幽霊伯爵の花嫁 偽りの聖女と地下牢の怪人 (小学館ルルル文庫 み 4-4)

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  • 小学館
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  • Amazon.co.jp ・本 (251ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094522228

作品紹介・あらすじ

結婚から半年、今まで以上に仲睦まじいコルドン伯爵夫妻。そんな伯爵家に「怪人」と呼ばれる幽霊に命を狙われた二人の客人が現れる。しばらく屋敷に滞在することになった二人だが、それにより熱愛夫婦の間に思わぬ亀裂が…。なんと、客人の一人である美しい少女リゼットとジェイクが一夜を共に!?最愛の夫の不貞疑惑に、最強花嫁のとった行動は?家人も幽霊も巻き込んで、予測不能な夫婦喧嘩が勃発!二人の愛が試される!?-。

感想・レビュー・書評

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  • 主人公サアラの性格が、こんなに自己中心でエグイとは思わなかった。相手が傷つこうが構わない、自分の欲望が満たされていればいいんじゃない。嫉妬も計算ずくでやっている。これじゃあ、旦那のジェイクもたまったもんじゃない。かわいそうに、こんな女に惚れられてしまって。ジェイクもサアラを好きになった時点でアウトだね。それでいて、サアラは相手の真相を見抜いてしまう鋭さがあるので、たまったもんじゃない。今回の怪人騒動でも、ちゃんとリゼットの本当の気持ちを見抜いていた。やれやれ、こんな小説も一片の真実ありかあ、女性の恐ろしさを表現していて。

  • 主人公とお相手がくっついたり離れたりするのが主で
    各巻各話ごとの登場人物たちの立ち居地立てが副
    それが女子向きライトノベルというものだが
    (男子向きだと題材がバトルに変わるだけでおんなじ)
    今巻はそのバランスがもうひとつ
    名探偵と真犯人の真相解説独演会なんてどうでもいいから
    コルドン伯爵家(当主とその母と息子)を愛でさせろが本当だとしても
    使用人が伯爵を愛でていることを説明するのは地の文でなく描写でするべきなように
    あとフィナが能力も立ち居地も便利すぎて使い方が難しい
    主人公とその下僕たちの勢力が拡大一途なので対抗馬の欲しいところである

  • 急ぎの客がやってきて、その日から屋敷に滞在する事に。
    それが周囲の人々の不幸の始まりだった。

    読み終えて、女って怖っ! というのを
    ものすごく痛感させられました。
    同じ年頃の客人の行動に、どう考えてもいらっとする妻。
    それをまったく気がつかない夫。
    恐ろしいまでにすれ違ってますが、その言動すべて
    普通に思える!? と思ってしまう事のが恐ろしい。
    いや絶対にこれ違うけど、普通に思える…と
    読んでしまいましたが、結果は当然、でした。

    愛の形は人それぞれ、ですが、本当に人それぞれ。
    愛情深い、と、狂気は紙一重。

  • 墓守の猟奇的な嫁、第四弾。サアラのキレ処が判らなくて警戒しまくる家人達が微笑ましい(笑) そして、今巻は怒ったサアラに無接触プレイを喰らったジェイクが、果敢にサアラと意志疎通を図ろうとする様がマジ可愛かったわ~。サアラのドS心擽りまくりだよ、あんた。

  • 拒絶されたジェイクの弱りっぷりが可愛くてニヤニヤしてしまいました。大笑いしてたサアラの気持ちが何となくわかりました…w 最後の展開は都合よすぎな気もしたけど面白かったです。

  • 前巻から登場したフィナがもうすっかり伯爵家になじんでいて、アシェリーゼとも仲良しに。
    幽霊に命を狙われているという少女リゼットとその婚約者ブライアンが、伯爵家に滞在することになる。

    ずっとうじうじしているリゼットにイライラさせられたが、最後に思わぬラストが。

    そして、やっぱり一番みんなに愛されているのはジェイクだったということなのかなあ。

  • 伯爵家に「怪人」と呼ばれる幽霊に命を狙われた二人の客人が現れる。しばらく屋敷に滞在することになった二人だが、それにより熱愛夫婦の間に思わぬ亀裂が…。

    もし怪人が大方の予想通りリゼットを殺すつもりでもかくまって、リゼットを差し出しそうなサアラ。そうならずに安心しました。けっこう今回サアラはまともな行動をとっているのでは?
    ジェイク、こんな十歳歳下の若妻迎えたらメロメロだろうなぁと思っていたら、今回はよりメロメロを通り越して殺伐でした。

