それでも食料自給率100パーセントは可能だ: 天才農業研究者のシナリオ (小学館101新書 101)
- 小学館 (2011年2月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (222ページ)
- / ISBN・EAN: 9784098251018
感想・レビュー・書評
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著者独自の永田農法という手法を使って、今後の日本の農業をどうしていくべきか、についてその分野で有名らしい人との対談をまとめた本。
農作物は潤沢な栄養、肥料を与えて育てるのではなく、逆に肥料を与えずに育てるべき、ということが考えの中核にあると思う。
これにはある程度頷ける部分もある。
生き物を育てる上で、過保護すぎる現代だからこそ頭の片隅には置いておきたい。
また、家庭菜園がもっと一般化すれば、消費者に良いものを見分ける力が着く、と言っている。
これも他分野について考えてみれば頷ける。
システムを発注する際にはする側にも知識がないとぼったくられる。
野菜も同様だ。
他にも
・農業人口はどんどん減って構わない。やる気のある人だけがやればいい。
・日本の農業従事者が老人という点、人口の減少から日本は一人当たりの農地の広さが増える
など以外にも競争を通して農業の発展を望む様子が読み取れる。
そして日本という土地にはそれだけの力があると言う。
大まかな考え方は賛成だ。
詳細は門外漢なので判断が出来ない。
ただ、今の保護政策によって計画経済化している様子は力を削ぐことは間違いない。
早く農業政策の方向転換がなされることを望む。 -
GPS応用農業ロボットが実用化されれば、種まきも自動、草取りも24時間ロボットがやる。農業は辛いものという印象があるが、このロボットのおかげで、農業は若者にとっても魅力のある仕事になるかもしれない。
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現在の就職状況の悪化には農業の自由化、株式会社化が必要ではないかと思っている。それにより、安定した賃金、社会保障、技術と品種改良の向上、市場原理による野菜価格の低価格化、海外輸出などができていいんじゃないかと考えた。
その考えは間違っていないと思うが、この本を読んで一つ考えを改めたことは「農業が就職の受け皿になればよい」ということ。筆者はやる気が無い者の農業は、真摯に農業に向き合っている人への侮辱である。やる気のある少数による大規模農業が必要であるという。
確かにその通りだ。その考えに恥じ入る思いがした。