人類は衰退しました (9) (ガガガ文庫 た 1-17)

著者 :
  • 小学館
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感想 : 56
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  • Amazon.co.jp ・本 (285ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094514940

作品紹介・あらすじ

つきりょこう、します?

わたしたち人類がゆるやかな衰退を迎えて、はや数世紀。すでに地球は"妖精さん"のものだったりします。そんな妖精さんと人間との間を取り持つのが、国際公務員の"調停官"であるわたしのお仕事。
月旅行に出たまま帰らぬ人となったらしい祖父の行方を追って、わたしは月へ行く手段を探して夢の世界へ。

"けんさくえんじん"つかいます? しゅっぱつしんこー! 妖精さんの"じょうきしきけんさくえんじん"に乗って、本当に月へ行けるのでしょうか?

しりーず、ついにかんけつです?

感想・レビュー・書評

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  • 2007年から続いた当シリーズも9巻をもって、一応の完結をした。完結してしまったのだ。
    この作品はライトなタッチで書かれているが、やはりSFなのだと思う。SFだからこそ、こういうハードな結末を、ライトに着地させてしまえたのだろうとも思う。

    さて、今回は『おじいさん』がロケットにのって月に行ったけど、帰ってこれなくなっちゃった!さて、『わたし』はどのようにして『おじいさん』を助けるのか。妖精さんを駆使し、多くの問題を片付け、そして『わたし』は月に到着する。そして、そこで知る事実とは!そして、どのように、ホッポリ投げるのか!!

    作中に色々と仕掛けられた複線。これを見事にさらって、ここに着地したということは素晴らしい。出来れば、あの絶望のシーンを映像にしてみんなに見せてあげたい!
    今作、発売時から追っかけていた。追っかけた甲斐のある最終回だった。
    折角、素晴らしい形で、アニメ化したんだから、この結末をアニメの形でも見せてほしいとも思う。

    が、やはり小説というトテモ力のあるメディアで公開されている以上、先に読んで欲しい。

    最後に、この作者、田中ロミオ氏は出来れば、この小説と言うジャンルでもっと活躍して欲しい。

  • 人類は衰退しました

    8巻の子供も描写がおかしいとは思っていたが、予想を上回る驚きだった。1巻から読み直さなければならないようだ。

    ただ一つ悲しいのは、我々旧旧人類は衰退しました ということだろうか。これまで読んできた楽しい話は、我々の明るいSFではなかった。無駄な感傷にすぎないが。
    助手さん頼んだよ。

  • [評価]
    ★★★★★ 星5つ

    [感想]
    この間で「人類は衰退しました」はひとまず完結
    最終巻の展開は人類が衰退したことをじっくりと感じることができる内容となっていた。今までに読んできたが、このような結果になるとは思いもしなかったが、結果を知った上で今までの物語を思い出すと妙に納得することができた。
    多様性の間を取り持つというのも中々に面白い
    「わたし」と「助手くん」の物語も気になることだが、とりあえずは大団円といったところだろうか。

  • む、難しい…。頭がお子ちゃまな自分には容量が足りなかったみたい。前々から感じていたことではあったけど、最終巻ではシリーズの総決算的な部分がデカすぎて、何となくの理解だけでは付いていけなくなってしまった。シリーズの根幹に係わるところはボヤっとでも分かったと思うんだけど、自信が無いので考察されてる記事をチラチラと読みつつ。
    全てがスッキリ理解できたわけではないけど、シリーズを読み直したら新たに気付けることがたくさんあるような気がして、それって凄くないか…!というワクワク感もある。でも読み直しても自分の頭じゃ厳しいよなぁ…。ほんわかな世界観に惹かれて読み始めたものの、なかなかハードなSFでした。

