覆す力 (小学館新書)

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著者 : 森内俊之
  • 小学館 (2014年2月3日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (219ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784098251957

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覆す力 (小学館新書)の感想・レビュー・書評

  • 本書は森内俊之名人の自伝であるが
    タイトル通りいかに劣勢だったりライバルに巻き返すかを主眼にして
    あくまでも森内と羽生のライバル関係を中心に描いている
    つまり羽生という先行者がいてそれをどうやって追いついたり、巻き返すかであるが
    本書はとにかく羽生愛があふれ出て羽生という存在がいなかったら森内はいったいどうなってたのだろうかと思うぐらい
    羽生という存在の偉大さが余計にわかる

    森内の将棋哲学は一端が描かれていて
    勝つためにはどうすればいいのか
    人間だから一度のミスは仕方ないし取り返れるののであるが、そこで二度目のミスは絶対に避けるのである。
    二度目のミスは取り返しが利かない。逆に言うと二度目のミスをしない限り結果が付いてくる可能性が高い。
    そうやって勝っていけるのである。

    また結構というかかなり合理的な考えをもって将棋を指しているところも意外で森内が強い理由もなんとなくわかる

  • プロ棋士が書いた本はこれまで何冊も読み、それぞれに教えられる点があったが、森内さんのこの「覆す力」は本当に掛け値なしに面白い!森内さんのまじめで、まっすぐで、それでいてひょうひょうとしておちゃめなキャラクターが存分に現れていて、将棋を指すことはなくてもプロ棋士のキャラだけで将棋を見ている筆者のようなタイプにも全く抵抗なく飛ばす箇所もなく読むことができた。森内さんの将棋への向き合い方、考え方には将棋とは異なる仕事にも通じる普遍性、強さがある。電王戦などで最近の将棋(人間対コンピュータなど)に関心がある人には必見の書。

  • 将棋棋士と言えば、羽生善治先生くらいしか知らないという方も多いでしょう。
    この本の著者・森内俊之先生は、羽生先生と同年代で、小学生の頃からのライバルなのです!

    40代になって竜王・名人というタイトルを手にした著者の勝負哲学は、合理的かつクール。
    ドラマチックな逆転の好手に対しても、「プロ棋士の対局で驚くような逆転が生まれるのは、相手が致命的なミスをしたときだけだ」とバッサリ(笑)
    (タイトル戦二日目の昼食にカレーを食べる理由も解説されてます!)

    その一方で、ライバルの羽生先生への思いは強い。本当に強い(笑)
    数えてはいませんが、平均すれば見開きに1回くらいのペースで「羽生さん」と言ってるんじゃないだろうか?

    その他、おもしろエピソードもちりばめられています。
    ・将棋教室に入ったばかりの頃、持ち駒を見られないよう隠していた
    ・対局に負けた悔しさのあまり、千駄ヶ谷から横浜の自宅まで走って帰った

    最後に、お気に入りの一文を引用します。
    「私は遠くを見ることをやめて、一歩一歩足元を固めながらしっかりと歩くようにした」
    大きな目標を意識しすぎると、かえって何も手につかなくなりますもんね…!

  • 森内十八世名人も超一流ではあるが、凡人の自分にとっては羽生十九世名人よりも近い存在だろう。
    最近の羽生さんの著作は、「場」や「空気」について語ることが多く一種神がかっている。
    それに比べると森内さんは人間らしい。

  • 将棋は全然知らないのだけど、面白く読み進められ少し知識がついた。森内さんもなんとなーーく顔を知ってる?という程度でなぜこの本を読もうと思ったかは既に謎。私は深く考えるの苦手だから将棋も出来ないんだろうなぁ~(´・ω・`)

  • 人生の一時期の、ある出来事、ある時期をどう捉えるかは、本当にその人の個人的な営みだなと思った。奨励会に入ったことと、奨励会を卒業してプロになったことが、彼にとっては同じ程度の難しさで、でも、ほんの数頁で記述が終わっている。26歳の年齢制限ぎりぎりで、あるいは特別枠で社会人からプロになった人たちは、その数頁のところを1冊の本にしている。あるいは奨励会に入れなかった人たちは、将棋関係の本を出していないだろうけれど、そこを1冊にできるほど、人生を見つめ、人生の転機と思うのだろうな。

  • 勝負の世界に生きる人たちの考え方や習慣に興味を持って、羽生さんの「迷いながら、強くなる」の直後に読みました。私が完璧主義で打たれ弱い人間なので、厳しい状況でも前に進み続けるためのヒントが得られれば、というのがこの本を手に取った動機のひとつです。

