カフカの絵本

著者 :
  • 小学館
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本棚登録 : 69
感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (48ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784097263227

感想・レビュー・書評

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  • 田口智子さんの挿絵に惹かれて図書館で借りる。
    3つのお話。どれも不思議な持ち味?そして難解。「変身」もよく分からなかったっけ…。

  • フランツ・カフカといえば「不条理」という代名詞で語られるほどに独特な世界観を持つ作家。そのカフカの絵本である。テキストだけで読むのとは違い、美しい挿絵がさらなる想像力を増幅させてくれる。短編3話。

    「恩返し」:男が家に帰ると、部屋の中には大きな卵があり、やがてヒナが生まれ、「大きくなったら、自分を背中に乗せ、南の国へ連れていく事を条件に育て始める。
      
    「初めての悩み」:空中ブランコ芸人が完璧な技を磨こうとする一心さから、下に降りず、空中で過ごしていた...。彼に押し寄せる悩みとは。
     
    「羊猫」:お父さんから譲られた、半分「羊」で半分「猫」という不思議な動物との話。

     カフカの本を多く読んだわけではないが、カフカの本は何らかの意味を求めて読むとさっぱりわからない。彼の作品から何かを得ようとしても今ひとつぴんとこない。ある時、ふっと気づいた。カフカの本は受け身で読んではだめなのではないか、と。こんな「不条理」に自分が置かれた時に、この立場だったら自分はどうするか、どのように生きていくか、解決していけるか...という捉え方をした時に、自分の内面が浮かび上がってくる。自分の不甲斐無さに唖然とする時もある。

     最初は難解かもしれない。なんとなくわかってくるまでに時間もかかるかもしれない。けれどたまに一冊に向き合ってみるのもいいかもしれません。

  • う~ん、絵本にする必要あるのかな。

  • 作者が生み出した幻想の世界、孤独な思索、逃避行を求めているような3つのお話し。
    社会にスムーズに入っていけない、違和感もっている。それは自分がこくこくと変化しているせいかもしれない。

  • ある男が家に帰ると、部屋の中に巨大な卵があった。
    その卵からヒナが飛び出し、男はコウノトリと思い、育て始める。「大きくなったら、私を背中に乗せて、
    南の国へ連れて行け」と。この『恩返し』をはじめ、『初めての悩み』『羊猫』の3短編を絵本化しました。
    カフカの不思議な世界は一見難解ですが、絶大なファン層もいます。成長期にある青少年がカフカ入門のきっかけになればと思います。
    『ダレン・シャン』『デモナータ』のイラストで人気を博す田口智子氏がカフカ世界を魅力的に表現しました。(アマゾン紹介文)

    タイトル勝ち…だと思います。
    文章は(明るいなりに)不条理で、意味を考えるものなのかどうか。
    イラストは美しく、特に羊猫の描写は素晴らしいです。もふもふ。

  • はじめてのカフカ。(絵本だけど)。3つのお話が入っています。私は羊猫が好きでした。

  • 3つの短編が収納。それぞれ奇抜で独特の雰囲気をもっており、この後どうなるのかなげかえるようなかたちで終わっている。

  • 3つの作品がちょいとわかりやすい文章と絵入りで。まあ、それでも自分は理解できなかったですが……つまらないわけじゃなく、わけがわからないので惹かれますね。理解しようとして読んではいけないとわかっているんだけど……2度読んでふっと「恩返し」のこうのとりさんは南の国に……行ってないよね、きっと、想像が正しければ……ああ。
    ただし、漢字があって振り仮名もないので子供にはつらいです。

  • 『初めての悩み』がお気に入り。空中ブランコ芸人はすばらしい悩みをかかえています。

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