人類は衰退しました (ガガガ文庫 た 1-1)

著者 :
  • 小学館
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本棚登録 : 1894
感想 : 206
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  • Amazon.co.jp ・本 (259ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094510010

感想・レビュー・書評

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  • 『高度に発達したライトノベルは純文学とみわけがつかない。』を体現したような作品。
    パロディというかクリシェがおおい、でも肥満した妄想を爆発させる文体がとても純文チックな文章。妖精さんがほのぼのシュール。
    童話みたい。ライトノベルなんて読んだことないと豪語するそこのあなた、騙されたと思ってまずはこの一冊から始めませんか?

    ――
    すぐ足元にたくさんの妖精さんが集まってきます。
    「お元気そうですね」

    「おげんくです」「むだにげんきです?」「いきいきいきてますが」「ちりあくたみたいなぼくらです」「なぜかいきてます」「ふしぎだー」「いきてるってふしぎです」「じつは、いきてないのかもです」「せかいはもしかするとじぶんひとりのまぼろしかもです」「きのうあたりからいきてるです」「そういえば、いきてます」

    ――214Pより引用

  • 人類は「衰退」し「引退」。旧人類となった。
    そして現在、地球は「妖精さん」のものになっている。
    学舎最後の卒業生の一人、<わたし>は
    おじいさんの後を継いで国家公務員<調停官>に。
    (といっても給料は現物支給なので高給取りではない)
    楽そうだからこの仕事を選んだものの、
    <わたし>を待っていたのは
    「妖精さん」に翻弄されたり翻弄したりの
    多忙と怠惰を極める(?)毎日だった――。

    《感想》
    ラノベ界でも修羅の道、女性主人公の本作ですが、
    読んでみて納得。
    このゆるさは<わたし>にしか出せない。
    発展することをやめ、静かに終わりへと近づいていく
    人類はこんなにも穏やかです。

  • 寝る前に読むと幸せな気持ちになって眠れます。
    限りなくゆるいんだけど、時に知的で、ユーモアのセンスに富んだ、作者の文才がすばらしい。

  • ほーりーしっと(=世界の仕組みや妖精さんの秘密に心ときめかせながら、主人公とおじいさんや主人公と妖精さんとのキャッキャウフフを楽しみながら、物語の要素の作りや妖精さんの行動からいろいろ深読みしながら、世界や妖精さんや主人公やテーマや作者のことを楽しみつつ知ることができる超良作)。

  • [評価]
    ★★★★★ 星5つ

    [感想]
    シリーズを一気読みするために初めから読み直しを開始
    相変わらず妖精さん達は不思議な存在だ。人類が着々と終わりに向かっている中で発見された生き物はよくわからないの一言になるのだと思う。
    アニメを先に見ていたが、その独特の雰囲気がアニメ特有のものではなく、原作からして独特だったのだということがよく分かる。また、様々なネタも楽しいし、人類の歩みを再現する辺りはとても面白く読むことが出来た。
    この巻では助手さんは未登場だった。

  •  良かった。果てしなく良かった。まぢで良かった。
     これまでロミオさん関連ではクロスチャンネルしか知らなくて、童話風な物語ではどの様な作風になるのか全く予想できなかった。正直期待外れの作品になるのではないかと疑っていたのだが、全くそんなことは無く充分に楽しめる作品だった。

     キャラクターの少なさを感じさせないテンポの良い会話。小難しさの無いすっきりとしたストーリー。というか、登場人物で名前が明かされているキャラが全く居なかったな。妖精さんはあくまで仮名だし、主人公やお祖父さんは名乗らないし、最後に出てきた人物も名乗っていない。学生時代の主人公の友人もY氏という扱いだ。唯一学舎OGとして「奥月」という名前があるだけだ(だが物語とは関係が無い)。こんなところにも作者のこだわりを感じてしまう。

  • 平和でほのぼのとしたファンタジーで、深く考えずさくさく読めて優しい気持ちになれます。
    “妖精さん”というメルヘン生命体が中心ですが、彼らの行動を文明史や文化人類学の知識を交えて分析するというちょっと知的なシーンもあり、
    穏やかな気持ちで人類の栄枯盛衰について考えられる(?)不思議系ラノベです。

    地の文が秀逸で、合間合間のツッコミにクスッと笑ってしまいます。
    忙しい毎日に心が荒んでしまった人には特にオススメ。

  • こんな時代に生まれたかったなぁと・・・。

    形あるものはすべて滅びる。というように人類が滅亡する日は必ずやってくるはずです。SF小説や映画では、隕石が落ちたり、地球が爆発したりと様々な形で人類は滅びます。ですが、予想できるものはだいたいにおいて対抗策が取られ、人類はなんやかんやで生き延びます。だとしたら、人類の滅亡はこの小説のように老衰するがごとく、なのかもしれません。というか、これが一番ベストなんじゃないかと。痛くないし。

  • アニメからー。

    ほんわかゆるゆるにっこりできる感じで良いです。

    たぶん一時間とかで読み終わるのでは。

  • めっちゃ笑った。面白かった。
    なんだか昔のオタクのノリのようだなあと思ったんだけど、
    竹本泉の漫画みたいな感じなんだと気付いた。とても好き。

著者プロフィール

小説家・ゲームシナリオライター。代表作『CROSS†CHANNEL』『人類は衰退しました』『Rewrite』(竜騎士07、都乃河勇人との共著)『ミサイルとプランクトン』など多数。

「2016年 『アウトロー・ワンダーランド 1 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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