- Amazon.co.jp ・本 (370ページ)
- / ISBN・EAN: 9784096221099
感想・レビュー・書評
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従来の日本人が懐いていた閉鎖的イメージの「鎖国」という国策について、朝鮮通信使外交を新たな視点で分析することにより、徳川政権が選択した外交政策がその当時の東アジアが置かれていた状況下においては、合理的なものであったという仮説を綴った著作である。
日本社会の歴史を当事者である日本人ではなく、日本および東アジアの近世・近代史を研究するアメリカ人の着眼点で、限られた歴史的資料を元に「鎖国」を分析・評価したものである。
秀吉の侵略政策から東アジアの友好外交を選択した徳川政権の適切な外交戦略について多様な研究・分析が待たれるところである。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「新視点近世史」ということで、江戸時代全般を“「鎖国」という外交”のテーマで概括する。前半部では、幕府にとっての朝鮮通信使の意味、「4つの口」による東アジア世界との貿易と外交などがわかりやすく書かれているが、後半部になると、絵画史料をもとに大衆にとって異国人のイメージはどのようなものだったのか、どのような土壌から「征韓論」が生まれてきたかに多くを割く。オランダや琉球、エゾとの「外交」には余り触れず、朝鮮がメイン。
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『全集 日本の歴史』シリーズはかなり質が高くて、歴史的な教養を深める上で非常に役に立つ。
江戸時代は「鎖国」と言われているけれども、実際はちゃんとした外交的な理由もチャンネルもあったし、「鎖国」によって国内産業が進展していって、それが近代日本の礎になった。また、当時の日本人が考える「世界観」について語る。当時の東アジアの状況から、かなり積極的に「鎖国」を評価している点が興味深かった。