AURA ~魔竜院光牙最後の闘い~ (ガガガ文庫 た 1-4)

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  • Amazon.co.jp ・本 (360ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094510805

作品紹介・あらすじ

その日。教科書を忘れた俺は、夜半に忍び込んだ学校で彼女と出会った。教室に向かう階段の踊り場。冷たい月の光のスポットライトを浴び、闇を見据えている少女。美しい-。そこには、人を惹き付けるオーラを放つ青の魔女がいた。…いや待て、冗談じゃない。妄想はやめた。俺は高校デビューに成功したんだ!そのはずだったのに、この妄想女はッ!「情報体の干渉は、プロテクトを持たない現象界人には防ぐことはできない」「何いってんだかわかんねーよ」実はだいたい理解できていた。田中ロミオ、学園ラブコメに挑む。

感想・レビュー・書評

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  • 中二病を患ったことのある全ての人に捧げる物語。
    「普通の生活はつまらない」「この世界が嫌い」これらは特に思春期、多くの人が抱く感情ではないだろうか。
    通常なら目をつけられるのを恐れて常識に則った行動をするが、中には自分の世界に埋没する妄想戦士(ドリームソルジャー)も存在する……
    中二病を軸に展開されるいじめ、衝突、時々友情。痛々しいが、笑えて最後は感動。
    田中ロミオは本当に心の対話を描くのが上手い。

    一般的にライトノベルは魅力的な登場人物のやり取りや世界設定がある一方で、メッセージ性に欠ける印象がある。しかし、この作品はギャグ、文章力、登場人物、メッセージ性すべてにおいて死角がなかった。
    mebaeの絵もすごく良い。

  • 読みやすいし面白い。
    妄想戦士たちの言動には痛々しくてハラハラする。
    でも、そういうものに逃げる気持ちもわかる。
    ヒロインの救済は主人公の救済なんだよ、多分。

    中二恋に似てる気がするけど、
    こっちが先だったんだよなぁ。

  • 「一郎、今日こそ竜端子の探索を手伝ってくれる約束だ」
    「いいから衣装を捨てて制服を着ろ!」
    「拒否する。防御力が下がる」
    平凡な生活を望む高校生・佐藤一郎は、同級生の電波妄想コスプレ美少女・佐藤良子につきまとわれ、やっと手に入れかけたなんでもない普通の学校生活は大きく歪み始めていく…

    鬼才・田中ロミオが描く一風変わった学園ラブコメディ。
    前世、転生、戦士などのキーワードに心当たりがある人ならトラウマを刺激され邪気眼がうずくはず。
    シュールなコメディに片寄りかねないほど常識離れしたヒロインと、リアルな学内ヒエラルキーの描写という両輪による危ういバランスの上で成り立った作品。
    迷惑この上ない女だけど、作中所々みせる弱さや微妙な乙女心、引き込まれそうな瞳が印象的な挿絵もあいまって、一郎にべったりな良子がとても可愛らしく思えてくるはず。
    最後の笑顔はラブラブキューンで撃墜物です。

    それにしてもなんてひどいタイトルだ…

  • 厨二病でも恋がしたいに似た雰囲気

  • 全1巻。
    異端を陰湿に排除する者達の嫌らしさを書きつつ、普通を拒否して周りなどどうでもいい者達のイタさを描いた作品。登場人物皆んなが歪んでいる。聖人っぽい小鳩もどこか病んでいそうな…今の学校ってみんなこんなんなのかな?だったら嫌だな。
    佐藤良子を可愛いがる三年女子尊い。名前も無い別のクラスのまじないを教えてくれた女子がなんか良い感じ。

  • 前半は、ひたすら苦痛というか、我慢

    クラス内の、いわゆる中ニな人たちに絡まれるけど、どうにか関わるまいとする主人公
    平凡、できたら、リア充目指して、無理して背伸びする主人公
    そのためか、文章が固い
    固いというか、砂を噛むような感じで、面白みがあまりない

    そして、起きるクラス内対立(というより迫害?)
    中二対リア充とそれに連なる面々

    そこからの急展開が面白い
    今まで面白みに欠けていたのに、急にスピーディーに、生き生きしたような、そんな文章に

    伏線の回収もキッチリされているし、終盤の熱さは、予想していてものまれた


    あと、主人公の年齢(ハマったものとか)が割と近く感じたのも、似たようなこと考えたことがあったのも、面白かった原因かも

  • 数々の国宝級18禁ゲームを世に送り出してきた伝説的シナリオライター・田中ロミオ氏が手がける学園コメディ。かつて誇大妄想癖を患っていた高校生・佐藤一郎はひょんなことから《リサーチャー》を自称するクラスメート良子によって《竜端子》捜索の協力者に任命されるが……という話。妄想戦士(いわゆる中二病)をテーマとした作品であり、作中で描かれるような痛々しい黒歴史を持たない読者には主人公の葛藤が伝わりにくいかもしれない。尚、本作は類似の主題を扱った『厨二病でも恋がしたい!』以前に出版されている。中二病コメディの先駆け的作品といって良いだろう。

  • ライトノベル

  •  よくあるラノベに対する強烈なアンチテーゼを作品全体から感じた。それでいてそれに固執する事無く軽妙なテンポで表現され、バランスの取れた作品になっていたと思う。
     ようやっとの事で高校デビューを果たした高校生が青い魔女と出会い、不条理にも様々な騒動に巻き込まれて行くといってしまえば簡単な物語。この作品の肝と呼ぶ部分は、その不条理さと青少年が抱いてしまう非日常への憧れが組み合わさってにっちもさっちもいかない内容になっている。読んでいる最中何度悶え苦しんでしまったことか……
     冷静に考えればこの作品で描かれていることはほとんど有り得ない事だろう。それども、『ありえない』という認識が、ある意味この作品を読む上で最も大切な意識になるのではないだろうか。

  • #「魔竜院光牙最後の闘い〜新たなる闘い〜」にむせるほど笑う。傑作注意。

    #フェルディナン・シュヴァルとヘンリー・ダーガーがもしクラスメイトだったら、やっぱり互いの設定を喰い合っただろうか? それとも互いの存在を識別することすらなかっただろうか? シュヴァルを含む「先輩」たちの姿をまとって提示されるいくつかの回答の中に、久米のおまじないが街限定のARGになる挿話が入っているのが優しい。『蓬莱学園の初恋!』(1991)のアップデート版なので、おしどり夫婦の前世が気になる人は、そちらも探して読むといいと思うよ。

    (2009/10/06)

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著者プロフィール

小説家・ゲームシナリオライター。代表作『CROSS†CHANNEL』『人類は衰退しました』『Rewrite』(竜騎士07、都乃河勇人との共著)『ミサイルとプランクトン』など多数。

「2016年 『アウトロー・ワンダーランド 1 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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