国境のない生き方: 私をつくった本と旅 (小学館新書)

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感想 : 256
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784098252152

感想・レビュー・書評

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  • だいじなことがたくさん書いてあった。本を読んで、旅に出て、対話をして。審美眼を鍛えて。失敗しても、へこたれそうになっても、好きなほうへ。おもしろいほうへ。死ぬまで。

  • おもしろかった。地球が大好き、という自然に対する気持ちと、古代への興味が自分と近いところがあった。古いもの、と一言で言っても、仏教とかキリスト教よりも、自然の中から哲学や思想を生みだしたアニミズムの考えが好き。それが近いように感じた。あとは定住より遊牧民気質なところも。

    ただ、人間の捉え方が人間は汚い、とか、性悪説、とかいうのは違った。彼女の母が、電話のリース詐欺に引っ掛かりかけたけど、気にせず「良い人だったわよ」と言っていて怒った、というエピソードがあったが、自分はそれに近いと思った。この人が悪い、と言ってしまったら世の中に悪が増える。いいじゃない、素敵じゃない、そう捉えることが、悪らしきものと戦う術である気がする。

    旅に出よう、という姿勢はいいのだけれど、日々にとらわれている人たちへの批判があまりうまくいっていないように感じた。ゆとりとか、さとりとか、メディア批判とか、既視感のある視点がいくつかあった。大人の昔はよかった論調はどうにかならないのだろうか。そんなことを言われても、その若者を取り巻く環境を作ってきたのはあなたたちでしょう、と思う。結局人は、自分自身の否を誰かに擁護してもらいたいのか。今の世に納得のいかないところがあるとしたら、それはあなたが生きてきた年数の中で、周りの環境なり、自分の見方なりを、変えることができなかったことが原因だと思う。

    あとは、清貧への美化にも違和感があった。貧しくなければ芸術はできないのか。そんな考えは時代遅れであると思う。一部の富裕層が存在したこととの対だったのでは。今の時代、お金があっても、海外に行かなくても、一歳で孤児にならない人でも……きっと何かを生み出すことができる。才能じゃないし境遇じゃないし、スタートラインはみんなが平等だと思う。

    才能のせい、境遇のせい、時代のせい。そういうプロパガンダは心のわびしい権力者の浅ましい金儲け商法の一部なのではないか。

    生きていい、生きていられるから生まれてきた、この考え方から元気をもらうことができる。旅の本というより、人生観や生き方の本なように感じた。

  • 狭い世界にとらわれず、広い視野で地球全体、いや、宇宙ベースで物事をみれるようになりたい!と思わせられました。
    マリさんの人生は波乱万丈すぎて真似できるかと言われれば難しいけど、死ぬときに「生ききった!」と思えるのはきっとそういう人生なんだろうなあ〜

  • テルマエロマエで有名な著者が人生を振り返った自伝。
    著者は母の影響で北海道の釧路湿原で野生児として幼少期を過ごし、14才で欧州をひとり旅した特異な過去を持つ。
    この本の特筆すべき点は上述したように日本人でありながら海外と関わりの深い国際人としての生きた知識と経験を持つ著者ならではの鋭利な視点で閉鎖的な考えを一蹴している所にあると思う。
    日本人としてのみならず人間という地球に住まう一介の生き物としてのマクロな視点を持っており、常に俯瞰的に枠を超越して生きることが必要であることを再認識させられた。著者が人生を情熱的に楽しんでいることが文章からも伝わり、また様々な本の紹介もあるため単なる自己啓発本より元気付けられ知的好奇心を掻き立てられる一冊。

  • 明るく、思う通りに生きているのね、読書量も凄いわねー

  • 心と身体を解放して生きるということは
    このヤマザキマリさんのような生き方をいうのでしょうね

    この世界が、どんなに広いか。
    生きると言うことは、
    そうやってあらゆる扉を開け放つこと。

    その言葉を言い切り
    その言葉どおりに生きていく

    憧れはするけれども
    なかなか
    そこまでの境地には至れませんよね

    マグロのような人生
    苦しみもたっぷりありそうだけれども
    それをはるかに上回る
    楽しみがあるのでしょうね

  • KLの紀伊国屋にて発見。タイトルにひかれて思わず一気に読んでしまった。
    読み進めると、これは「テルマエロマエ」の著者であることに気づく。
    本の虫であるだろうと感じさせる巧みな表現と綴りでマリさんの半生にタイムスリップする。

    I found this book in Kinokuniya book store in KL. The title seized my attenntion and I couldn't help but stop reading it standing there.
    While reading it, I realized the author is Mari Yamazaki who wrote Terumae Romae, which is famous comic in Japan.

    From her expression and writing, I could find that she is a book-worm. I could slip into half her life easily.

    「テルマエロマエ」を読んだとき、うーんこれはニュータイプだと思ったのを覚えてるんだけど、このマリさんの苦悩の連続を知ると、マリさんだからこそ作れた世界なのだと頷ける。

    アウトプットは、その人の人生そのものである。

    価値あるものを産み出せる人は、並々ならぬ苦労と挫折を体験していて、そこから簡単に這い上がれることはなく、そのもがきの中で自分なりのアウトプットに繋がる決定的な何かに出会っているのだと思った。

    この本の中でいくつか興味を持った作品があったので、読んでみたい。

  • 白井さんが亡くなるところはジーンとくる。
    他にも元気もらえるストーリーとか満載。

  • 『情熱は守ってくれますよ、その人を。つらいことから。どんな悲しみも寄せつけないくらいの、ものすごい防御力で。』

  • 二度目だと思うけどまた読んでみた。
    前にいつ読んだのかも謎だけど、多分テルマエ・ロマエの流行っていた頃だと思う。

    省エネな生き方はするな、が心に響いた。最近は暑いので何かと省エネしてるしなぁ。これではいかん!

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著者プロフィール

1967年東京生まれ。漫画家。14歳でドイツとフランスに一人旅へ。17歳でフィレンツェの美術学校入学。1994年、一人息子デルスを出産。1996年、漫画家デビュー。帰国し、北海道大学などイタリア語の講師を務めつつ、北海道の放送局でイタリア料理の紹介や旅行のレポーター、ラジオパーソナリティなどを務める。2002年、14歳下のイタリア人ベッピと結婚。エジプト、シリアと日本を往復しながらの生活が続くが、2004年に日本での仕事を整理し、リスボンに家族三人で住むことになる。主な著書に『テルマエ・ロマエ』『モーレツ! イタリア家族』『世界の果てでも漫画描き』『地球恋愛』『ルミとマヤとその周辺』など多数。現在シカゴ在住。

「2012年 『ヤマザキマリのリスボン日記──テルマエは一日にして成らず』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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