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- Amazon.co.jp ・本 (32ページ)
- / ISBN・EAN: 9784097266303
感想・レビュー・書評
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作者の刀根里衣さんのことは知らず、表紙の赤色のペンギンが気になって、図書館で借りてみたのですが、作品紹介に書いてあるとおり、物語というよりは、地球温暖化を考える、ひとつのメッセージとなっています。
物語のペンギンは84羽で、これは、京都議定書に最初に署名した84か国を象徴しており、温暖化でペンギンたちの氷のお家が溶けてしまい、引っ越し先を探しに、あちこち巡るのですが、その内容が、最初は噂話の想像で、色鮮やかな美しい世界が描かれているのですが、実際に行ってみると、真っ黒な荒れ果てた世界が現実でした。
それって、まるで、前者は、京都議定書の意義や目標を表していて、本来、こういう未来を望んでいたはずなのに、現実は、後者のような未来の地球の姿になってしまうかもしれません、という警鐘にも思われて、改めて、地球温暖化について、考えさせられるものがありました。
また、終盤の展開は、各国の首脳陣への信頼を未だ抱いているようにも思われて、それはそれで美しくもあるが、人任せでなく、私個人も、できることはしていかないとな、と思わせる意図もあるように感じられて、読んでよかったとは思いましたが、小さいお子さんには、ちょっと実感が湧かないかな・・・というより、物語として楽しめる要素が無いかも。詳細をみるコメント0件をすべて表示