ともいきの思想: 自然と生きるアメリカ先住民の「聖なる言葉」 (小学館101新書 87)

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  • 小学館
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感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784098250875

感想・レビュー・書評

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  • 阿部珠理さんの本は、アメリカ先住民のことを伝えることだけではなくて、その人たちの接し方、そのときに失敗したこと、コミュニケーションとはどういうことか、ということまで教えてくれます。面白い。

  • 先住民をただ崇めるのでなく、如実に向き合ってきた足跡を印した本。著者には一貫した生き方=誠意があることを感じる。そう、嘘がつけないのだ。

    だから、この本から、先住民の素晴らしい知恵や言葉を求めていると痛い目に会う。繰り返し、その苦境やいんちきさが記される。しかし、彼ら/彼女らの素の良さも感じる。

    ・「自然から離れると、人の心は固くなる」ラコタ族
    ・「人はそれぞれの歌を持つ」
    ・「(白人は)ものを永久に自分のものだと勘違いしておる。他人にやった後までも、自分がやったものと考えておる。ものは人のもとに必要なだけ留まっているだけじゃ。他に用ができれば、他のところへ行くのじゃ。ギブ・アウェイ(感謝の念からの与え尽くし)でもらったギフトは、自分のもとを離れるとき、本当の贈り物になるんじゃよ。」
    ・「われわれは、多くを望まない。ただ祖先墳墓の地で自然を友に、息絶えるまで静かに暮らしたいだけだ」byレッド・クラウン
    ・「悠久の大地は変わらず、ただ人だけが過ぎてゆく」

  • 「今日は死ぬにはいい日だ」「足りることになっている」「持つに相応しいものは、自ずとやって来る」など、北米インディアンの言葉には自然から得た哲理を感じ引き付けられる。

著者プロフィール

あべ・じゅり
立教大学社会学部現代文化学科教授。
福岡市生まれ。立教大学社会学部卒業後、
カリフォルニア大学ロサンジェルス校(UCLA)
大学院修了。博士(比較文明学)。
専攻はアメリカ先住民研究。
主著に
『聖なる木の下へ アメリカインディアンの魂を求めて』
(角川ソフィア文庫)、
『アメリカ先住民の精神社会』(NHK 出版)、
『アメリカ先住民 民族再生へ向けて』(角川書店)、
『大地の声 アメリカ先住民の知恵のことば』
(大修館書店)、
『ともいきの思想
自然と生きるアメリカ先住民の「聖なる言葉」』
(小学館101 新書)、
『NHK カルチャーラジオ 歴史再発見
アメリカ先住民から学ぶ その歴史と思想』(NHK 出版)
など多数。

「2016年 『メイキング・オブ・アメリカ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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