スクールカーストの正体: キレイゴト抜きのいじめ対応 (小学館新書)

著者 :
  • 小学館
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  • Amazon.co.jp ・本 (207ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784098252503

作品紹介・あらすじ

血の通った「現場のスクールカースト論」

現役のベテラン中学校教師である著者は、「スクールカーストの決定要因は、コミュニケーション能力だ」と、その本質を喝破、学校現場で現在進行形で起きている数々のいじめ、トラブル等のエピソードを紹介、分析していきます。
スクールカーストを要因とした、「LINEはずしが起きるリアルなプロセス」や、「突然キレて、暴力をふるってしまう子の事情」等々、紹介される数々のエピソードは、教育関係者ならずとも、深く考えさせられるものばかりです。
現在の子どもたちの変容の根底にあるものについて分析したうえで、全国の学校現場に向けて提案する、最終章「現代型いじめと教師の対応」は、必読です。

【編集担当からのおすすめ情報】
「子どもたちに今、何が起きているのか」をこれ一冊で俯瞰できる、画期的なスクールカースト論。すべての教育関係者はもちろん、子どもを持つすべての親におすすめします。

感想・レビュー・書評

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  • 印象に残った箇所が多々あった。
    現在の教室を多角的に分析し,生徒同士の関係を的確に分析していると思う。
    これからも読み返す本になるだろう。

  • 分析もさることながら問題に対する対処の方法もなるほど!と納得できるものだった。職場のカーストにも踏み込んだのが、さらに衝撃的だった。

  • 「スクールカースト」を現場の視点で鋭く分析。教員ももれなく子どもたちのカーストに含まれるため、教員自身の立場を分かった上で指導・対応に入る必要がある。ちょうど話題にのぼる世代なので、自分の学生時代をたくさん思い出した…

  • あんまりピンと来ないけど、教師の人々には切実な問題だろうとは思う。

  • 子供の身にスクールカーストが訪れたとき、どう対処したらよいのか。小学生の今、どんな教育をしておけばよいのか、はわからなかった。

  • 読むなら前半だけで十分。
    ページ稼ぎかな?と思うくらい後半は他の人の引用して、それについてどーこーなので。

    前半は、あー、なるほど、わかるわかるーと思うものが分かりやすい図にしてあった。スクールに限らずあり得るとも思うけど、子供の逃げられない感じ、すごくわかる。

    コロナ前後でまた時代は変わってるかもしれないなーと思ったりもしますが、どうだろうな。

  • 本書の評価

    いじめ問題について考えるには必須の書籍❗

    どんなタイプの生徒がいじめやすいのか、またどんな生徒がいじめに合いやすいのか、このようなヒントを教えてくれるのが本書です。

    読んだ感じだと、スクールカースト上位の者はいじめに合いにくいです。能力が高く、社会性に優れているからだと考えられます。いじめっ子になりやすいのかと言えばそうでもない(残虐リーダータイプはなりやすいが)。

    逆にいじめに合いやすいのは、スクールカーストが低い生徒です。言葉は悪いが、社会性が低くバカにされやすいと言えます。また、能力が低く、見下されやすいのかもしれません。



    本書の感想

    私は本書のスクールカーストのピラミッドに当てはめると、「孤高派タイプ」でした。同調性が低く、クラスメイトにとても無関心でした。特に価値観が合わない人とは距離をとっていましたね。本書では、あまりこのタイプについて紹介されていませんでした。少し残念です。おそらく、このタイプは他人とのトラブルが少なく、いじめに関与している可能性が低いからなのではないかと私は思いました!

