とある飛空士への誓約 (5) (ガガガ文庫 い 2-17)

著者 :
  • 小学館
4.16
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本棚登録 : 179
感想 : 20
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094514735

作品紹介・あらすじ

エリアドールの七人、激動するその思い……

ウラノス王都・プレアデス。王位継承問題が、第一王子デミストリとニナ・ヴィエントの間で発生している中、ウルシラからニナ・ヴィエントと仲良くするよう命令されるミオ。あまり印象のよくなかった青年イグナシオに協力をあおぎ、ニナとの接近をはかる。一方、軍警に囚われてしまった清顕とかぐら。「秋津連邦のスパイである」と偽証するよう要求されることに……。
またライナは、清顕とかぐらが囚われている場所を突き止め、清顕を自分の手で殺して口を塞ぐことを画策している。飛空要塞のバルタザールやセントヴォルトのセシルも、それぞれ重大な決断をせまられて……。
「エリアドールの七人」がその思いをさらに複雑にさせながら、無情にも激動の渦に物語は巻き込まれていく……!
現在アニメ化もされて話題沸騰中の『とある飛空士への恋歌』とのリンクも、さらに激しくなって見逃せない展開が待っている!

感想・レビュー・書評

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  • 評価:☆4.5

    ウラノス王都にて、ニナ・ヴィエントと仲良くするように命令されるミオ。軍警によって囚われてしまった清顕、かぐら。清顕の口封じを密かに狙うライナ。そんな中、バルタザールやセシルは重大な決断を迫られ――。


    というわけで誓約シリーズの5巻。
    ストーリーとしては囚われた清顕、かぐらを救出するために仲間達が奔走するのがメイン。
    今回のMVPはバルタでしょうね。
    王女と分かってからのセシルとのぎこちないやりとりには笑ったし、これまでの出世街道を捨ててでもかぐらの笑顔のために戦う決意をするところにはウルッときた。ほんとイケメン過ぎる。

    敵になることになることが分かっていても危険を顧みず助けに来てくれて次戦場で会うときは全力で戦おうと言うレオ隊長もカッコよかった。

    ライナの僅かに残った良心も見れて良かったし、この巻は男がいい仕事してたな。

    バラバラになってしまった7人だが、あの日交わした誓約は胸の内にしっかりとある。
    戦場で再び会うときにどうなるか見たいような見たくないような見たいような。続きも楽しみ。

    「か、勘違いするな。セシルに頼まれたのだ。貴様のためではない」
    「うん。うん。わかってる。わかってるよ……」
    「きみと戦場で出会ったら、本気で戦おう」

  • サクサク読めるのは変わらないが、もう少し捻ればいい箇所や、その行動はそこじゃない…という箇所が多く感じた。

  • うわー泣いたー。
    泣かされたー。
    なんというすごい回。
    まさかシリーズ折り返しのここで、こんなにも泣かさせられる展開が待っていたとは。
    まさに神回だった。

    前半はミオとニナの絡みで、プールでの水着姿や驚愕の(笑)アリー麺騒動などシリーズ愛読者にはクスリとさせられるちょっとほのぼのとした展開だった。
    けれど、物語が囚われた清顕とかぐらに移ってからは、彼らを助けようとする仲間たちのその想いに、もう何度ボロボロと泣かされたことか。
    特に、セシルとバルタにはやられた。

    いくつもやられた場面がある。
    セシルが囚われの2人を助け出す事を叔母コレットに語る場面。
    短慮を咎められても、自分には恥じることは何も無い、天命に従って乗り越えて見せると胸を張って決意を語るその姿!
    そんなセシルにコレットが彼女の母親を重ねる場面。
    バルタが獄中のかぐらに会って憤る場面。
    かぐらに会った後にバルタがセシルに送った電報
    「2名の移送手段を確保されたし」
    それを読んだ瞬間、セシル同様涙が溢れて止まらなくなった。
    個人的にはこの場面が本巻のハイライト。
    いや、ヤバかった。
    ほんとに涙が止まらないんだもん。
    それにしても前半はまるで道化役だったバルタのそこから後のカッコ良さ。
    コレット同様、「男前になった」と言ってあげたい。
    そして、救出後のバルタとかぐらの絡みがとても良い。
    甘えるかぐらと不器用に応えるバルタ。
    なんとも幸せな気分にさせられた。

