魚が食べられなくなる日 (小学館新書)

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著者 : 勝川俊雄
  • 小学館 (2016年8月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (205ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784098252787

魚が食べられなくなる日 (小学館新書)の感想・レビュー・書評

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  • どう見ても長期的に良いことを、目先の利益に目が眩んでやろうとしない。自分も出羽守も含め、日本てバカ(グランドデザインとリーダーシップが無い)なんじゃないかと思う。外国は日本の失敗に学び、持続可能な漁業を始めている。日本だけがいつまでも早い者勝ちで獲りつくす知能指数の低い原始的な狩りをしている。僕はたぶんその前に死ぬけど、文明崩壊のいろんな条件揃ってるなぁ。
    メディアが全く現状を知らせず、水産庁の大本営発表や、わずかな成功例や豊漁シーンばかり流していることも問題視。
    そう思うと、イッテQで、ウッチャンがマグロを全然獲れなかったのをそのまま放送したのは英断だった。
    MSCラベル、覚えよう。

  • 危機的状況にある日本の漁業の実態、他国との関係、各国の漁業の成功例などが詳細に書かれている。

    「何故衰退している漁業で魚が減るのか?」
    「衰退したら何がいけないのか?」
    「中国は乱獲しているのか?」
    「何故国は動かないのか?」
    「結局国民にできることは?」
    などなど、もやもやしていた事もよく読むと書かれている。

    「結局国民にできることは?」の答えは、
    ・皆が漁業の現状についての正しい知識を持つこと
    ・エコラベルの付いた(乱獲ではない)魚を買うこと
    だそうだ。
    なんだか気が遠くなる話なような・・・。
    でもこれが一番重要な事のよう。

    正しい知識を広めるのは大事ですね、確かに。
    この本を読んだ人間として、周りにそれとなく広めていきたいところ。
    でもこの本、一般人に知識を持ってほしいはずなのに、何故一般向けっぽくないのだろう。
    まずタイトルがとっつきにくい。
    「なんでホッケが小さくなったか」とか、「なんで輸入魚ばかりになったのか」とかでいいじゃん。
    内容も、今まで漁業に興味なかった人がサクサク読めるような書き方じゃない。
    この本はよくまとまってるし、これはこれでいいけど、もっと誰でも読みやすいキャッチーな本も並行して出すべきでは。

    エコラベルもなー、、イオンでしか見たことない。
    しかもやたら高いし、ほとんど種類無いし。
    エコラベルの魚しか買わないのは、将来的にはそうなりたいけど、今は現実的じゃないよね・・・。
    皆がやるなんて無理でしょう。
    怖いのは、取り合えず魚は絶滅しちゃうから食べない方がいいんだ!ってなって、魚不買だけが浸透しちゃって、ただ日本の漁業が潰れるだけになっちゃう事。。

    知識の浸透より先に、漁業は潰れてしまうんじゃないか?という気がしてくる。
    この先生は、もっと積極的に国に訴える活動をした方がいいんじゃないの。署名運動とかさ。

    東京オリンピックを契機にしたいとの事だけど、五輪はごたごたしてて、いろいろ良くしようってムードが薄まってるような。。

    なんかこの本を読むと、漁業だけでなく日本の構造的な問題がいろいろ見えてくる。

    ところでこの先生、Twitterとかもやってらっしゃるけど、論調が強すぎる嫌いがある。
    自分と合わない意見は徹底的に潰そうとするような。
    いやむしろ、自分以外の人は皆批判の対象であるような。
    そして批判はするけど、じゃあ誰がどうしたらいいんだよという事はあまり言わない。あんたが専門家だろー。
    ほとんどの人は漁業になんて全く興味持ってない。
    持ってる私ですら状況が難しくて全部理解するのは大変。
    なのに、優しく説明してあげないで冷たく切り捨ててばかり。
    日本の漁業の現状打破を牽引してほしいけど、そこが心配。
    反対意見はよく話し合って納得してもらわないと、後に抵抗勢力になる可能性があるでしょう。
    …って、この本に載ってる成功事例にもそういう話有ったんだけど。
    よくわかんない人だなぁと、思う時がある。

    ちょっとでも自分が否定されるのが怖いのかな。
    だから絶対どこも折れないんだよね・・・。
    そういう態度だと、逆に胡散臭い印象を持たれてしまってなかなか納得してもらえない。

