幽霊伯爵の花嫁 (小学館ルルル文庫)

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  • 小学館
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感想 : 28
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094521931

感想・レビュー・書評

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  • 代々墓守を務めるコルドン伯爵は、力の強い幽霊たちが世間に出ていかないように抑えるため、感情を殺してしまった。嫁に来た女性たちは、そんな伯爵と幽霊たちに耐え切れず去っていく。叔父のアスガント伯爵は、最終兵器として、過酷な体験をして天涯孤独の身になったサアラを17番目の花嫁として送り込む。このサアラが、素晴らしく強かで素敵だ。氷のようだったコルドン伯爵の心を溶かすのだ。幽霊となったコルドン伯爵の母親のアシェリーゼをも助ける。墓場の幽霊たちも自分の親衛隊にしてしまう。しかし、サアラのことを可哀そうだと言うカインのことを嫌う矜持も持っている。なかなかに魅力的な物語だ。

  • 初めの一冊として正しく「障害(運命の悪戯)からはじまる恋愛もの」定型だが
    「男は優しく女は強く」に沿った主人公がなるほど目を引く

    女性向けライトノベルの主人公は「天然」もしくは「古風」であればヒロインであり
    つまり読者視点は主人公にして愛でる対象たるものの傍にあり
    そうでなく話の軸となる主人公ならば
    天衣無縫で型破りで常識にとらわれずまたへこたれない
    つまり舞台背景に係らず「現代的」(すなわち話の展開に対して「強い」女性)である
    という感じでなかろうか

    この作品で面白いのは主人公が「強い」女性であることを表現するのに
    聡明であるけれど未熟である引き立てを男性側に持たせたところだと思う
    あえては言い難いので言い換えると「割れ鍋に綴じ蓋」
    うつくしいことばである(と逃げる)

  • 天涯孤独の美少女たる主人公は、婚姻するため
    元婚約者の家を出る。

    いやすごい…。
    健気に耐える系かと思いきや、数ページで裏切られ
    さらに斜め上の性格を突き進む主人公。
    人によっては幽霊よりも怖いものはありますが
    もうちょっとこう…常識はどこへ?w
    出てくる人物の中で、まっとうそうなのは子供かと。
    この反抗期真っ最中! という反応が普通です。

    共感できないわ、突っ込みがいがあるわ、な主人公。
    別の意味ではらはらどきどきさせてくれます。

  • 強かで破天荒で芯のしっかりした主人公、とてもよい。

  • あまり期待せずに読み始めたのだが、予想以上におもしろかった。

    “「私にとっての幸せとは、私が私であることを後悔しないということです。」”というセリフの通り、主人公のサアラは、運命に屈することなく、傲慢なほど毅然としている。

    彼女にとって、同情や憐れみを受けることは屈辱なのだ。
    そういうサアラが、潔く、且つ危うくて目が離せない。

  • 侯爵家の血を引く、天涯孤独の美少女サアラ。彼女は、身を寄せる遠縁の家の息子と婚約していたが、幽霊伯爵と呼ばれるコルドン伯爵の17人目の妻として嫁ぐことに! 更に嫁ぎ先は、墓地に囲まれ夜な夜な幽霊が現れるという場所で!? 妻に無関心な夫、何故かよそよそしい使用人達。ところが、サアラはのびのびと毎日を満喫し、逆に夫を翻弄して……!? 美しく強かに、少女は恋と幸せをつかみ取る!
    (アマゾン転載)


    サアラの人生哲学が素晴らしいです。
    すごい肉食系だし、笑!
    こういうタイプの主人公は少女小説で珍しいですね。

    幽霊の話は、添え物程度かと思ったんですが意外と面白い!
    ゴースト繋がりでメグ・ギャボットのメディエータを思い出しました。

  • いやぁ、面白かった!!
    買うときに帯を読んでみると
    「私、あなたを全然、まったく、少しも、好きではないんです」
    の文字に思わず笑ってしまいましたw
    実はまちがえて、2巻を先に買ってしまっていたので、
    このセリフの帯には驚きましたw
    読み進めていくと意味もわかるのですがw
    とにかく、サアラの言動が・・・w
    自分が美しいことを理解しているところがまたよかったですw
    ではではノシ

  • キャラクターが物語を牽引するとは、こういうことなんだなぁ。
    目から鱗というか…いいものを読ませてもらいました。もちろん話の完成度や伏線の張り方もしっかりしていて、ピースが何気なく嵌る一瞬が小気味良い。新人さんながら過不足のない非常に読み進めやすい文章であることも相まって、すごく楽しい読書だった。
    「ん?」と思う所は確かにあるのだけど、そこで引っかかると一気にすべてが白々しく感じてしまう危険性さえも孕んでいる違和感の余地だってあるのだけど。
    自分の全てを肯定したいと言いしたたかに生きるヒロインが私にとっては大変魅力的だったので、最後までページをめくる手が止まりませんでした。本当に、こういうのって好みの問題なのかも。

  • 無表情の仮面をかぶる伯爵と、笑顔の仮面をかぶる伯爵家の血をひくサアラ。サアラが強かで、でもどのような境遇でも前向きに生きている姿は、なかなか好感度は高かったです。(ある意味腹黒いとも言えますけど)。

    無表情の伯爵に感情を戻させたサアラ。彼女の歌は幽霊達の支持もあるから、今後はよい妻となりそうですね。

    最後で1個気になったのは、エリオスの母は誰なんだろうってところです。16人も妻がいて、そのうちの一人が母なのかなあ。

    続きも読んでみたいです。

  • 2011/06/27:ヒロインの性格が前向きな強かさで良かったです。

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