- Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
- / ISBN・EAN: 9784094510614
作品紹介・あらすじ
わたしたち人類がゆるやかな衰退を迎えて、はや数世紀。すでに地球は"妖精さん"のものだったりします。そんな妖精さんと人間との間を取り持つのが、国際公務員の"調停官"のお仕事。…閑職ですが。そんな絶賛衰退中の人類のすべての記録を目指した、ヒト・モニュメント計画の影響で通電することとなったクスノキの里では、"夏の電気まつり"が開催されることに。一方、妖精さんは里帰り。…!?妖精さんがいなくなる!?微妙なお別れののち、わたしたちは都市遺跡の調査に向かったのですが…。エネルギーの補給は計画的に。
感想・レビュー・書評
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妖精さんが人間が少なくなって増えてきた理由は分かった。
だけど、人間が完全にいなくなってしまったら、妖精さんたちは発展できるんだろうか。
彼らには外部から供給される「楽しいこと」が必要で、それは主に人間が作り出している気がする。おやつとしてのお菓子はともかく、「楽しいこと」が供給されなくなると、妖精さんも衰退してしまうんじゃないだろうか。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
かつての人類が生活していた都市遺跡に迷い込んで遭難する話。
妖精さんが里帰りしており、妖精さん分少なめな、ギャグの少ないシリアス展開でした。
いつものほのぼののほうが好きかな。
断髪式を終えて次へ。 -
過去の文明の痕跡をのこす都市遺跡に電力が供給されることが決定し、その余沢でクスノキの里に電気がもたらされて、「来て見てシビれる夏の電気まつり」が開催されることとなります。ところが、妖精たちは電磁波に弱く、妖精がいなくなることで人間たちにも悪影響が出るという警告が、主人公の少女にもたらされます。
その後、少女は都市遺跡に迷い込んでしまい、新キャラクターのロボット娘たちとともに、出口を求めて遺跡を探検することになります。
今回は長編ですが、パロディなどのネタが多めで、ストーリーそのものはかなりシュールなものになっています。第1巻の童話めいた雰囲気とはかなりちがったテイストになっており、けっしてつまらなかったというわけではないのですが、読んでいてすこしダレてしまいました。 -
「見ないで。醜いわたしを見ないでください」
人類がゆるやかな衰退を迎えてはや数世紀、なファンタジー風SF③。
今回は大長編です。映画版です。
ヒト文明についての記録を残そうという「ヒト・モニュメント計画」。
人類文明末期の、過去の未来都市遺跡を探検することになった「わたし」と「助手さん」は
何百年ぶりかに電源投入された都市の中で遭難してしまいます。
体力を使いはたし、水も尽き、命の危機の只中で見たものとは。
過去の文明視点のおかげで、妖精さんの謎や情報断絶の理由などにも少し回答が与えられてSF的に嬉しいお話でした。
スタートレックネタも出てくるし(オヤジ)。
それと滅びた未来技術が垣間見れたのも。
「スクリプトが組める人間ひとりいればどんな建物・機器・部品でも作れる流体金属、ネット上のサンプルソースで日曜大工ならぬ日曜工学」
とか「塩基計算機で見せかけの魂を得た機械」とか、上手く使ってて楽しいです。
結末も大長編らしくまとめられてます。こういう解決策か…!と。余韻もあって好きな感じですねえ。
巻を重ねるごとに満足度が上がってます。次も楽しみ。
「いきてはおれぬです?」
「あれはくるです」「ひかりとかはへいきなんだけど」「でんじばにはいられぬですな」「むりむりだー」「かきみだされるゆえ」「くるおしくなることも」「いきるちからをうしなうとのこと」「かなしみをもたらしすぎます」「こまるー」「だから」「にげなきゃです?」 -
[評価]
★★★★★ 星5つ
[感想]
この巻は1冊全てを使用した長編で構成されている。
「ヒト・モニュメント計画」という旧人類の証を少しでも残そうとする計画のために放置されていたドーム型の都市を探索するという話であるが都市よりもそれ以外の方が重要だ。
特に妖精さんが電磁波に弱く、妖精さんがいないと死が急激に身近になるということだな。また、機械?からは妖精さんを観測することが出来ないということだ。
作中で語られたドーム型都市の誕生の経緯を踏まえると妖精さんは旧人類の脳もしくは精神に直接的に働きかけたりしているのだろうか。
後、孫ちゃんが最終的に実行したことは大人たちからすれば、到底許されることではないが共存共栄ということを考えれば、正しい選択だったのかも知れない。 -
今回は迷宮探索系。そのせいか作者のこだわりらしい都市計画やメカニック的な話が結構出てきました。ただ迷宮といってもゲーム感覚の迷宮ではなくサバイバル感覚の迷宮。
一週間以上彷徨い食料は非常食のみという概要を考えればその過酷さは通じると思う。しかもモンスターとかいるし。ありえないよね。色々と。
シリーズ最大のチャームポイントである妖精さんは今回新たに「電磁波を浴びると鬱になる」という設定が追加されました。……正直こんな姿は見たくなかったというのが本心からの感想。もしかしたら、作者は妖精さんの可愛さを書くよりも前巻や今回のような冒険要素のつまった傾向の作品を書きたいのかな?
そして、新しく登場したキャラクター。十分個性もあり今後の物語も美味しく彩ってくれそうな逸材。もちろん、ラストで明かされた正体には充分驚きましたとも。 -
9月9日読了。図書館。
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サバイバル!
いつもと違ってリアルにサバイバルだった。妖精さん少なめ…。
タイトル通り「おさとがえり」がテーマなのかな。 -
とある計画のため、電気が一時的に供給され始めた村。
そして遺跡へと調査に向かう事になったのですが
その前に新人類とのお別れという事件が。
ここにきて、ようやく(?)長編。
出かける前に出てきた美味しそうなお菓子は
後に遺跡の中をめぐるから? と思ってしまうほど
ものすごく美味しそうなものが…。
何か食べたくなるかもしれません。
妙な仲間が増えた、と思ったら、妙な仲間の『仲間』出現。
最後になってようやく正体(?)が分かりましたけど
あれって…確か…記憶にあるのと違うんですけど!?
いやでもどういう物をやったのか、は知らないので
もしかしたらこういうものだったのかも…?
ひたすらに、想像するのは暗闇。
だからこそなのか、ひょっこり出てきた新人類や
たまに出くわす外の光が、ものすごくカラフルに感じられます。
別の意味でカラフルなのは、最後の罪状でしょうが…。
最後の最後、おじいさん、温情をありがとうございます。
一番の笑えるツボは、最初の絵本と
最後にきちんとやってくれた(?)絵本かと。
誤植挿絵、ばんざい☆