「鎖国」という外交 (全集 日本の歴史 9)

  • 85人登録
  • 3.71評価
    • (5)
    • (8)
    • (10)
    • (1)
    • (0)
  • 9レビュー
  • 小学館 (2008年8月26日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (370ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784096221099

「鎖国」という外交 (全集 日本の歴史 9)の感想・レビュー・書評

並び替え:

表示形式:

表示件数:

  •  第一章。将軍家光の御代始めを称賛する江戸図屏風の左隻には、異形の雰囲気を漂わせる朝鮮通信使が描かれている。徳川将軍が幕府の地位を高めるために呼び寄せたのだ。使節を送り込むことは、朝鮮国王にとっては自国の威儀を見せつける絶好の機会であった。往来を警固する下級武士を押しのけて、めずらしい異国人をひと目見ようと被衣姿の貴婦人も駆け付けた。

  • 【「鎖国」という外交】
    BOOK LOVERS vol.95
    http://pod.j-wave.co.jp/blog/booklovers/2009/02/book_lovers_vol95.html

    鎖国のイメージは明治時代に創られたものだった、輸入行為を通じた貴金属流出が幕府の深刻な課題だった、など従来の教科書日本史を覆す話がいろいろ。山川の日本史解説本と読み比べたい一冊。

  • 2013年17冊目

  • 「新視点近世史」ということで、江戸時代全般を“「鎖国」という外交”のテーマで概括する。前半部では、幕府にとっての朝鮮通信使の意味、「4つの口」による東アジア世界との貿易と外交などがわかりやすく書かれているが、後半部になると、絵画史料をもとに大衆にとって異国人のイメージはどのようなものだったのか、どのような土壌から「征韓論」が生まれてきたかに多くを割く。オランダや琉球、エゾとの「外交」には余り触れず、朝鮮がメイン。

  • 『全集 日本の歴史』シリーズはかなり質が高くて、歴史的な教養を深める上で非常に役に立つ。

    江戸時代は「鎖国」と言われているけれども、実際はちゃんとした外交的な理由もチャンネルもあったし、「鎖国」によって国内産業が進展していって、それが近代日本の礎になった。また、当時の日本人が考える「世界観」について語る。当時の東アジアの状況から、かなり積極的に「鎖国」を評価している点が興味深かった。

  • 日本史のお勉強をしようと思い図書館で通史を眺めていたら、気になったこれを借りて見た。
    「1980年代以降活発になってきた「鎖国」をめぐる研究を通じて、今日では研究者レベルでは「鎖国」=「国を完全に閉ざしていた」という認識はほとんど否定されているといっていいだろう」というのは、歴史にまったく詳しくないわたしからしてみれば意外であると同時に、大変興味深い。
    朝鮮通信使を通じて江戸幕府の外交政策、つまり「鎖国」状態ではなかったことや、どのように当時の人間が日本や異人を認識していたのか、また貿易を通じてどのような経済状況であったのかということを論じた本。通史と言っても歴史を時系列に事実を列挙する形で進んでいくのではなく、あるテーマについて論じているものなので読みやすい。
    江戸時代はまったく他国との外交がなかったわけではなく、さまざまな制限はあれど、他国との関係が継続していた。そしてその制限はさまざまな外交政策の一環であったと理解することができる。
    たくさん興味深いことがあったのだけど、そのひとつが吉宗の輸入品の国内生産化。幕府は砂糖を輸入する一方で鉱物の輸出量が増大に危機感を覚え、さまざまな対策を打つ。その一つが輸入品の国内生産化。それ以前から国内生産化を唱える声があり、またそれを試みているが失敗している。吉宗がそれに成功したのは、それが国家プロジェクトとして行ったこと、そしてきちんと段階を経てそれを実行に移したことがポイントだった。
    まず①漢訳洋書輸入の禁の緩和によって中国や、東南アジアから農作物に関する地誌の輸入を行い、農作物に関する知識を得、②それらと日本の農作物の類似性を確認するなど、日本の農作物の調査を行い、③日本の土地・風土にてきした農作物を見極めるため実験用に種・苗木・根茎を輸入し、④それらの輸入した種などを中国の植物的知識に照らし合わせ栽培可能な作物にした。その試行錯誤の結果、サトウキビの栽培に成功。そしてこれが貿易依存状態にあった日本の国内産業の発達を促し、品質・価格の面で国際競争力の上昇を生みだし、結果消費財の貿易依存体質からの脱却の成功をもたらした。
    教科書で習った政策が、いかなる時代状況の中で、どのような考えを持って実行されたのかということがわかり、おもしろかった。
    それと、以前から江戸時代を「鎖国」だと考えると、後の歴史が理解しにくいところがあった。けれど、そうではなく他国との外交を行っていた歴史の延長線上にあると考えると、わたしの中ではとても理解しやすくなった。
    ということで、次は何を読もう。続けて江戸時代かな?

  • 従来の日本人が懐いていた閉鎖的イメージの「鎖国」という国策について、朝鮮通信使外交を新たな視点で分析することにより、徳川政権が選択した外交政策がその当時の東アジアが置かれていた状況下においては、合理的なものであったという仮説を綴った著作である。

    日本社会の歴史を当事者である日本人ではなく、日本および東アジアの近世・近代史を研究するアメリカ人の着眼点で、限られた歴史的資料を元に「鎖国」を分析・評価したものである。

    秀吉の侵略政策から東アジアの友好外交を選択した徳川政権の適切な外交戦略について多様な研究・分析が待たれるところである。

  • 09/12/15

全9件中 1 - 9件を表示

ロナルド・トビの作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
村上 春樹
村上 春樹
ヴィクトール・E...
村上 春樹
有効な右矢印 無効な右矢印

「鎖国」という外交 (全集 日本の歴史 9)を本棚に「いま読んでる」で登録しているひと

「鎖国」という外交 (全集 日本の歴史 9)を本棚に「積読」で登録しているひと

「鎖国」という外交 (全集 日本の歴史 9)の作品紹介

江戸幕府の外交はなぜ「鎖国」と呼ばれてきたのか。歴史が未来を切り拓く。

ツイートする