- Amazon.co.jp ・本 (48ページ)
- / ISBN・EAN: 9784097264514
感想・レビュー・書評
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15分以上
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27年度 (4-1)
15分以上(前半はあらすじのみ) -
全体的にハラハラした雰囲気が漂っています。それはストーブを売るくまさんが風の子がストーブを欲しいなんて、という禁忌的な行為を示すことから始まります。綺麗な表紙ですが、取り返しのつかないことをちょっとした好奇心でしてしまった風の子フーの悲しい物語。しかし、色々なことを知ることで体だけではなく、心も大人になっていくのだろうと感じました。
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寒がりの風の子フーがガラスのストーブを買う。
他の仲間に知られたくないので、森の中であったまっていると、ヒメネズミがやってきて一緒に暖を取る。
ひめねずみは料理が上手で2人は友達になり、お茶やスープを楽しむ。
今まで友達のいなかったフーには待っている人がいるというのはとても嬉しいことだった。
あるとき、風の女の子のオーロラがやってきて、フーは北の方にあるオーロラが見たくなる。
ひめねずみを置いていくことになってしまうが、どうしても行きたくなり、オーロラと出掛ける。
一方、ひめねずみの方は近くに仲間がいることに気づき、みんなで集まる。
時間が経って、風の子フーは大人になり、風の精になっていた。
ガラスのストーブのところまで戻って来るとたくさんのひめねずみにびっくりする。
あの料理上手のひめねずみのことを尋ねると、1匹がひいおばあちゃんのことね、と言う。
どこにいるのか尋ねるフーだったが、曾孫のひめねずみはもう死んでいることを教える。
フーにとっては短い時間でもひめねずみのとっては長い時間だったのだ。
大人になったフーにはガラスのストーブはとても小さく、ひめねずみたちのいる場所ももうフーのいるべき場所ではないと感じる。
フーはガラスのストーブとひめねずみの場所から去るのだった。
前から気になって読みたかった話。
ガラスのストーブのきらきらとした反射が目に浮かぶよう。
生きる時間の長さの違いは寂しい。
フーにとってはほんのちょっと出掛けただけでも、ひめねずみにとってはそれこそ一日千秋だったのだろう。
出掛ける前からそのことに気付いていても出掛けないという選択肢はなかったのだろう…。
寂しいけれどきれいな話。 -
みかん色のガラスのストーブ。あったかそうなきれいなストーブの表紙。ちょっとさみしいお話でした。
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安房直子の物語に降矢ななの絵なんて素敵に決まってる。
ひとことでいえば寒と暖。
飛び回る風の子とちいさなひめねずみ。
冷たいガラスに温かい炎。
温かそうな服をしっかり着こんだ寒そうな風の子。
子供の世界と大人になること。
絵も言葉も、相容れないものが触れ合って調和している。
異質なものが触れあったら、混じるにせよ混じれないにせよそのままではいられない。
ただ触あって知り合った時間は振り返ると奇跡みたいな一瞬。
絵も言葉も美しいから、切なさも美しい。
「これとこれ」はつながれなくても、「これとこれ」があったから「これ」が「あれ」につながっていける。
切ないし淋しいけど幸せで温かいお話。 -
美しい絵と美しい話。
冬に読むのにぴったり。
冬の寒さとストーブの暖かさ(ストーブ以外の暖かさも)感じられる。 -
ねずみのいのちは?
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オーロラの登場と風の子がいなくなるまでの展開がちょっと唐突な感じがするが、頭と終わりはじんとくる。