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- Amazon.co.jp ・本 (354ページ)
- / ISBN・EAN: 9784094600896
作品紹介・あらすじ
『後狩詞記』『遠野物語』は生きている。それは柳田の常民の民俗学の原点であるとともに、まったく異質の方向を指し示す著作でもある。これらの物語発生の現場に立ち会って、柳田の思想の根源を考える。
感想・レビュー・書評
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柳田國男が、民俗学や常民といった概念にたどり着く前にこだわっていた、「山人」とはいったいなんであったのかを追究した本といえる。民俗学以後の柳田はなんとなく権威主義でかなりの保守という印象があったけれど、それ以前にはなんと粗削りで可能性を秘めていたのか。山に住む私としては、柳田が考えたような山人が、いまだその辺の山奥には住んでいて夜遅くや朝早く、あるいは人のいない秋の終わりから冬にかけて出てきているのではないかと思うことがある。次の『漂白の精神史』を読んでみたいし、『海の精神史』は、SLに入らないのだろうか、さらに言えば『常民の精神史』は書かれるのだろうか。
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