  • 後半はだるい。冗長。
    前半の体系化はわかりやすい。

  • 前半は興味深く読めた。確かに子供の学年を見ると、残虐リーダー型はそこそこいるのにスーパーリーダー型はいない。サブリーダー型はクラスに1~3人くらいか。そしてお調子者タイプの多いこと多いこと。事例や教師像についてもふむふむなるほどと思いながら読み進めたが、他の著者や教育者の批判はどうかと思う。最後など、もてはやされる有名人たちに嫉妬しているのかとすら見え、刺々しさが少々痛かった。

  • 新書

  • 著者は現役教師という触れ込みですが、クラス内のトラブルに直接関わる担任の視点というよりも
    現場から少し離れた、安全な立場からの見方だなという印象を受けました。

    また、ネタ切れなのか後半はやけに引用に頼ったところがみられます。
    肩書は立派ですが、実際は本を出すほどに教室の現状を把捉できていないのではないでしょうか。

  • 現役中学生教師の筆者が生徒たちのスクールカーストの状況を分析している本。
    スクールカーストを意識することで、生徒への指導も適切にできるようになる。先生もスクールカーストの査定をされている。
    この本は、先生から見た、学校、教室の管理方法について、ストレートに本音ベースで書いてある。一人の人間として、様々な価値観の生徒たちと、どのように接するか、観察し、間合いを見極めながらかけひきをしないと、ままならないのが先生なのだなと、改めて、自分が教育実習で感じた恐怖を思い出した。

  • 教育学部の卒業論文でこの文献に触れる。

    筆者は本書第四章で、唯我独尊的な「教師の言うことを聞かせなければならぬ!オレ様がオレ様がと小うるさいガキどもは黙っておれ!」という古くさい昭和の教師論を展開する「プロ教師の会」諏訪哲二に憧憬の念を抱きながらも、一方でスクールカーストを「個人の努力でどうにでも覆せる(=逆転可能なもの)であろう」脳筋的に否定する諏訪の論には前時代的な違和感を抱くと述べる。
    一方で、「<研究>というスタンス(142頁)」でスクールカーストを分析しようと試みた鈴木翔の「教室内カースト(光文社新書2009)」は「薄っぺらくて読み返すことすらしなかった(143頁)」と切り捨てており、筆者が実践を尊重する現場教師の立場でありながらも、同書のインタビュー(質的調査)を軽視していたことに、私自身が逆にショックを受けた。

    まずそもそも「教室内カースト」の筆者である鈴木翔は、「スクールカースト」の語の命名が森口朗であるとは言っていない。紙面上に載せたのが森口朗であり、森口はインターネット上の単語登録サイト(おそらくはてな関連のサイトであると思われる)から情報収集したのであろう、と明記している。にもかかわらず、筆者は(確かめていないけれど)などと言い、鈴木翔があたかも事実を捻じ曲げたかのように書いている。インターネット上の造語であることは同氏の著書ですでに指摘されているのである。

    諏訪と本書の筆者はともに高校、中学の教師である。教師とは「自分より立場の低いと社会通念上解釈されている」子ども達と日常的に接し、「何も知らない」前提の存在に「知っている」自分たちが知識・規範を注入するという職業である。それゆえ権力関係の発生は避けにくいものであり、自分たちのお仕着せのルールに従わない生徒に対して嫌悪感を示しがちである。そしてどういうわけだか、いや、だからこそなのか、彼らは「自分たちが正しい」と信じて疑わず、子どもたちの生の声に対して耳を傾けようとはしない。実際本書においても、生徒のいじめ事例研究はいくつも例が載っているが、その中にある生徒の声、もっと言えば生々しい生徒の「大人びたホンネ」については面白いほどに無頓着である。おそらく諏訪も筆者も、20数年の時を越えてなお彼らの中に共通するのは「純粋無垢な子ども像」であり、そういう前提の下「どうやったら子どもを社会(の代弁者として子どもの前に立ち現れる自分)の思いのままに操作できるか」ということに腐心しているとさえ言えるだろう。

    なお、「教室内カースト」に関しては、生徒の生の声を質的調査の一環としてまるごと載せた点に大きな意義があると私は考える。大人は所詮子ども社会にとっては外野であり、外野がどうこう言おうと子どもたちの生の語りが子どもたちの社会の実感のすべてなのである。ただこちらは教師へのインタビューも載せており、これは同書のレビューにもある通り「サンプルに偏り」があることは否めない。むろん子ども社会同様、教師の社会にいる者の語りがあれなのだとしたら、外野である私たちは口をつぐむしかないが。