    自分を知って、受け入れ、自分に合った努力していくことで道が開けた、というのが本書の一番のメッセージだった気がします。そのためにはやはり余裕や自信は大事だな、と思いました。成功7割、失敗3割という言葉が出てきましたが、失敗との付き合い方、成功体験の作り方を私なりに考えていきたいです。

    「ビジネスに役立つ勝負哲学!」というあおりから想像していたよりも自伝の色が濃い本でしたが、失敗談やその時の心境などもたくさん書かれており、永世名人というすごい人を少し身近に感じることができました。

  • 森内俊之先生の本、面白い。謙虚な人柄だが、妙に熱い一面も。羽生先生や森内先生、佐藤先生など理系的な人の人の棋界での活躍が、将棋の歴史を塗り替えた事は確か。あ、負けました。

  • 少し前に、森内俊之が会社の同期の中高生時代の同級生ということを知り、それもきっかけとなって読んでみました。

    羽生善治の本を読んだ時には、「キレ」のようなものを感じましたが、森内俊之は、ひたすら謙虚で、この本からは、「キレ」のようなものはほとんど感じませんでした。
    きっと、まったくタイプが違うんでしょうね。

    将棋などで、強い者どうしが対戦するとき、同じ場面では同じように考えるものだと思っていたのですが、まったくそうではないのですね。
    言われてみれば納得ですが、新鮮な驚きもありました。

    ちなみに、タイトルの『覆す力』は、あまり中身と関係ないですね。
    強引に結び付けられないわけではないですが。

  • 第18代永世名人でもある森内俊之の一冊。

    彼が俗に言う羽生世代という同世代の強豪ライバルに中でもまれ、そして苦悩しつつもトップ棋士に上り詰める様子がよくわかった。

  • 将棋ってすごいな、羽生善治ってすごいんだな、と

  • 一読して森内名人の円熟した人間性を感じました。謙虚に将棋に取り組み、敬い、親しんできた人生なのだな、というのを感じます。

    将棋は完全な個人戦。

    「勝負をひっくり返す妙手はないが勝負をひっくり返すミスや悪手はある」

    「ミスは一回までなら取り返しがつくが二回やると取り戻せない」

    「負けてもいい。負けるときは次につながる負け方をするべき」

    羽生世代といわれる名人。羽生名人の強さ、棋風についても触れられていて、「これといった印象的な手はないのだがいつのまにか自由自在に局面をあやつられ、最後に負けてしまう」「羽生名人がミスをしても、実は何か意図があるんじゃないかと深読みしてこちらが自滅してしまう」と。

  • 共感・参考になる点もある一方、勝負の世界での緊迫感・心理など、まず一般の人が経験することが無いような点も書かれている。
    カレーの話、やりきれない思いから千駄ヶ谷から横浜の自宅まで走ったエピソードが森内さんらしく印象的。

  • 森内竜王(前名人)による将棋人生の振り返り。過去の名人戦でどんなことを考えて指していたのか、不調のときにどんなことを考えていたのか等がわかって興味深かった。将棋に興味のない人にはつまらないかも。

  • 同い年にうんと強い人がいるということは、幸せなのか不幸なのか、まったくわからないけど、それに負けたくないという強い気持ちがあれば、きっと上にいけるはず。

  • ○棋士の森内氏の作品。
    ○著者自身の将棋歴を振り返りつつ、各対局においてどのような心境でいたのか、どのような訓練をしたのか、ライバルに対してどのような思いを持っていたのかなど、著者の思いや経験をまとめた作品。
    ○みじかに天才と呼ばれる人がいるなかで、どのようにモチベーションを保ち、そして、ライバルを乗り越えていったのかという点は、将棋の世界とは別の部分でもたいへんに参考になる。面白かった。

  • 「2回目のミスが致命傷」 「大事なのはすべてを出し切ること」 東大に入るより難しいという「奨励会」をくぐり抜けた、 プロ棋士の世界の、「名人」のエッセイです。 (名人はボクシングのタイトルと同じ仕組みで、現在は羽生義治が名人に返り咲いています。) 将棋の世界に生きる方の話は、一見関係なさそうに見えて、 「勝負する」という点で共感できることがありました。

