とある飛空士への恋歌 5 (ガガガ文庫)

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著者 : 犬村小六
制作 : 森沢 晴行 
  • 小学館 (2011年1月18日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (262ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094512489

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とある飛空士への恋歌 5 (ガガガ文庫)の感想・レビュー・書評

  • ネタバレ 「とある飛空士への恋歌」シリーズ最終巻。◆恋する2人の想いは政治という現実の壁に阻まれる。それは、クレアがイスラ管区長・風の使い手であるのみならず、カルエルの元第一皇子という境遇にも関わっていよう。カルエル・クレア2人の別れという幕引きは、前巻で感じた恋の成就というカタルシスとは全く異質ではあるが、決して悪いわけではない。「太陽の牙ダグラム」ラストと同様、「現実の前に一旦敗れた若者が、明日への希望を失わずに努力を傾ける」という未来志向を持ち、不幸なそれではないからだ。◆そして、もう一つの物語としての驚き。
    それは、カルエル・クレアの別離という物語の終幕後、延々と続いた歴史叙事的物語の意味と理由だ。◇正直、「空の果て」に到達する過程、本国への帰路や帰還後のカルエルの演説、家族との再会を詳細描写しなければならなかったのか(ある程度の描写はエピローグたりうるが…)。エピローグにしては長すぎる。これは読書中に生まれた疑問。まして、書かない意義を知っている著者の作ならば、猶更生まれる疑義であった。◇しかし、である。カルエルのクレア奪還への再出発とそれを母国に残留して見送るアリエル。
    一人涙し、「歌えない恋歌」として封印した愛。アリエルの諦めの過程は明確に描かれないが、その重さを理解するには、読者もまた旅する必要があった。こんな読後感が生じた。◆クレアとの別離後、カルエルは飛空士訓練に没頭し、また命令を無視しクレア奪還へ聖泉に赴こうとする。このカルエルとアリエルの関わりは食事を共にする程度で、極めつけはカルエル演説をアリエルが見守る件。◇クレアとの別れに耐えるカルエルは、旅の中、益々魅力的な青年へと変貌するが、彼の魅力を生む要因はクレアへの一途な想いだ。
    ◇女としてカルエルを独占し触れ合いたい。なのに、カルエルは決して自分には心を向けない。この自覚から、アリエルは、イスラにいないクレアの存在の重さに苦悩し、女として耐えきれなかった、こう感じるラストだ。◆その想いの積み重ね、重ね合わせを理解する上で必要なのは、旅の途上で何の出来事も起きないことなのだ。◇ダブルヒロインたるアリエルの心情を描く上で、本作は何の出来事も起きないこと、ラストに強い意味を持たせる方法を採った。ゆえに旅の経過は不可欠。◆こんな風に個人的に思えたところ。

  • 浮遊する島で空の果てを探しに行くスカイ・オペラ5冊目。完結編。

    空戦は3、4巻で終わり、5巻は戦後処理。
    これで皇子と巫女は平和裏に引き離され、過去のしがらみを忘れて、ただ再び取り戻すために邁進することになる。
    エンドシーンは見えないものの、道は間違い無くひかれているので、この終わりはまあ良いのでないかと思う。

    最終巻なので全体の感想を言うと、
    状況に放り込まれての熱い空戦を描こうとするよりも、もう少し戦う根拠や、強くある理由を見せてもらったほうが、私にはいろいろ納得が行った気がするのですよ。
    当然技術が必要なはずの空戦で、学徒が正規兵以上の活躍を見せたり、普段成績の良くない皇子が急に覚醒したり。
    運命の急な変転もやむなしとも思うけど、5巻やるなら、もう少し積み重ねも、と。
    あと思ったのは、空族がどういうモチベーションを持って、あれだけの兵力を構築、維持していたか、読んでいる方は不思議に思うのに、ろくに書かれていなかったこと。国家として食料生産に大きな課題がありそうな、気がしてならないですよ。
    まあ燃料が無料の世界だから、漁をしていればなんとかなるのかもしれないけれど、どちらかというと、侵略を前提としているぐらいの方が、馴染みやすい気がするところです。

    あとは、世界の形が、恥ずかしながら私が昔考えていたものにかなり近く、もうちっと活かせなかったかなあ、と、やはり思ったり。

    キャラクターについては、貴種流離譚になったせいか、主人公にもあまり移入できず、ヒロインも取っ付きは悪く、妹も変に超人になってしまったせいで行ききらず、群像劇としても、移入対象になると死んでしまう有様で。
    イグナシオとアリーが幸せになってくだされば良いと思うぐらいです。

