ゴッホが挑んだ「魂の描き方」: レンブラントを超えて (小学館101ビジュアル新書 25 Art 9)
- 小学館 (2013年4月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (190ページ)
- / ISBN・EAN: 9784098230259
作品紹介・あらすじ
知られざるゴッホの真相に迫る
日本で常に高い人気を誇るポスト印象派の画家フィンセント・ファン・ゴッホ(1853~90)。彼については、激情にあふれた画家というイメージが、一般に広まっています。しかし実際には、非常に勉強熱心で、自己の芸術に対して真摯な考察をめぐらせる、沈思熟考型の思索者としての一面が彼にはありました。
そんなゴッホが自らの芸術を生み出す上で、最も手本とし私淑したのが、母国オランダの画家レンブラント(1606~69)でした。ゴッホは書簡の中で度々、自己の芸術の目標としてレンブラントに言及し、また、パリに出てからもルーヴル美術館で、熱心にレンブラント作品の研究にあたりました。一見、共通点など何もないような、闇の表現を特徴とする17世紀バロック絵画の巨匠の作品に、ゴッホは何を見出したのでしょうか?
「炎の画家」ゴッホが手本とし、乗り越えようとした「闇の画家」レンブラントの作品をたどりながら、ゴッホがそこから何を学び、いかにして「魂の画家」となりえたのか、知られざるゴッホの真相に迫ります。
感想・レビュー・書評
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著者の熱量がすごい。
ゴッホを通してレンブラントを見るのだが、改めてレンブラントが好きになった。
一気に読みました。
構成もうまいです。無駄がありません。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
逆境にあって徹底的に自分の内面に目を向け続けたゴッホの生き様と、「芸術の聖地としての日本」拠り所にヨーロッパの価値観を更新し、それを見事に体現した彼の作品には心が震えた。
あらゆる意思決定の基準を自己の内面とした彼らの姿勢は、現代の日本人にとっても示唆に富んだものであると思う。