オリオン座はすでに消えている? (小学館101新書 152)

著者 :
  • 小学館
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感想 : 19
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  • Amazon.co.jp ・本 (222ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784098251520

作品紹介・あらすじ

冬の人気星座、オリオン座の1等星ベテルギウスに超新星爆発が迫っている。ベテルギウスの直径が変化していること、形がでこぼこしていることなどから、星の晩年を迎えていることがわかっており、最後に大爆発を起こしてその一生を終える。地球から約640光年とかなり近く、太陽の1000倍の直径を持つ巨大なベテルギウスが超新星爆発すると、3〜4か月の間、満月の100倍のまぶしさで輝き、昼でも見える。そして4年後には肉眼では見えなくなり、巨人「オリオン」は右肩を失ってしまう。ベテルギウスとはどんな星なのか、超新星爆発とは何か。宇宙の謎の解明にもつながる"稀代の天体ショー"に迫る。

感想・レビュー・書評

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  • ベテルギウス減光のニュースを受けて手に取った本。とても分かりやすいし、市井の人に理解しやすいように心配りがされているけど、専門的なことが抜けているわけでもない良書だった。
    生きているうちに見られたらいいな、超新星爆発。

  • 星の晩年を迎えているオリオン座のペテルギウスは超新星爆発を起こすかもしれない。640光年離れているので、我々が見ているのは640年前の姿であり、もうすでに消えているのかもしれない。超新星爆発から最新の宇宙論まで言及したとってもわかりやすい宇宙の本。

  • 面白かった〜♪ 規模が大きすぎて想像をはるかに超える事だけど、全く未知の事ばかりで、へ〜、そーなんだー、ばっかり。ペテルギウスの超新星爆発は我々の生きている間に起こるのだろうか?三鷹の天文台に行った時の事を思い出した。

  • まもなく寿命を迎え超新星爆発をするといわれているベテルギウス。果たして新星爆発が起こったらどうなるのか? 素人にも分かるように書かれていて、とても楽しく読むことが出来ました。
    でも、一番ワクワクしたのは最終章で語られる、宇宙で生まれる物質を知ることが生命誕生の秘密を紐解くことに繋がるという話です。人類には過酷な宇宙空間にその答えが隠されているなんて、極上のミステリではないですか。
    宇宙生物学の本を読んだときにも、進化の謎を解明するのはこの分野かもと感じましたが、改めて、宇宙を知ることが大切なんだと痛感しました。

  • 星空、天文学が好きな自分にとってオリオン座のベテルギウスがいつ超新星爆発するのかとっても興味がある。そんなこともあって本書を手にとってみたが、本書はとても分かりやすく説明をしてくれていた。宇宙の始まりや、ダークマター、ダークエネルギーの話、とても興味深い。これから星空宇宙天文検定を受験する自分にとってはこれまた、とても勉強になる一冊でした。

  • 冒頭に描かれるベテルギウスが超新星爆発を起こした日の架空レポートに興味をそそられたが、本書は宇宙や天体に関するまっとうな解説本。恒星の仕組みや生涯から未知のダークマターまで一通りの宇宙論を一般向けに簡潔かつ易しく説明していて、入門書として最適。
    それにしても、一時期、今にもベテルギウスが超新星爆発するかのように報じられたが、本書は、それは明日かもしれないし、少なくとも100万年以内には起きると宇宙スケールに説明してくれる。オリオン座がオリオン座っぽくなくなるのはさびしいが、生きているうちに、この目でベテルギウスの超新星爆発を見てみたい。

  • 七夕の夜には、こんな本を。
    「織姫星」は、こと座のベガで0等星。「彦星」は、わし座のアルタイルで1等星。それぞれ、地球から わずか25光年と17光年の近距離にあるから明るく輝いて見える星です。640光年のオリオン座のベテルギウス。超新星爆発が迫っており、いつ爆発してもおかしくない。今見えている光は640年前の星の姿であり、実はとっくに爆発しているのかも知れない。そんなことを七夕に考える人は、、、やっぱり変人でしょうね。

  • ひとつの星(オリオン座のベテルギウス)に焦点をあてて
    天文学など全くわからないが、とてもわかりやすく読めた。
    もし、ベテルギウスが爆発したとしても(確実に爆発するららしい)私たちの目に届くのは640年後ということだから、星の輝きはまさしく、遠くはかないものであるのだな、とこれから夜空を見上げることが増えそうだが、都市に住んでいると輝く星も数えられる程度しか見えないのが悲しい。