    引き込まれるところもあったし、おもしろくなかったわけでもないけど、星は3つが妥当なところ。

  • 家族との再会も感動的だけど、クレアを奪い返すために世論の全てを味方につけて旅立つカルの凄さとアリーの切なさ。

  • クレアが創世神話に登場する「風呼びの少女」であることを知った空族は、彼女の身柄を引き換えに、停戦を持ちかけてきます。イスラを統治するルイス・デ・アラルコンとアメリア・セルバンテスは、空族相手にぎりぎりの交渉を続け、ついにクレアと空族の第二王子を互いに親善大使として送り出すことで合意します。

    やがてクレアが出発することになり、イグナシオのとりなしでクレアと再会することになったカルエルは、そこで自分がカール・ラ・イールであることを明かし、彼女を取り戻すことを誓います。

    やがてイスラは「空の果て」へと行き着いて崩壊し、カルエルたちはバレステロス共和国へと帰還することになります。そのころ、共和制に倦んでいた市民たちの間に、王制の復活を求める声が沸きあがっていました。そんな彼らの前で、カルエルは元皇子として演説をおこなうことを決めます。彼は大勢の人びとの前で、ニナ・ヴィエントを取り戻したいという思いを語ります。世紀のロマンスに人びとの熱狂はいやが上にも高まり、やがてカルエルはクレアのもとへ向かって旅立つことになります。

    クレアへの想いを胸に新たな旅に出るカルエルと、そんな彼を普段と変わらない態度で送り出そうとするアリエルの別れのシーンをラストに持ってくることで、ベタついた感動を避けるのは、ライトノベルではなかなか見られない、きれいな締めくくり方になっています。

  • エピローグ巻でした。
    プロローグに2冊、更にエピローグにも1冊を費やした人類資金ばりの壮大な構成は大作と呼べるのでしょう。
    シリーズにおけるテーマは初めから一本だった様ですが、途中フラフラと彷徨っている印象を与えかねない展開もあり、フラストレーションが溜まったりもしました。
    しかし最後は落ち着く所に落ち着いて大団円という感じです。
    本巻の見所は親父さんの格好よさですかね。
    "卑しさも尊さも、生まれや身分や職業にあるのではなく、こころの在り方のみにあるのだと、ミハエルはその生き方で教えてくれた"
    見習いたいものです。

  • 恋歌シリーズ完結。
    うーん…ちょっと消化不良な感じかも。
    まぁ、次シリーズ以降に続くのかなとは思うけど。
    いろいろ泣き所もありますけど。

    空の一族の第2皇子のマニウスも、キャラがたってる割に何となく尻切れな感じだし。
    アリーがベラスカスにずっと残っているのなら、再び出会うことも少なそうですし。
    アリーには幸せになってほしいんだけどなぁ。
    カルは何だかんだ、アリーに対しての態度はずるいと思ってしまう…。

    次シリーズも読んでみようと思います。

  • まさかこんな感じで終わるとは。追憶もそうだったけど、なんというかなんというか。でも、読者に考えさせるのは悪いことではないと思う。3人に幸せあれ!

  • 最高だった。
    ただ、再会のシーンがなかったことが残念。そうなるであろう未来を暗示して終わるのはいい手法だとは思うけど、少し物足りないな。
    とは言え、素敵なお話を読ませていただいたという感じ。高水準でアニメ化するといいのにな、と、思う。

  • カルとクレアのハッピーエンドを期待して読むと、なんとなくしっくりこないというか物足りないと思う終わり方かもしれないな、と思いました。
    私は、物足りないと思いつつも、こういう終わり方もありかなと、最後ナナコの手記の部分を読んで思いました。
    きっと、クレアもカルも含めたみんなで大人になっても仲良くしている、そんな彼らの未来を信じたいですね。

    それにしても……途中、私は結構涙してしまって、終わって欲しくないな、と読む手をとめてしまうくらいおもしろかったです。
    もう一度最初から読み返したい作品です。

  • 「恋歌」完結。
    別れを余儀なくされた二人。再会を誓った。
    辿り着いた「空の果て」。故郷の家族との再会。
    ――歌えない恋の歌もある。 君は最高だよ。
    再びの出立。 願わくば、二人の再会が読みたかった。

