日本の迷走はいつから始まったのか 近代史からみた日本の弱点 (小学館101新書)

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著者 : 小林英夫
  • 小学館 (2011年4月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (319ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784098251070

日本の迷走はいつから始まったのか 近代史からみた日本の弱点 (小学館101新書)の感想・レビュー・書評

  •  歴史叙述は、なんのために語るかによって、その時間と空間の設定が変わってくる。当然、歴史学の研究者は、あるゆる時間と空間の組み合わせを考えたうえで、もっとも効果的に語ることのできるものを選ばなければならない。しかし、現実には、そのようなことができる研究者はいないので、専門とする分野の時間と空間を拡げたり狭めたりして語ることになる。ところが、狭めるのはさほど問題がないのだが、すこし拡げただけで狭い範囲でしか歴史を語ることのできない研究者から、総攻撃を受けることになる。

     専門外に視野を拡げれば、原史料を読むこともなく他人の研究成果に頼ることになり、その参考文献もすべてを読むことはできず、信頼できると思った代表的なものにも正しくない記述があったりする。その結果、わずかな事実の間違いや誤解を招く表現からすべてが信用できないと評価され、こんなことも知らないのかと勉強不足を指摘されて「書く資格がない」と非難される。また、幅広く考えるためにいろいろな見解を紹介すると、主義主張がなく、危険な歴史修正主義者だとまでいわれる。指摘はごもっともなことが多く反論しにくいが、ちょっと考えれば短所より長所のほうが大きいことに、良識ある研究者なら気づくだろう。ましてや、研究者がすくなく、あまり書かれることのない時間と空間の設定で書かれたものは、書くこと自体冒険で、たとえ捨て石になっても、その意義は大きい。

     著者の小林英夫は、そのあたりのことを充分に認識しているので、「おわりに」でつぎのように述べている。「先の見えない現在の状況に対して、文学者や哲学者、文化人類学者などからの発言はあっても、歴史家の発言が見られないのはいかがなものかと思う。昔は「歴史家」がいたが、今は「歴史研究者」しかいないのだろうか。「ほかにできる人はいないでしょう」と言われ、おだてと知りつつも重い腰をあげて執筆に取り掛かったという次第である」。歴史家の「冒険」を妨げている一因は、視野の狭い「歴史研究者」にある。

     本書は、「迷走」する日本の姿を憂い、日本再浮上のカギを日本近現代史のなかに見いだそうと、つぎのように述べている。「現在の未曾有(みぞう)の危機を切り拓く知恵は、日本がこれまで歩んできた近現代の歴史そのもののなかにある。過去の教訓から学んで未来を見つめる、というこの普遍的とも言える解決策以外に、この迷走を離脱する解は見当たらない。本書は、そのために日本近代の歴史を見直そうというものである。しかし、ただ見直すのではなく、現状の国難を克服する方策を求めるには、それなりの方法が必要である」。

     そして、4つの方法を具体的にあげている。「まず第一にそれは、通史であるべきだ。たしかにある特定の問題に関して詳細な研究史はしばしばお目にかかる。しかしここ一〇〇年、二〇〇年を通した歴史書にお目にかかることはまれである。...数人の共著者で描く通史や数冊の連続書で通史というのは、本当の意味で通史ではない。一人の著者がある特定の歴史観に基づいて描いてこそ、初めて通史の名に値するのである」。「第二には世界ルールの推移に焦点を当てる必要があると考える。個別の事象にとらわれてそれに埋没するのではなく、歴史を動かしてきた力を考えるべきだと言い換えてもよい」。「第三は、日本の国家戦略を描き、その強さと弱さを浮き彫りにすることである。明治以来の日本の戦略の基本的特徴は、前述した世界ルールをすばやくキャッチし、時の最強国と結んでその同盟国として東アジアの覇権を確立・拡大していくことだった」。「第四に、二一世紀をいかに生き抜くかを提示することである。国家としては、ハードパワーよりはソフトパワーを重視して複眼的な外交を駆使して世界に貢献していく道を考えていく。人類的課題としては、戦争ではなく共生を基調とし... 続きを読む

  • 世界ルールへの対応。ソフト力。

  • the author's viewpoint is objective and neutral.
    his opinions are convincing. For example, he argues that Japanese politicians did not understand the change of international rule after World War 1. Britain became weak and instead the US got power. Moreover, diplomacy is done in League of Nations instead of bilateral talk. Japan was reckless enough to leave Legue of Nations in 1933.
    Kobayashi, the author, points out the poor diplomatic power of Japanese politicians once and now.

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