原寸美術館 画家の手もとに迫る

著者 :
  • 小学館
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本棚登録 : 92
感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (159ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784096817919

感想・レビュー・書評

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  • 良く知っている絵も新たな驚きをもって鑑賞できる、貴重な本。

  • 「巨匠たちの手元」に焦点を当て、名画の数々を原寸で再現した図録。

    人のシルエットと並べ、実際のサイズ感をわかりやすくしており、
    絵のどの部分がピックアップされているかも図説されている、親切な一冊。

    これは面白かったしワクワクした!

    全体で見るのと、「寄り」で見るのでは、作品の印象も大きく変わるし、
    タッチや色使いを紐解くようで、原寸ならではの楽しさがある。

    以下、読書メモ。

    ・ボッティチェリ「ヴィーナスの誕生」
    縁取り線を多用する画風が見られる。

    ・ダヴィンチ「最後の晩餐」
    よく見ると晩餐のメニューは魚ということがわかる。
    添えられたレモン、クロスの質感にも注目。

    ・ダヴィンチ「モナリザ」
    指の腹だけでぼかすスフマート技法が見られる。

    ・フェルメール「牛乳を注ぐ女」
    盗撮の視線を感じる。小穴付き暗箱(カメラオブスクラ)のような感覚を感じる。

    ・マネ「フォリーベルジェールのバー」
    チューブから絞り出したそのままの、色を直接カンバスに置いていく「アッラプリマ技法」(ぶっつけ描き)を使用。

    ・ルノワール「ムーランドラギャレットの舞踏会」
    画面いっぱいのきらっとした光の斑点を感じることが出来る。

    ・モネ「睡蓮、緑の反映」
    鮮やかな色彩が飛び合う様子が見られる。

    ・ゴッホ「星月夜」
    チューブから絞り出す生の色。激しい筆のタッチとドライブ感を感じることが出来る。

    その他、ターナー、ブリューゲル、ミレー、セザンヌ、スーラ、ボナール、エゴンシーレ、クリムト、シスレー・・・
    等、多くの巨匠たちの名画が取り上げられている。

    特に、やっぱり、印象派や後期印象派、点描画家のスーラなどの作品は、「引き」と「寄り」ではがらりと印象が変わるので面白かった。

    この原寸シリーズ面白いな。もっと色んな作品で作って欲しいと思った。(もう作ってるかもしれないが)

  • 原寸で見ることで、筆のタッチや細かい描写をありありと見ることができておもしろい。美術館でも本物はこの距離感で見ることができない。なので実体験としては、これは本物よりもリアルではないだろうか。
    さらに本を斜めにたてかけることで、当時の画家がキャンバスと対峙した距離感を体験できる。そして作品は時が経ち、独特のヒビ割れや退色を経て、画家も描けなかった劣化を纏いながら、今の状態になっている。それを見て感じることができる。

  • この本、スゴイ!

    実際の大きさの絵を示して、
    ちょっと気がつかない細部も説明してくれる

    発見がいっぱい!

    美術館へ行くのが楽しみになります

  • 出版企画に拍手。原寸大だと写真でもマチエールを観察できることを知った。(makon)

著者プロフィール

監訳*結城昌子(ゆうき・まさこ)
武蔵野美術大学卒業。アートディレクター、エッセイスト。1993年以降、子どものためのアート絵本の企画、制作をきっかけに子どもとアートをつなぐ活動を開始。「名画に挑戦」と銘打ったオリジナルのワークショップや講演、そのほか小中学生を対象とした各種コンクールの審査などを続けている。小学館児童出版文化賞、産経児童出版文化賞、久留島武彦文化賞受賞。代表作に、『小学館あーとぶっく』シリーズ 画家別13巻、『ひらめき美術館』全3巻、(以上小学館)、監訳『直感こども美術館 見てごらん!名画だよ』『直感こども美術館 すごいぞ!ニッポン美術』(西村書店)などがある。

「2018年 『フェルメール この一瞬の光を永遠に』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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