- Amazon.co.jp ・本 (125ページ)
- / ISBN・EAN: 9784096772171
作品紹介・あらすじ
現実を超えた天上的な美しさと子供のような残酷さ。内省と虚無。言葉にできないものをこそ、詩にあらわそうとした詩人の傑作を現代仮名遣い、鑑賞解説付きで収録。
感想・レビュー・書評
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萩原朔太郎の詩集ですね。
萩原朔太郎の詩集を見たのは久しぶりにでしたが、飄々としたイメージがあったかのように感じていたのが、一変しました。
森鴎外も認めた才能は確かだと思います。今の時代に読んでみてもさほどの古さを感じないように思います。
解説の高橋順子さんも「近代詩と現代の、美果がともにみられよう。」と述べられています。
朔太郎は『詩は人間の言葉で説明することの出来ないものまでも説明する。詩は言葉以上の言葉である』と《月に吠える》の序文で語っています。
読んでいてかなり内省が激しく、時として無力感の投げ出しのような言葉で綴られて虚無感を感じさせられます。が、美しい言葉使いもあり、詩の表現にかなり試行錯誤を詩人は重ねたようにも見受けられます。
高橋順子さんは、また、
「 誰にも書けない独得の文語体で、詩人ゆえの悲劇を言語化した。
生涯にわたって、詩の言葉と闘い、言葉にいのちを吹き込んだ無二の詩人だった。」と結ばれています。
虚無の鴉
我はもと虚無の鴉
かの高き冬至の屋根に口を開けて
風見の如くに咆号せむ。
季節に認識ありやなしや
我の持たざるものは一切なり。
詩人のまさに吠えるような詩集の一部に圧倒されました。
このシリーズは、朔太郎の全詩より五十八篇を選ばれているそうです。もとより一部にすぎませんので、機会があれば各詩集を読んでみたいですね。
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やまさん♪
お薦め本ありがとうございます!
今、調べたら、図書館で貸し出し中になっているので、少し先になると思いますが、読んでみます♪やまさん♪
お薦め本ありがとうございます!
今、調べたら、図書館で貸し出し中になっているので、少し先になると思いますが、読んでみます♪2019/11/12 -
まことさん
おはようございます。
いいね!有難う御座います。
やま
【レビュー番外】
続揺(ぞくよう) 禁裏付雅帳シリーズの9...まことさん
おはようございます。
いいね!有難う御座います。
やま
【レビュー番外】
続揺(ぞくよう) 禁裏付雅帳シリーズの9作目です。
上田秀人さんの本は、「勘定吟味役異聞」シリーズから読み始めたのかな?
はっきりは覚えていませんが、旗本・水城聡四郎(本の主人公)が最初だったと思います。
新刊が出たら読んでいますから、もう10年以上読んでいると思います。
読んでいてあまり面白くないが、ついつい読んでいる、読める字の大きさの本は、ほぼ全て読んでいると思う。
中でも好きなのは、「妾屋昼兵衛女帳面」シリーズと「百万石の留守居役」シリーズです。
妾屋昼兵衛女帳面シリーズは、完結していますが。
百万石の留守居役シリーズは、まだ続いています。
上田秀人さんの本は、物語を楽しむというよりは、人の心の裏を見るよう本が多いです。
この本は特に、人の心の動きを書いています。
読後感が良いとは言えない本です。
しかし、出版されるとすぐ読んでいます。変な作家です。
2019/12/11 -
やまさん♪こんにちは!
こちらこそ、ありがとうございます。
やまさんの、おかげで、よく知らなかった、時代小説の世界に少し詳しくなれそうで...やまさん♪こんにちは!
こちらこそ、ありがとうございます。
やまさんの、おかげで、よく知らなかった、時代小説の世界に少し詳しくなれそうです(*^^*)2019/12/11
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個人的にはあまりぴんと来ないというか、わからなかった
解説があるのはありがたかったけれど、詩そのものより解説が頭に残ってしまう -
最近、詩に興味を持ち始めて図書館で見つけた。
「竹」「こころ」など教科書で読んだことがある詩のイメージがあったけど、もっと生々しい感じの詩も書いてたんだと知って驚いた。
「雲雀料理」「亀」「閑雅な食慾」「虚無の鴉」は意味がよくわからないけどなんかかっこいいと思った。
もっと年を取った時に腑に落ちそう。
「くさった蛤」「死なない蛸」はなんか気持ち悪いけど目が離せなくなる。何度も読んでしまう。
「青猫」はおしゃれ。
萩原朔太郎の詩をもっと読んでみたいと思った。
ブログでもう少し詳しく感想を書きました。
https://kon-yorimichi.com/imawoikiru/ -
こころをば何にたとえん を表紙にもってくればよかったのに!と思いました 笑
今まで読んだ詩人さんのなかで一番ピンとくるひとでした。
「言葉にならないものを言葉にしようとした」という説明がすべてのような気がします。
表現が大変たおやかですね。
第一詩集の「月に吠える」をまとめて読んでみたい… -
高橋順子さんの解説がなんだかあまり気に入らなかった。
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病みついた感性。
子規によって写実に進んだ和歌短歌とは異なり、近・現代詩は朔太郎によって心象を描き出す口語詩になったのね。 -
【詩をたのしもう(日本編)】
日本の近・現代詩史に燦然と輝く詩人たちの作品を選り抜きでご紹介します。
新学期、新生活にお気に入りの詩人をみつけてみませんか?
<閲覧係より>
萩原朔太郎(1886-1942)。
「詩は言葉以上の言葉である」とは第一詩集『月に吠える』の序文の言葉。まさに朔太郎の詩は言葉の力を引き出すことで、聖櫃かつ残酷な静けさやユーモアに満ちています。
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所在番号:911.568||エイ||7
資料番号:10205743
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このシリーズ好き。
萩原朔太郎に関しては筑摩書房のが一番好きだけど。
でも手軽に入ってもらうにはこれがお勧めです。