  • 家族のリクエストにより借りたので読んでみた。
    将棋は全然わからないので、読んでいても、読み方すらあやふやな言葉がチラホラ…。そんなレベルの読書ではあるが、文章は平易で読みやすかった。
    タイトルから自己啓発本のようなイメージを受けたけど、それほど大げさなものでも、特別なことが書いてあるわけでもない。羽生さんという存在の大きさ、トップ棋士に君臨し続けることの厳しさが印象的だった。
    じょうせきって言葉があるが、囲碁では定石だけど、将棋では定跡なんだね。知らなかったわ。

    夢のような一発逆転はないが、逆はありうる。だからこそ焦らず、ミスをしないように、一手ずつ丁寧に進めていかなければならない。定跡はあるが、そこを外れたときに真の力が試される。(P179)

    私にとって、敗戦は勝利のための必要経費のようなものだ。棋譜で見ているのと、実際にやって負けるのとでは、まるで違う。知識と経験は別物だ。(P200―201)

  • 非常に面白く読めました。

    森内と羽生は同じ年。90年代中頃には7冠までなった羽生を目指し、いかにモチベーションを上げ、永世名人になったのか、その理由がわかる気がする。

    特に、佐伯先生、吉田先生に敗れた際のエピソード。非常に印象的でした。
    また、カレーライスを二日目の昼食で食べる理由、島研でのエピソードなども、またしかり。

    自分も、来年の大会まで、もう少し精進しなければ。

  • 将棋にはまった。
    第一線で活躍している人の言葉で、説得力がある。こんなに凄い人でも悩んだり、自信があったりなかったり、願掛けたり、同じ人間なんだなと思った。それぞれの場面での心理とかもあって、面白かった。人間模様。
    自分の特徴に気付き、適切な努力をすること。
    スランプの時期をどう捉えるか。一回目のミスを許容する余裕。失敗は勝利のための必要経費。
    中国で洪水の被害を最小限にとどめるために洪水が起きそうだと堤防を決壊し、いくつかの村を犠牲にしたのが、決断の語源。

  • 今の時代の棋士の方はどの人も、羽生さんを意識の外には置けないんだな、ということが改めて感じられました。

    それにしても森内さん、対局に敗れた後、横浜の自宅まで30km近くを走って帰ったというエピソードには驚きました・・すごい体力・・。

  • 挑戦者として自分らしく戦い、できるだけのことはやろう。
    偶然にそうなることはない。
    人を見て焦ることはない。ここでの苦労はいずれ報われる。
    悪い時期が続くということは、そのあとにいい時期が来るということ。
    好調期も不調期も常にチャレンジを心がけ、進化する気持ちを忘れない。

  • 森内さんの将棋観。正直な、将棋に対する姿勢。勝ちにこだわるのではない学者肌を感じる。

  • 正直いってあまり一般受けしないような内容に感じました。将棋のことにある程度興味がある方でないと楽しめないかも。結局のところ、自分の特性を知り、地道に積み重ねていく、ということでしょうか。

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覆す力 (小学館新書)の作品紹介

大器晩成の竜王名人が明かす半生と勝負哲学

小学六年生で、羽生善治(現・三冠)、佐藤康光(現・九段)らとともに奨励会に入会。16歳でプロ棋士昇格、25歳での名人位挑戦は、棋士として順調な経歴と言えた。しかし、名人戦の相手・羽生善治はそのとき七冠王になっていた!
実績で水を空けられた相手に、何を考え、どう戦ったか。雌伏のときに思索を深め、研鑽を続けた著者は、30代以降、雄飛のときを迎える。30代で初めて名人となり、羽生より早く永世名人の称号を得て、40代で渡辺明から竜王位を奪取。若手が有利と言われる竜王位を40代で奪取したのは、史上初の快挙だった。現在は竜王・名人という、棋界の2大タイトルを保持する著者が明らかにする、半生と勝負哲学。世評を覆し、差を覆す秘訣は、己を知ることと、敗北に謙虚に学ぶことにあった!


【編集担当からのおすすめ情報】
何かをなそうとするとき、巨大な壁や、手強いライバルなどは必ず存在するものです。現在は竜王、名人という棋界の2大タイトルを持つ著者にとっても状況は同じでした。プロ棋士としての道の前方には、小学生以来の知己である羽生善治さんが常にいて、脚光を浴びていました。羽生さんが七冠王のとき、著者は名人戦で挑んだものの敗れ、その後しばらくタイトル戦から遠ざかります。しかし、その雌伏の期間が後の雄飛につながります。将棋ファンのみならず、広くビジネスパーソンにも役立つ、生き方と深い思考の本です。

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