいった道なのかもしれない。その歩いた跡にたくさんの感動の写真と文章を残して彼は消えた。『風のような物語』はそういう物語である。絶筆原稿を特別収録。
感想・レビュー・書評
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あまりにも美しく、感動的なアラスカ……。
オーロラの美しさ、アラスカの自然の中で暮らす素晴らしさと厳しさが書かれています。
本の中にカラーの美しいアラスカの写真が6枚入っています。どれも素晴らしく、特に幻想的なオーロラは、是非見に行きたいです。そしてカリブーが雪のなか数百頭の集団で移動していく写真と文章は、感動します。
カナダやアラスカでは、ツンドラトナカイをカリブ―と呼びます。
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【音読】
2022年8月11日から15日まで、音読で星野道夫さんの「アラスカ 風のような物語」を大活字本で読みました。この大活字本の底本は、1998年12月に小学館から発行された「アラスカ 風のような物語」です。本の登録は、小学館で行います。大活字文化普及協会発行の大活字本は、第1巻~第2巻までの2冊からなっています。
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アラスカ 風のような物語
2002.01大活字文化普及協会発行。字の大きさは…大活字。
2022.08.11~15音読で読了。★★★☆☆
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アラスカの自然や動物と向き合ってきた星野さん。そこには大都会の裏通りを歩く時の恐ろしさとはまるっきり性格の違う恐怖がある。
どんな厳しい環境の中でも、「ブルーベリーのひとつひとつの実を摘むのに飽きた少女が、たくさんの実がついた枝を折っておばあさんに持って行ったら、『ブルーベリーの枝を折ってはいけないよ。お前の運が悪くなる』といわれる」生きる最小限のものだけ自然の恵みから頂く、過剰に摂取する、モノは枯れるということを知らねばならない・・・・。
厳しい環境のなかでも、そこに暮らす人たちの顔立ちには人間の尊厳のような皺がきざみこまれている。極地の自然に対峙すると逆に勇気を与えてくれる“すべてのものに感謝を捧げると、人間に不可能なことを成し遂げさせる力を与えてくれる”・・・五感で感じながらあわただしい人間の営みと並行して、もう一つの時間が流れていることを意識して日々の生活を暮らしてみたいものです。 -
写真家、星野道夫のエッセイ。
英語の教科書に彼を紹介した文章が掲載されていた。それで気になっていたので、ようやく読了。
写真家としてしか知らなかったが、写真よりも圧倒的なエッセイ力がすごく、感動しっぱなしだった。美しい写真を撮れるだけじゃなく、こんな素敵な文章も書けるなんてズルい。
アラスカの自然を撮る写真家と聞いていた。
だから、自然を敬う、自然の美しさを称賛する系かと思いきや、自然と共に生きる人々の生活が中心だった。
文章がめちゃくちゃ上手いというわけではなく、素朴な文章で淡々と書かれる。
でも、書かれている内容が素晴らしいし、何より自然に対して素直に生きる彼の生き方がそのまま現れているような文章だ。
感動的な箇所が多すぎて、長文になりそうなので、思ったことを箇条書きで。
・意外と面白い雑学も多かった。「アラスカは常に発見され、そして忘れ去られる」ということわざ。シベリアにはタクシーみたいに手をあげたら乗れる列車があること、など。
・寄生獣と同じで、自然に対しては、平等な目線。人間が強者となって地球を破壊することはそれはそれで自然、という考え。
・地元の人と話すことで、その土地が自分に馴染む。この論はめっちゃ共感できた。
バーで東京の人と出会って初めて東京が馴染んできた気がする。 -
元旦に読もう、と決めていた本。
一言ではとても語れない。
深くて美しい世界観。
おそらくは常に傍らに置き読み返すだろう。ひとつだけ、今いえるのは、こんなふうに世界を見つめて、美しい感性をもちながら生きていきたい、それさえ難しい世界に生きてはいるけれど、神聖なるものに畏敬の念をもって謙虚に生きていきたい、ということだ。 -
素朴でありながら、ひとつひとつ心に刺さるものがある星野さんのことばとともに、美しいカラー写真も多数掲載されている。
特に印象的だった一節をあえて挙げるとすれば
サテライト・ムースの項
…自然は、本当にそんな教科書通りに動いているのだろうか。もっと偶然性が支配している部分があるのではないだろうか。自然は、ある意味において、弱いものさえも包容してしまう大きさがきっとあるような気がする。
…自然の番狂わせは、何か気持ちをホッとさせる。
他の星野作品と同様、何度も手に取って読み返すことだろう。 -
どの瞬間も氷に閉ざされた印象のアラスカも、春になれば芽吹き、夏は暑く、秋はベリーを恵んでくれる。移り変わりの中で生きていくインディアンたちと暮らし、またひとりでテントで暮らしていた著者の物語。ページに挟み込まれた写真が美しい。
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次第に自分自身が星野道夫さんの年に近づいてきました。お亡くなりになって以降に著作を読んだので、それ以前に触れる機会は写真集やTV位だったのですが、実際に読んだ時にその文章の誠実さに胸打たれました。一過性の旅人としての視点では無くて、そこに根付く人々と同じ視点で、人間や自然を見つめている姿が目に浮かぶようです。浮ついた所の無い文章はある意味地味ではあるけれど、いつ読んでも構わない大地のような安心感があります。この本の巻末には絶筆となった八重山民謡のCDのライナーが掲載されていますが、そんな短い文章にも素晴らしいお人柄がにじみ出ています。つくづく惜しい人を亡くしました・・・。
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物語を読み進めていく中で、どんどんアラスカに心を奪われてしまい、読み終えたころには、いつアラスカに行こうか、いくつもの旅行サイトを閲覧している自分がいた。
アラスカを旅し、アラスカに住んだ筆者が体験した様々な物語が収録されており、短編集のような仕上がり。必要最低限の情報がシンプルな構成で書かれているが、写真家ゆえ、アラスカの大地や動物、インディアンのリアルで美しい写真も多く挿入されており、それによってよりリアルに物語を感じることができる。
旅した気分になれる、心地よい作品であった。 -
アラスカへはまだ行ったことがない。
でもこの本を読むと行きたくなる。
マイナス40度の世界、当たり前のようにみられるオーロラ、エスキモーの生活、すべて体験してみたいと思わされる。図書館で借りて読んだが、手元に残しておきたいと思い、文庫本ではなく大型本を購入した。
やはり大型本の方が写真が断然良い。