東京の副知事になってみたら (小学館101新書 88)

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  • 小学館
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  • Amazon.co.jp ・本 (190ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784098250882

感想・レビュー・書評

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  • 猪瀬さんの放言だが、極めて的を射ている

  • 本書を読んでいて気がついたこと。猪瀬氏も言っているように、国ができなくても都市だからできることがあるということ。COP15が不調だとしても、平行して行われていた市長気候サミットで世界80カ国の都市からの参加があったという。世界の人口の半分が都市に住んでいる現実があるならば、国家間の交渉が不調でも、都市間の連携で出来る事は少なくないということである。その他、首都である東京の役割もまた国内において少なくないということである。ただし、東京に在住している都民の通勤の負荷や住コストの高さを強いられながら、地方は補助を受け続ける構図は改めなければならない。

  • ここまで意識が違うのか?
    民と官 の差が浮き彫りになっています。

    多少大袈裟に書いてある気もしますが。

    民間からの目線が国や地方行政を
    変革する大きな要因であることに
    間違いはないだろうし、
    事業の民営化が利益の拡大や
    事業自体のグローバル化を推進させることも
    よく分かりました。勉強になる本です。

    「あいつは作家だから、一般人と考えが違うんだよ」
    そういう批判を時々耳にしますが、
    彼じゃなければ変えられなかったこと沢山ある。確かに変わり者であることに
    違いはないでしょうが、それ位がちょうど良い気もします。

  • 著者が東京都副知事時代の成長戦略が語られている。一番印象に残ったのは活字離れ対策。外国に売れるすばらしい技術があっても、対話ができなければビジネスにならない。論理的な対話技術が必要である。

    「活字離れ対策とは、読書力・対話力・言語力・歴史認識、その全体をいかに再構築するかということ。(本文より)」

    (論理的か否か)
    1.フィンランドの小学校で
    相手の言うことが分からなければ、おかしいとか間違っていると攻撃する前に、どういうことなのか?どうしてそう考えたか?教えて下さい、というべき。分かり合えない状態から自分と相手との間に理解を形成してゆくコミュニケーションが対話なのだ。(北川達夫氏)

    2.東ドイツのビジネス現場で
    交渉が日本に不利に進むのは、外国語での交渉というハンディではなく、日本側に交渉の組み立てや展開をどうすればよいか、という論理がなかったからだと気付く。国語に言語技術の指導が必要なのだ。(三森ゆりか氏)

  • 副知事ではなく知事になって(しまって)から、あわてて買って読んだ一冊。活字離れ対策についての記述は興味深かった。地下鉄はどうなる?

  • 猪瀬直樹の副知事成果報告書。
    彼が関わってきた東京都の事業(水道事業、空港、港湾、エコ、道路、教育、高齢者対策)の内容。
    現場の第一線で政策の是非を論じて戦わせてきたその武器は、直観とデータ。
    経験により得られた既得権益保持者や役人の心理、傾向を利用し、時に逆手にとり結論へと結びつける。
    積極的に政治家と関わり、意見を伝える姿勢、行動力には敬服すべきところがある。
    数字が多い。背景を持った数字には主張があり、彼の意見を代弁し、正当性をさらに強めている。


    ・参議院宿舎建設の会議めもと、官僚との口論

  • これを読むとなぜ彼が都庁の職員からよく思われていないかがよく分かった。①そもそも外様扱い②余計なこと言う
    水ビジネスやエコ戦略、高速道路と個別の事案は背景や今後の展望が展開されているんだけど、大局観が無いなぁと思いました。まぁ副知事なので大きな事書いて石原さんと意見が違ったりすると面倒だから、という配慮だろうと思うけど。
    この本で読んだ猪瀬さんの考え方は共感できるけど、石原都政の継続と考えるとどうだろうね...

  • 副知事になって以降の行政の仕事を、サラっと紹介している感じ。
    読むのが遅かったせいか、内容についてはほとんど知っているプロジェクトの話で驚きとかは無かったものの、
    とにかく考えると同時に実行する、小さなデータを積み上げてゴールへの道筋を浮き上がらせる、その一貫した姿勢は見習うべきなんだろな。

  • 言葉の力に続けて猪瀬直樹さんの本。現在社会の構造を、こうした本で少しでも理解する人が増えれば、いずれ世の中は変わらざるを得ない。事実Twitterの存在が、メディアを補完して、こうしたオピニオンリーダーと一般の距離を縮め、相互理解を深め、社会を変えていってる。

  • 作家は行政の現場でどう格闘したか。本書は東京都副知事である著者が3年間の活動を綴った本である。首都東京の仕事や著者の危機感を窺い知る事が出来て、面白い。

    本書は中からみた東京都であるがこの間、外からみた東京都を知る事が出来れば、なお良いのにと思います。

著者プロフィール

猪瀬直樹
一九四六年長野県生まれ。作家。八七年『ミカドの肖像』で大宅壮一ノンフィクション賞を受賞。九六年『日本国の研究』で文藝春秋読者賞受賞。東京大学客員教授、東京工業大学特任教授を歴任。二〇〇二年、小泉首相より道路公団民営化委員に任命される。〇七年、東京都副知事に任命される。一二年、東京都知事に就任。一三年、辞任。一五年、大阪府・市特別顧問就任。主な著書に『天皇の影法師』『昭和16年夏の敗戦』『黒船の世紀』『ペルソナ 三島由紀夫伝』『ピカレスク 太宰治伝』のほか、『日本の近代 猪瀬直樹著作集』(全一二巻、電子版全一六巻)がある。近著に『日本国・不安の研究』『昭和23年冬の暗号』など。二〇二二年から参議院議員。

「2023年 『太陽の男 石原慎太郎伝』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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