  • 〈スクールカースト〉は「コミュニケーション能力」により決定される

    〈自己主張力〉〈共感力〉〈同調力〉に着目し
    〈スクールカースト〉を8類型に分類して分析

    〈カースト〉の高低が学級集団に与える影響を考察し
    有効ないじめ対応策を提案する

    子どもたちは教師の中にも〈カースト〉を見ている、と
    「キレイゴト抜き」(副題)に喝破する

  • ■スクールカーストの決定要因は「コミュニケーション能力」
    ■昨今,リーダー生徒が不登校に陥る事例が増えている。
    ■現代の生徒たちは「自己主張力」「共感力」「同調力」の総合力としての「コミュニケーション能力」の高低を互いに評価し合いながら自らの「スクールカースト」の調整に腐心しているとみてよい。
    ■「スクールカースト」は別名「学級内ステイタス」と呼ばれる。
    ■自己主張力:自分の意見をしっかりと主張でき,他人のネガティブな言動・態度に対し戒めることのできる力。
    ■共感力:他人に対して思いやりを持ち他人の立場や状況に応じて考えることのできる力。
    ■同調力:「場の空気」に応じて常に明るい雰囲気を形成する能力。現代的なリーダーシップには不可欠と考えられており,現実的には最も人間関係を調整し得る能力。
    ■8つの現代的生徒像
    ①スーパーリーダー型生徒(自己主張力・共感力・同調力のすべてを持つ)
    ②残虐リーダー型生徒(自己主張力・同調力を持つ)
    ③孤高派タイプ生徒(自己主張力・共感力を持つ)
    ④人望あるサブリーダー型生徒(共感力・同調力を持つ)
    ⑤お調子者タイプ生徒(同調力のみを持つ)
    ⑥いいやつタイプ生徒(共感力のみを持つ)
    ⑦自己チュータイプ生徒(自己主張力のみを持つ)
    ⑧何を考えているかわからないタイプ生徒(自己主張力・共感力・同調力のどれも持たない)
    ■「スクールカースト」を決定する要素として自己主張力が大きく作用する要因は,時代の変化と教育の成果が自己主張力を重視する生徒たちを創出した。
    ■コミュニケーション能力は空気に乗ることが前提とされ,そこからの逸脱は決して許されない。おそらく生徒たちにとって,それが「同調力」。
    ■「空気をつくる力」,「場を支配する力」
    ■「⑦自己チュータイプ生徒」と「⑧何を考えているかわからないタイプ生徒」がいじめの被害者になるリスクが高い。
    ■学級担任が「残虐リーダー型生徒」を押さえられない場合,残虐リーダーに同調し,「お調子者タイプ」の生徒たちの中からいじめや学級崩壊に中心的な役割を担うものも出てくる。「お調子者タイプ」の生徒たちがどういう動きをするかが,現在の学級運営の成否を決めると言っても過言ではない。
    ■相手から反感を買わないよう常に心がけることが,学校という閉鎖空間で日々を生き抜いていくための最も大切な知恵として強く要求されている。
    ■生徒たちの人間関係を構造的に把握しようとする志向性を持っている教師ならば,学級集団を構築する「教師-生徒たち」という人間関係の在り方と,生徒たちの小グループのような「生徒-生徒」間の人間関係の在り方との違いを明確に分けて捉えることができる。
    ■「スクールカースト」が根性さえあれば逆転可能であり,いざとなったら転向することもできるというのは暴論。
    ■「コミュニケーション能力」の高さは頭の良さ,いわゆる「地頭」の良さと相似形をなしている。
    ■学力が低い者ほど学力が低いことに自己肯定感を抱く現実が指摘されている。そもそも学力海藻の生徒たちには,自らの学力を高めたいという意欲自体が欠落している。
    ■学校生活における「表文化」と「裏文化」。基本的に両文化は相いれない構造を示す。
    ■一生懸命取り組みたい者とそうでない者との間で最も軋轢を生じやすいのが合唱祭。
    ■2000年代半ばころからの学校教育のサービス業化の風潮以来,現在は教師の子どもたちに対する過保護化が常態化しつつある。この傾向をつくったのが保護者クレームの流行。
