ともいきの思想: 自然と生きるアメリカ先住民の「聖なる言葉」 (小学館101新書 87)
- 小学館 (2010年6月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
- / ISBN・EAN: 9784098250875
感想・レビュー・書評
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阿部珠理さんの本は、アメリカ先住民のことを伝えることだけではなくて、その人たちの接し方、そのときに失敗したこと、コミュニケーションとはどういうことか、ということまで教えてくれます。面白い。
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先住民をただ崇めるのでなく、如実に向き合ってきた足跡を印した本。著者には一貫した生き方=誠意があることを感じる。そう、嘘がつけないのだ。
だから、この本から、先住民の素晴らしい知恵や言葉を求めていると痛い目に会う。繰り返し、その苦境やいんちきさが記される。しかし、彼ら/彼女らの素の良さも感じる。
・「自然から離れると、人の心は固くなる」ラコタ族
・「人はそれぞれの歌を持つ」
・「(白人は)ものを永久に自分のものだと勘違いしておる。他人にやった後までも、自分がやったものと考えておる。ものは人のもとに必要なだけ留まっているだけじゃ。他に用ができれば、他のところへ行くのじゃ。ギブ・アウェイ(感謝の念からの与え尽くし)でもらったギフトは、自分のもとを離れるとき、本当の贈り物になるんじゃよ。」
・「われわれは、多くを望まない。ただ祖先墳墓の地で自然を友に、息絶えるまで静かに暮らしたいだけだ」byレッド・クラウン
・「悠久の大地は変わらず、ただ人だけが過ぎてゆく」 -
「今日は死ぬにはいい日だ」「足りることになっている」「持つに相応しいものは、自ずとやって来る」など、北米インディアンの言葉には自然から得た哲理を感じ引き付けられる。