    描かれなかった二人の物語を想像するたびに想いが馳せる。
    素晴らしい物語をありがとう。

  • やっぱり、この作者さんの魅力は情景描写と切なさなんだろうなぁと思う。主人公の成長や、恋愛模様は読んでて楽しめたんだけど、ラブコメは向いてないような……。

  • 一つの恋の歌が奏でられ,一つの恋の歌が音を鳴らさず消えていった。そんな感じかなぁ,と読み終わって。怒濤の4巻からの引きからの展開。その勢い変わらず,私の涙腺を直撃しまくってくれました。もう,涙がぼろぼろと。カルのクレアへの気持ち。クレアのカルへの気持ち。そして,アリーのカルへの気持ち。同じ仲間たちとの思い出。旅の目的地へと辿り着き。そして,最後に辿り着くべき場所へと。展開の見事さ,綺麗さに魅了されました。少年少女の出会いが世界を変え,はじめての恋が未来を切り開く。凄く素敵な,素晴らしい物語でした。

  • 大好き過ぎる作品だから、終わって欲しくなくて読むまでに長い時間覚悟を要した。

    嗚呼、終わってしまった。
    作者はなんて悲恋を書くんだろう。(誉め言葉)

    けれど、終わり方に納得がいかないので、ぜひとも続きを書いて欲しいです。

  • 1冊使ったエピローグ。フォトジェニックの良いシーンの連発で、旅の終わりを飾ってくれます。絵になる風景に対して「その大艦隊を作る予算はどうするの?」とかは多分野暮。革命起こすくらい民草は困窮していたのにね。

  • 素晴らしい!!! この一言に尽きます。もう何度、目頭が熱くなったことか……。 カルとクレアが会えてきっちりとしたハッピーエンドでも良かったけど、沸き立つ希望に溢れる終わり方も良かった。 「歌えない恋の歌もある」 ここのシーンは切なかった。 文章の美しさ、豊富な語彙、迫力のある空戦描写。 こんなに素敵な物語に出会えたことがすごく嬉しい。

  • 「読んだ!」「終わっちゃったー!」と言いたくなる。追憶と同じで、強引なところもあるけれど爽やかなラストだった。
    やはり続きが読みたくなるような終わらせ方だとも思った。
    何気なく追憶を手に取って、それから恋歌にも手を伸ばしてよかったと心から言える。
    まだまだこの世界の話を読んでみたい。

  • シリーズ全体としては好きなのだが、レーベルの読者層を意識したのか、必要もなくラノベ的会話を挿入する、キャラの描写不足(もしくはバランスの悪さ)など、「追憶」に比べると気になる点が多かった。好きだけどね。

  • 最終巻としては、ありじゃないでしょうか。
    最愛の人との別れ。
    思い出が詰まった第二の故郷イスラとの別れ。
    旅が終わり、同胞との別れ、、、、
    成長し、前へ進んで行く過程で、沢山の素晴らしいものを獲得するのと引き換えに、多くの別れもある。
    そんな切なくも、未来への希望に溢れた最終巻でした。

    それにしても、アリエルが切ない!!!!
    メインヒロインはどうみてもアリエルでしたね。

  • 全編が丁寧なエピローグと言ってもよい。悪くないです。

  • 演説のシーンらへんから泣いてしまった。
    図書館で借りたけど買ってからもう一度読み直そうか。

  • (裏表紙の)『超弩級スカイ・オペラ「恋歌」、感動のフィナーレ!!』の言葉に偽りなし。 もう間違いなく名作!

    最終巻だけあってグッと来る場面が多かったです。 中でも終章の彼女の想いが明かされるところとかね。

    この恋歌シリーズのあとにまた追憶を読みたくなるから不思議ですねー。

  • せっかくだから再開までやって欲しかった。こういう寸止めの終わり方は苦手。

  • オチはなんと究極の砲艦外交。
    この世界の軍艦て建造日数がめちゃくちゃ短いのね。

  • 愛と恋と、素晴らしかった。
    追憶もハッピーエンドだったけど、恋歌は本当心の底から拍手できるハッピーエンド。

  • すっきりしない
    追憶だけで止めておけばよかったんじゃなかろうか

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とある飛空士への恋歌 5 (ガガガ文庫)の作品紹介

イスラとの休戦交渉の座に就いた空の一族の要求は、風呼びの少女ニナ・ヴィエントの身柄だった。イグナシオの取りなしにより機会を得たカルエルは、出立の日、想いの丈を彼女にぶつける。「このまま逃げよう、クレア。ふたりで。空の果てまで-」かつての力を取り戻し、愛すべき人を救った風呼びの少女。革命によりすべてを失い、追放劇の果てにかけがえのない生を得た元皇子。ふたりの選ぶ道、未来は…。そしてイスラは「空の果て」にたどり着く。すべての謎が解き明かされる。感動のフィナーレ。

とある飛空士への恋歌 5 (ガガガ文庫)のKindle版

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