    ■学校教育が「生徒を育てること」「生徒を高めること」よりも「保護者からクレームをもらわないこと」を基準に動くようになった。
    ■学校現場から「父性的な指導」が姿を消し「母性的な指導」ばかりが見られるようになった。この傾向は今もなお急激に進み続けている。
    ■「スクールカースト」と呼ばれるようなグループ形成はあくまで昨今のものであり,学校が「父性原理」ではなく「母性原理」で動くようになった時代のグループ化。
    ■「父性原理」は対立を旨とし,生徒たちの前に壁として立ち塞がり,それを超えさせることで生徒たちを育てようとする。「規律訓練型権力」(ミシェル・フーコー)の発動もこれに当たる。
    ■「母性原理」は相手を受け入れ,調和することを旨とする。「規律訓練型権力」を発動して鍛えるのではなく,「環境管理型権力」を発動し包み込むことを旨とする。
    ■「スクールカースト」によって形成される小グループとは,「母性原理」による動き方を生徒同士で行おうという原理に見える。無条件であなたを承認する代わりに,あなたも無条件で私を承認してねというある種の共依存性。ともかくグループ内で「優しい関係」が維持されることを優先させる。
    ■学級集団や学年集団にかつての特別活動が目指したような一体感を創造できるのは体育大会,球技大会,学校祭・文化祭という非日常空間だけ。
    ■「社会的共通資本」とは「一つの国ないし特定の地域に住む全ての人々が豊かな経済生活を営み,優れた文化を展開し,人間的に魅力ある社会を持続的,安定的に維持することを可能にするような社会的装置」
    ・水,大気,森林などの自然環境
    ・道路,上下水道,電力,ガスといった社会資本,
    ・教育,医療,報道,司法といった制度資本
    ■「高度消費社会」が与えた教育への五つの影響
    ①世の母親たちに時間をもたらしたこと
    ②世の母親たちの我が子にかける時間と労力の密度を高めたこと
    ③高度経済成長後の内需拡大政策が家族を解体したこと
    ④貨幣に対する価値観のみが異常に肥大化し,労働の公共性に対する意識が急速に縮小したこと
    ⑤高度経済成長後の急速な産業構造変化の常態化が知的な仕事,創造的な仕事の価値をそれまで以上に高めたこと
    ■「母性型教師」の指導の特徴は,先ずはともかく被害者側に寄り添うことから始まる。事実確認は「父性型教師」のように徹底しない。
    ■「父性型教師」の指導は「強者の論理」で進み,「母性型教師」の指導は「弱者の論理」で進む。
    ■「父性型教師」の指導は,政治的であり,規律訓練的であり,性悪説に基づいているとも言える。
    ■「母性型教師」の指導は,心情的であり,環境調整的であり,性善説に基づいているとも考えられる。
    ■いじめの指導は,
    ①事実関係を細かく確認し,いじめの事実の全体像を明らかにする。
    ②確認された事実に基づいて適切に指導する。
    ③これで解決と考えずに時間をかけてフォローとケアを心がける。
    ■一般に指導力がある「カースト」が高いと言われる生徒指導系の教師たちは,おとなしい子,精神的に弱い子,依存性の高い子に対する指導を得意とはしていない。学校にこうした教師だけしかいなくなってしまったら,学校は不登校生徒だらけになりかねない。
    ■教師の三つのタイプ
    ・父性型教師:生徒たちに悪いことは悪いとしっかりと伝えられるタイプの規範重視型教師
    ・母性型教師:悩んでいる生徒を優しく包み込むようなタイプの寄り添い重視型教師
    ・友人型教師:生徒たちと気さくに話し,色々なことを一緒に楽しむタイプの生徒同化型教師
    ■学校は父性型教師が大きく影響力を持っている組織。
    ■学校はもはやチームで動かなければ運営できない。
    ■学校教育制度を維持していくための三つの意識改革
    ①学校側が協働の意識を持つこと
    ②学級担任制の弊害を緩和すること
    ③保護者(=世論)が教師個人への期待以上に学校の組織力の方に期待するという姿勢を身に付けること

