- Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
- / ISBN・EAN: 9784094512656
作品紹介・あらすじ
ギリシアの神々の「改変」によって、日本中の人々がゲームの中に吸い込まれた?『現代のトロイア戦争』で敵同士になって戦うことになった主人公・ささみさんと、ライバルの情雨。でも敵なのに密室でふたりっきりなのはなぜ?モンスターの召喚、襲いかかる試練、力を奪われた邪神三姉妹…。そしてギリシアの神々の本当の狙いとは!?「泣かないで、あたくしの、世界でいちばんの大好きちゃん」-いつかは忘れ去られるかもしれない、大好きな人のための冒険と、その果てに抱いた決意の物語。好評シリーズ第5弾。
感想・レビュー・書評
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始まりは唐突だったけど、中々に楽しめる内容だった。特に鎖々美と情雨の掛け合いは今までにない内容で良かったな。
というか、鎖々美が月臣に染まり始めているね。元々はそういう性格なのか?
色々と新展開がある内容だったが改めて、鎖々美が世界へと歩き始めたと考えていいのかな?
[more]
それにしても神様業界も大変なんだね。信仰が薄れるとあんな事になるのか…
まあ、結果的には日本神話側の保護者連合の決死の反撃により、企みは瓦解したわけだけど世界的に大変な事になっているみたいだ。次はどうなるやら
最後に鎖々美と情雨が2人っきりで過ごしている事を妬むかがみは可愛い -
何か色々と絡んでいて情報量が多く話についていくのが大変だった。しかし終盤でそれまでのことが一気に収束した感がある今回、終盤で色々な事実が判明してきたけれど、個人的に一番驚いたのは希美の正体でした。確かに名前を見ると神話のあの人物が想像されますね。
次回はどんな風に展開していくのか期待したい。 -
割りと深刻なのに案外大丈夫そうに見えます。
ラストの情雨と玉藻前のところがいいですよね。何度も読んでしまっています。 -
かなり好きな巻です。一気に読めました。
ややこしい設定をライトノベルの範囲で上手くまとめるのは本当にすごいです。面白かった!
話が進むごとに情雨が好きになりますね・・・!ラストがもう、もう・・・。
あとはもうひたすら希美ちゃんかわいいかわいい言ってました。
続きが楽しみ。 -
先の巻にあった新トロイア戦争の回である。
全体的に描きたい物語はわかるが、まとまりが悪い。たとえば狐の彼女に関する終盤での告白など、本来はもっとエモーショナルに描けると思う。伏線のしき方に問題があって、これはシリーズ全体でも見られる問題でもある。
一巻から見られる問題であるが、その点は残念である。 -
ギリシャ神話登場。乱入?(笑。保護者活躍回。お兄ちゃんかっこ良い?!
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ギリシアの神話が仕掛けてきた「現代のトロイア戦争」ゲームに巻き込まれる話.日本神話も海外のに比べると歴史が浅く神格が違う,という割りには,いやに凝った壮大な仕掛けだけど,最後のオチでその辺が明らかになる.海外の神話まで登場して,神と名がつけば何でもあり感が半端ない.つるぎが半ばチートキャラなので,そういうテコ入れはしょうがないのかもしれないけど.ところで,カラー口絵だと???表記なのに,人物紹介で普通に紹介されているのはいいのだろうか.
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“「しっかりしなさいよ。あんたの存在を知ったとき、あたしは嬉しかったのよ。ええ、きっとあたしの宿敵なんだ。あたしと同じぐらい苦しんで、切磋琢磨している、運命の相手がいるんだって——だから、お願いだから『ごめんね』なんて言わないで。足りないと思うなら、がんばりなさいよ。宿敵のあんたがそんなじゃ、張りあいがないのよ」
やっぱり、わたしを鼓舞してくれてるみたいだ。
微笑む。
このひとのこと、わたしは嫌いになれないの。
「でも、ごめんね」
時計を見ると、もう深夜だ。
「ベッド、占領して。情雨ちゃんだって、眠いでしょう」
「いいわよ、昨日はあたしが独り占めしたんだから。これで公平でしょ?」
情雨ちゃんはそっぽを向いて。
「それに、これでもあんたには感謝してるのよ。こんな空間に独りで取り残されて、すこし心細かったの。昔のこととか思いだしちゃってさ……。あ、いや。ちがうの、忘れて。寂しかったわけじゃないのよ」
「うん」
せめて、ぬいぐるみの代わりにでもなれればいい。
「何もできないけど、そばにいるよ」”[P.158]
面白かった。
思わぬ人が思わぬ人の血縁でしたって展開多いね好きだな。しかも二親等じゃなくて一親等っていうのが多い。
ささみさん変態方面に傾いてきてる。
第五話の表紙絵、よく見れば鬘の髪の毛も見えてるし袖も女物なんだね。
希美ちゃんが可愛過ぎて!あの眼鏡の子とか、そんなそんな。
スサノヲとの思わぬ関係にわくわく。
保護者達の退場が辛い。ここで最後に二人が取り戻しにいこうとする展開が素敵。次が楽しみ。
“「危ない!」
希美ちゃんは咄嗟に周りの敵から剣を奪い、その暗殺者を斬りつけて無力化した。
「おっと、今回のおまえはおてんばだな」
「今回とか何とかよくわからないです、でも助けてくれたぶん恩返しをします」
希美ちゃんは生真面目に語った。
「下ろしてください。おんぶに抱っこでなくても、自分の身ぐらい自分で守れます!」
その言葉に。
青年は、とても嬉しそうに笑った。
何だか懐かしい、大好きな映画の、とっておきのシーンを観たような——。
上機嫌な態度で、青年は肩を竦める。
「うーん、俺様はおしとやかな女のほうが好きなんだけどな。ママみたいな」
「あなたに好かれてもしょうがないから、どうでもいいです!」
背中あわせで、彼と一緒に戦う。
その昂揚を悟られたくなくて、希美ちゃんは素っ気なくそう言った。
青年は喜びに満ちた表情で、目の前の勇士を蹴り飛ばす。
「いいね。俺様は肉食系男子だから、そのぐらい跳ねっかえりでも楽しめるぜ」
八重歯が目立つ歯を見せて、豪快に笑うと。
「ちゃっちゃと片付けて、ついでに世界とか救って——そのあと、おまえ俺様の嫁になれよ」
「何を言ってるかわからないです!ほら、敵がいっぱいきますよ!」
真っ赤になってやたら剣を振るう希美ちゃんを、楽しそうに眺めながら。
「そうそ、おまえは八岐大蛇に食わせるには惜しい女だよ——お姫さま」”[P.222]