  • “「お嬢様、その男から離れて下さい」
    墓地への立ち入りを禁止されているヴォルグは、鉄柵の前まで来ると、ガシャンと音を立てて手をかけた。
    「コルドン伯爵、何お嬢様に色目使ってんですか。あんたは頭の線が切れたあの女と、よろしくやってりゃいいんですよ。大体何ですか?あんたはお嬢様みたいに凹凸のない幼児体型が好みなんですか?幼女趣味ですか?」
    悪い目付きで鉄柵越しにジェイクを睨み、ヴォルグはどう考えても、フィナに対して失礼としか言いようのないことをまくしたてる。
    『ヴォルグ、あなたは人のこと言えないと思うの』
    フィナが穏やかに言うと、ヴォルグは自信満々な顔でフィナを見た。
    「ご安心下さい。俺はお嬢様に拾われたあの日から、幼女趣味に目覚めています」
    『そうだったの?よかった』
    笑顔でそう答えたフィナは相当大物かもしれないと、ジェイクは本気で思った。
    「お嬢様、幽霊だろうと幼児体型だろうと、女性が不用意に男に近付くのは危ないんですよ。特にこういう何を考えているか分からない男は、変質的な性癖の持ち主に決まってます」
    ヴォルグが甚だしく偏った主張をしたところで、開いていた玄関からソイが姿を見せた。
    「ヴォルグお前、何サボってるんだよ。掃除しとけって言われただろ」
    気の良い笑みを浮かべながら、大股で歩いて来ると、彼はヴォルグの背骨に素早く膝蹴りをかました。げふっと呻いたヴォルグの首根っこを捕まえて、館まで引きずって行く。
    「主人に対する口の利き方を少しは弁えろよ」
    怒りのこもったソイの言葉に、ヴォルグは反抗的な態度を見せた。
    「俺の主はお嬢様で、コルドン伯爵じゃねえよ。つーか、てめーに指図される覚えもさらさらねえ」
    「いい度胸だなクソガキ」
    さほど歳の変わらないヴォルグを頑なにガキ扱いし、ソイは彼を館に放り込む。
    二人を見送って、フィナはジェイクを見上げた。
    『ジェイクくん、あれがいい見本だよ。分かった?』
    「何がだ?」
    意味が全く分からず、ジェイクは怪訝な顔で問い返した。”[P.124]

    4巻目。
    またも面白くってにやけてしまう。
    リゼットは少し見当付いてたけれど、ブライアンが正直意外だった。
    一瞬ただ生きたかっただけかと思ったけど、愛が故のあの芝居。
    個人的に好きな締まり。
    今回は家人たちがいい味出してて。
    ソイとハロルドの幽霊の押さえ方は今回が初出だった?ハロイドが意外で少しびっくり。
    前回綺麗に心温まる感じに思ってたのに、ヴォルグこ、これでいいのか。
    アシェリーゼとフィナの二人のやり取りが楽しい。

    “「話をした時、夫人は何か知っている風でした。……けど、何というか……深く追求し辛かったというか……。正直に言うと、怖くて聞けなかったというか……」
    ジェイクの頭の中を疑問が渦巻く。
    いったいどういうことだろうか?
    彼女がダグラス・ローをかくまっている?
    何のために?
    答えを知りたいのなら直接聞いてしまえばいい。いつもの自分ならすぐにそうしたはずだ。
    けれど、今のジェイクはそれをして正しい答えを得る自信がないのである。
    下手な嘘をつかれるならまだいいが、彼女はジェイクを拒むかもしれなかった。
    それを想像すると、踏み出すことに躊躇いを感じる。
    固まってしまったジェイクを案じたのか、ブライアンは再びグラスに酒を注いだ。
    「お疲れですよね。面倒ばかりおかけしてすみません」
    ため息交じりにそう言うと、ブライアンは手酌で注いだ酒をあおった。
    それを見てジェイクは、彼もまた、愛する少女の奇矯な言動に振り回されている男の一人なのだと思い至った。それを思うと、奇妙な同族意識が感じられる。
    ここはしばらく、厳しい言葉を浴びせられてばかりいるジェイクは、疲れた精神を麻痺させるように、グラスの中身を一気に乾した。”[P.179]

    20160823 再読

  • 幽霊伯爵の花嫁はちょっと(いや、結構かな?)ホラー要素が入ったラノベですね。でもラブもしっかり入ってます!重すぎりたり、極端だったりする時もありますが…(笑)

    今回は弱ったジェイクがキレる話です。あとがき読んで『あぁ確かに!』と思いました。ヤキモチ最高(笑)

    主役2人がかなり変わってるからエリオスの普通さに和むww本当にあのジェイクの息子なのかwwwエリオスを産んだジェイクの元奥さんネタとかもいずれ出てくるのかな?続きが気になります。

  • 面白かった。寝る前にちょこっと読むだけだったのに、気付いたら全部読んじゃってました。

    鈍感ジェイクの元に新たな依頼者がやってきました。依頼者は実の兄の幽霊に親族を殺されて、ジェイクに助けを求めたリゼット。
    知らない間にベッドの中に入ってきたリゼットをサアラと間違って抱き寄せたもんだから、話がこじれていきます。

    サアラはなんだか怒ってるし、屋敷の使用人からも怒られちゃって、孤立無援のジェイク。いくら考えてもサアラが怒っている原因が分からなくて、サアラに触れようとして拒絶されて、傷ついてます。

    思い詰めて「きみに触りたい」って、サアラに詰め寄ったのに、きっぱり拒絶されて、壁に拳をたたきつけたり、お酒が入って、サアラをベッドに連れ込んだり、これまであんまり感情に出ない人なのに、感情豊かなジェイクに、ニヤニヤしっぱなしです。

    いつもサアラがジェイクを好き好きだったのが、急に180度逆の態度をとられたのが、こたえたんでしょうね。サアラも容赦ないから。

    リゼットがジェイクに近寄った理由は最後であきらかになりますけど、すべてが片付いたあと、ジェイクに目隠しして、あんなことしたサアラ。
    えーそんなプレイがルルル文庫で許されるの?って思ったら、やっぱりいいところで終わっちゃいました。残念(^^ゞ

    今までサアラの方がジェイクへの好きって気持ちが大きいかと思ってましたけど、ジェイクも結構サアラのことを好きになってますよね。
    次巻も楽しみです。

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