  • いじめはなくならないと言われる。確かにそうかもしれないけど、被害を少なくできるかもしれないし、未然に防ぐことができるかもしれない。生徒のタイプ、先生のタイプを意識しながら指導していこう。

  • 「スクールカースト」という考え方に基づいて、現在の子どもたちの学級における関係性を読み解いていこうとする本です。

    本書では、スクールカーストの決定要因は「コミュニケーション能力」とされています。
    「自己主張力」「共感力」「同調力」それぞれの「高い」「低い」の組み合わせによって、8つのタイプがあるとし、それぞれの特性を知ることによって、適切な対応ができるのではないかと、事例をもとに具体的に紹介されています。

    さらに、この8つのタイプは子どもだけでなく教師にも当てはまるといいます。
    相互作用で何が起こってくるか、自分のタイプと相手のタイプを知ることで、対応の進め方、協力の求め方が変わってくることなど、解決策も含めて提示されているのが参考になるな、と思いながら読みました。

  • スクールカーストが教室内に存在することを知りました。
    同じ歳の人間が同じ空間で、ある一定期間過ごすことの特異性から起こることは、教員ではない私には想像もつきませんでした。
    そのカーストに教員も含まれるとは!
    学校という現場の生々しさを、改めて知りました。

  • 図書館で借りた本。
    スクールカーストの階級は、コミュニケーション能力によって、決まってくると、書かれていた。もちろん、それがすべてではないでしょうが、おおまかにはそういうことなんでしょう。公判は、問題が起こった時の一例をあげて、悪い対処のしいかた、良い対処のしかたが書かれてあった。保護者向けというよりは、教員向けの内容です。

  • 2016/2/15

    371.3||ホ (3階社会)

    スクールカーストを要因とした、「LINEはずしが起きるリアルなプロセス」や、「突然キレて、暴力をふるってしまう子の事情」等々、紹介される数々のエピソードは、教育関係者ならずとも、深く考えさせられるものばかりです。
    学校現場で起きている数々のいじめ、トラブル等を紹介し分析していきます。

    学校はチームで動かなければいい運営はできません。 教師必読の書!!

  • 子どもが出来て気になって手に取った。それなりに自分も大変だった気がするが今の子どもはもっともっと大変なんだな。。
    あと数年、子どもが学校に通う頃にはどうなっているのだろう。
    何にせよ、とにかく世界を一つにしてはいけないと思った。学校以外にも自分がいる場所があれば随分違うっていうのは知ってる。
    本書を読んでも解決策は教師や学校も関係するし、分からなすぎて怖すぎる。

  • やや断定的な印象を受け、はたして現実は本当にこのようにわかりやすい構造なのか、その対策が本当に有効なのかと半信半疑ではある。
    特に、十人十色の人間をカテゴリ分けすることは「もちろんあくまで〜」という断りがあったとしても、個人的には敬遠してしまう(教育であれば尚更)。
    しかし逆に言うと、非常に混沌とした今日のいじめ問題が体系化され整理されることで、見えなかったものが見えるようになり、非常にわかりやすかった。

  • 2015/11/16
    年々変化する学校のようすについて元中学校教師の筆者が経験等も交えながら考察してくれる本。
    また、現在の学校の状態、教室内におけるスクールカーストの実態について経験を元に分析してある。教室の中で常に変動する人間関係を安定させて過ごすために今の中学生は労力を使ってしまっている。友人との当たり障りのない、トラブルを起こさないようにする優しい関係を維持するために発生するいじめの構図やメカニズムがとてもわかりやすい。元中学教師の筆者が書いているので、とても共感できるところが多く、自分に置き換えて考えることができた。教室での人間関係に少なからず序列や優劣関係があるのと同じように、教職員の中にもそのタイプごとにカーストが存在すると筆者は言っている。
    父親タイプ、母親タイプ、友人、兄姉タイプなど様々なスタイルの教師が相互に補完し合いながら中学校での教育は行われているということだ。
    自分の在り方をもう一度考え、スクールカーストから引き起こされる様々な現象を考えていかなければならないと思った。

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