  • これがライトノベルっていうのが曲者です。
    ライトノベルっていうのはわりとノリと勢いが肝心なところがありますゆえ、そんな作品群につかってだらけきっていたときに、アニメからこの作品を知り完結まで読んだわけですが。
    あああ、そっか、SFだったのか…。
    SFにあまりつからないひとなので気付きませんで、軽いノリでピュアブラックな皮肉きいた作品くらいに思っていました。
    なので最終巻の衝撃がはんぱなかったです。
    あらららら。でもおかげで眠っていた読解力をがつんを揺り起こされたイメージ。これは良作ですね。何回も読み返したい感じ。ここまで設定がしっかりしているとは思わなかった。(謎解き的な意味で)ミステリにはないSFの爽快感というものをはじめて味わったかもしれません。
    全部細かくネタを解説したわけでもなく、最後の書き方だけで全部の謎が連鎖的に解けるこの構成力にもあっぱれです。
    ネット上にはいろんな考察がありまして、そっちが大変面白かったので、あまり意見は書かないことにします。

    普通にかわいい女の子が、こんなにもSFに溶け込んでいるっていいですね。しかもかなりたくましく成長しているっていう。
    助手さんの口調は最初は衝撃をうけましたが、今ではすっかり慣れました。
    短編集もすぐ読むつもりです。

  • 最終巻にして、衝撃的な事実!!
    何度も何度も読みなおし、おじいさんやわたしちゃんが何を悟ったのか、理解した(ような気がする…)。
    人類は本当に衰退していた!!
    そして、地球は本当に妖精さんのものだった!!
    短編集を待ち望みます。

  • まさか完結するとは……
    ストーリーはSF映画のようですが、人退ならではのゆるい語り口なのでさくさくです。
    ライトノベルの中では殿堂入りレベルで素晴らしいシリーズだったと思います。個人的には現代社会を風刺的に(でも批判的にではなく、ゆるーくちくちくする感じで)捉えていたのが好きです。

  • 『人類は衰退しました』第9巻、本編の最終巻。

    『妖精さんたちの、ちきゅう'』
    月へ向かった往還シャトルとの連絡が途絶えたことを受け、参加していた祖父の親族である"わたし"に届いた訃報。「祖父はまだ生きているはず」と、"わたし"は妖精さんの力を借りて月へ行くことを決意。その道程で知ることとなる、人類と妖精さんの歴史―――。

    ようやく明かされる、人類の衰退と妖精さん台頭の歴史と、この世界の真相。決まり文句として毎巻、裏表紙に書かれている「わたしたち人類がゆるやかな衰退を迎えて、はや数世紀。すでに地球は"妖精さん"のものだったりします。」という一文。作品紹介として当然のように書かれているのだが、本編を読み進めてもどうにも違和感が拭えなかった・・・が、本書完結編でばっちり氷解!なるほどなー!いやー、ロミオらしいSF設定だった!

    次巻以降は後日談のSS集になるのかな?あと少し、「人退」の緩くてハードな世界に浸らせてもらおう。

  • 最終巻。
    遭難したお祖父さんを救出するために月まで行っちゃう話。

    初めの方で一瞬だけ宇宙に行った展開ってなかったっけ?
    (すぐに戻りましたが)

    妖精さんの歴史は読んでて楽しかったです。
    そうですよね、昔から今みたいに自由自在じゃないですよね。

    シリーズは全体的に緩く、それでも最後は少し締めて楽しく読めました。

  • 最高だった。

    真実を知り、全ての意味がひっくり返る作品。
    今までの全てが伏線に感じる。
    読み返すと、発見ばかりだ。特に2巻のスプーンの話など、今読むとはっとする。

    SFとして抜群に面白い。

    それでいて、ライトノベルの長所であるユーモアや読みやすさ、キャラの良さも維持している。

    この作品に触れられて、よかった。

    ちなみに読破後、アニメ版のエンディング「ユメのなかノわたしのユメ」を聞くと、また違った感覚が味わえるため、おすすめ。

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著者プロフィール

小説家・ゲームシナリオライター。代表作『CROSS†CHANNEL』『人類は衰退しました』『Rewrite』(竜騎士07、都乃河勇人との共著)『ミサイルとプランクトン』など多数。

「2016年 『アウトロー・ワンダーランド 1 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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