    とうとうバラバラになってしまった仲間達。
    でも、きっとこれはまさしく天命なのだろう。
    この先の物語が早く観たい。
    そんな気にさせられた。

    そして、ラストでいよいよ恋歌のラストにつながった。
    カルの登場もそのうちあるのだろう。
    期待したい。

    あー、ほんと満足の一冊だ。

  • 正直もっと酷い拷問が行われているのかと思ってヒヤヒヤしたよ……

    バルタザールはこれまでもツンデレな面を散々見せつけてきたわけだけど、ようやく仲間思いな面を見せてくれた。エリアドールの7人は欠けてしまったけど、再び纏まりを見せたかと思ったんだけどな。別れた先で敵として戦争をしなければならないとは……
    7人は三カ国に散り散りにと書かれているけれど、セシルが亡国の王女として名乗り出ることを決めたのだから更に分かたれることは確定しているんだよね。余計に泥沼になりそうだな

    個人的にはこの段階でライナの正体がバラされることも意外だったけど、ノーズアートを「ハチドリ」と教えたことも意外だったかな。てっきり空で衝突するのは清顕とイリアだけだと思っていたから

    というかカルが大艦隊を率いて出発したのがこの頃なのか。本当にクレアを待たせたんだなと思ってしまう。でもそれだけ時間を掛けて用意した艦隊もウラノスの一方面艦隊とようやく互角という程度。
    ここで秋津連邦とかが協力したとしてもウラノスに勝てるイメージが全く沸かないのですが……

  • 最高に面白い。最高だ。  
    また一人、覚悟を決めた。 全員が覚悟を決めた。  
    時代は流れる。時間は止まってはくれない。  
    唸りを上げて蠢くその時をただ必死に生きていく。  
    離れ離れになろうとも、誓約が仲間を繋ぎ止め、彼らを生かす。  
    「きみと戦場で出会ったら、本気で戦おう。」

  • レビューは6巻

  • とある飛空士への誓約の5巻目。
    図書館から借りるのが、前の巻からちょっと開いたせいもあり、続きが気になって気になって…。
    面白い本はなるべく長く読み続けていたいと思うのですが、ほぼ一気読みしてしまった感じです(苦笑)。
    それだけこの巻は私的ツボが盛りだくさんでした。

    ミオとニナのアリーメンのくだりだったり、バルタとセシルの会話だったり、バルタとかぐらの関係だったり…もう、いろんなところでもっと読みたい!と思わせるシーンが多かったです。
    本筋的には、結構シリアスなお話なのに、アリーメンとか、セシルとバルタの会話とかのちょっとお笑い要素(?)もあって、良かったです。

    そしてこの巻で株をあげたのは、何といってもバルタザールですね!
    彼のための5巻だったといっても過言ではないと思うくらいです。
    バルタ、可愛いよバルタ!
    かぐらと幸せになってほしいものです…。

    カルの名前も出てきて、やっと恋歌との時間軸と融合するようですね。
    次巻も一緒に借りてきているので、このままの続けて読みます。

  • 「1度でいいから食べてみたいぜアリーメン」
    相変わらず恋歌とのリンクが上手くて、とある飛空士シリーズ全体としても佳境に入ってきてます。
    今回はミオとイグナシオ+セシルとバルタの日常ギャグパートもありつつ大きく展開します。
    今までのラストを考えると悲劇的な匂いしかしないけど、たまには一味違う結末に期待してます。7人の天命に幸あれ。

  • 懐かしい方たちも出てきて、ほっこりしつつも、激動な展開。やはり、このシリーズは悲劇しか待ち構えていないのか。

  • バルタ回!!!!

    イイ!!!!!!

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著者プロフィール

1971年生まれ。小説家。代表作に、「とある飛空士」シリーズ、『レヴィアタンの恋人』(ともにガガガ文庫)などがある。

「2014年 『サクラコ・アトミカ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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