  • オリオン座のベテルギウス(三ツ星の左上の1等星)は、人類が観測し始めた1000年前の時点から既に星の寿命の末期の状態(赤く巨大化)だった。
    そしてこの星は、地球から640光年離れており、現在見えているのは室町時代ごろの星の姿である。よって、既に超新星爆発して消えているかもしれない。
    という話をつかみネタに、星や太陽系が生まれてから死ぬまでのサイクル、宇宙の誕生などの最新学説を分かりやすく説明してくれる宇宙入門。

    小学生の息子たちに、宇宙の成り立ちや、宇宙の果てはどうなっているのか、などを聞かれることがあるのだけど、間違った答えを言いたくないので勉強のため読んだ。
    この本の良かったところは、
    ・恒星までの距離、星の一生のサイクル、恒星の温度と明るさの散布図グラフなどの図が要所要所で掲載されているので、イメージしやすかった。
    ・宇宙に関する理論の紹介だけでなく、どういう観測結果の積み重ねからそういう仮説が生まれたのか、まで丁寧に書かれているところも分かりやすかった。

    僕自身、そこまで宇宙に深く興味を持っているわけではないけど、著者の言うとおり、
    宇宙誕生の謎を突き止めることは、私たち生命のもと(元素や素粒子)がどこからやってきたのかを知ることであり、人類共通の夢。
    そして、宇宙の広大さ、誕生から138億年という時間軸の果てしなさを思うと、自分一人や人類・地球のちっぽけさを感じ、小さな悩みごと・争いごとはどうでもよくなってしまう。
    宇宙を知りたいと思う知的好奇心の意義は、そういうところにもあるのかもしれない。

    初めて知って驚いたこと

    ・恒星の寿命が尽きて超新星爆発し放射線(ガンマ線)が直接地球にあたると、生物が大絶滅する(過去の地球でも、4億4400年前のオルドビス紀末に57%が絶滅)。しかし、ベテルギウス超新星爆発が起こる際は、20度角度がずれているので、おそらくセーフ。

    ・恒星の一生のサイクルは質量で3種類に決まる。太陽は一番軽いグループであり寿命は100億年くらいだが死ぬときは爆発はせず、膨張して地球などを飲み込み、最後は冷えて暗い星になる(今は46億歳なのであと50億年後)。一方、重たい恒星は数百万年で超新星爆発してブラックホールになる。太陽の方が燃費が良く長生きするということらしい。

    ・最新の宇宙誕生説(ビッグバン説など)が出来るまでの経緯も簡単に紹介されており、以下のような経緯とのこと。様々な科学者が世代を超えて理論を積み重ねていった結果、今の学説があるのだことを知り、感動した。(一つ一つの物理化学現象までは理解できないけど)

     (1)1929年ハッブルが、望遠鏡での観測結果(遠くの銀河から来る電磁波ほど波長がずれている)から、ドップラー効果でより速く遠くに遠ざかっている、つまり「宇宙が膨張している」ということを発見。
     (2)1948年ガモフが、現在の元素分布から宇宙誕生時の分布を予測すると、最初は水素92%・ヘリウム8%でないと辻褄が合わない。その割合であるためには、宇宙が高温高圧の火の玉状態であった必要があると予想「ビッグバン理論」。(ちなみに、発表当時、他の学者がこの理論をバカにして言った「ビッグバン」という言葉が、証明された後に正式採用されたらしい。)
     (3)1964年ベンジアスとウィルソンが、無線実験の際、どの方向からもノイズが入る「宇宙背景放射」があり、そのマイクロ波が放出された時の宇宙温度はマイナス270度であることが分かった。その状態が発生するためには、宇宙が膨張状態から冷えていった「宇宙の晴れあがり」という状態が必要であり、「宇宙のはじまりには、ビッグバンのような高温状態がなければ説明できない」と結論。
     (4)1980年に佐藤とグースが、ビッグバン状態になる前に爆発的な空間の拡大が起こったという「インフレーション理論」を発表。(ここの説明はあまり無かったので、なぜそれが有力説になったのか理解できず)

  • 14/1/9読了

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著者プロフィール

1961年生まれ。自然科学研究機構国立天文台准教授、天文情報センター普及室長。専門は天文教育。東京学芸大学大学院教育学研究科理科教育専攻修了。総合研究大学院大学准教授を兼務する他テレビやラジオ等でも活躍。

「2015年 『星の王子さまダイアリー2016』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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