    そしてこの先生が漁業の危機を訴え始めてから何年も経ってるのだけれど、現状は悪化の一途を辿ってた。
    最近極一部には浸透してきたみたいだけど。
    先生、何やってたのさ。専門家なんだから発言力もあるし、SNSも使ってるし、主張を裏付ける知識やデータも持ってる。
    なのに何で社会に影響与えられてないの?
    悪いけどそこは自身を省みた方がいいんでは。

  • 各種メディアで漁業問題について積極的な発信を行っている勝川俊雄の著書。僕もそうなのだが、彼の活動のおかげで近年この問題に関心を持つ人が増えているように思う。問題があるとすれば彼ばかりが頑張っているということであろうか。同業者ないし漁業関係者には勝川に賛同しない者も多いはずだが(賛同者ばかりなら状況もいくらかは動いているだろう)、彼らがどういう主張をもっているのかがよくわからない。つまり、勝川と同じ土俵で戦っている者がいない。その結果が、ネットを中心とした言論空間での勝川一人勝ちの状況であるが、これは読者にとって望ましいものではない。勝川の言っていることの妥当性を検証しづらいからだ。とはいえ、以上はまったくもって勝川自身に属する問題ではなく、彼の論敵となるべき人々の問題である。

    で、本書の内容である。主張はシンプルだ。日本漁業は長年有効な規制を設けないまま乱獲を続けてきた。その結果、今日漁業資源の持続可能性は危機に瀕し、漁獲量は下がりきったまま回復してこない。当然ながらそのことは漁業の経済性の問題とも直結し、産業としての漁業の衰退を招いている。ところが、世界に目を転じてみると、日本以外の国々では漁業は成長産業となっている。そのことを可能にするのが、科学的なアセスメントにもとづいた適切な漁獲規制の設定である。日本でもこれを実施しない手はないのではないか。漁獲規制(ないし一時的な操業の停止)は資源をてきめんに回復させるし、そもそも日本周辺の漁場は世界的に見てもきわめて優良なのである……。

    以上がだいたいのあらすじで、これを補強する各種データも紹介されている。また、上記以外にも今日の窮状に至る日本漁業の歴史的経緯であったり、あるいは漁業問題を報じるマスメディアの問題であったりと、さまざまな論点に言及している。そして、勝川の主張する打開策もかなり具体的なものである。

    論旨の明確さに加え、文章も平易。誰でも読める。広く読まれてほしい一冊だ。

  • 漁業版『失敗の本質』。しかも現在進行形。漁獲規制をしないことでジリ貧になった日本の漁業のはなし。
    持続可能なノルウェー方式の政府と漁業者のロジカルな関係(グランドデザインとリーダーシップ)は他の仕事にも参考に。

  • 魚は好きだが、このところ本当に高くて、肉の方が安いのでそっち食ってるのが実感ではあった。
    漁獲量が劇的に落ちているのは勿論知っていて、その原因もなんとなく感じてはいたが、実のところ、日本の無計画な早獲りがその大きなものの一つだとは知らず、正直結構ショックを受けた。

    そこだけ強調してもいけないのかもしれな。データとその解釈なんか恣意的にどうにでもなるようなもんなんで。
    だが、実際に他国が資源を回復させた政策があったとして、この先どう対応していくのかが大切なんだなとは思う。

    安くて美味い魚が食いてえ。

  • ゲンロンカフェでのトークイベントがよかったので、確認のため一読。トークのほうが分かりやすかったので、動画が販売されたらオススメしたい。

  • 日本近海での漁獲量が少なくなっているのは、温暖化などではなく、国が無策だからだと。世界的に漁業は伸びてきていると。ノルウェーでは、日本のニシン漁を引き合いに出して、継続して漁業を続けるために、量から質の漁業に変換したと。日本政府などに対する著者の怒りが良くわかった。行政、漁協が協力的でないのなら、国民の声を大きくすることだと。もっともだと思う。

  •  日本の漁業が一人負けしてる事実を記した衝撃の一冊。

     実は日本ではどんどん魚が撮れなくなっている。それは温暖化や中国の台頭などとは全く関係ない。世界の漁業が好調な中、日本の漁業だけが一人先細りしている。
     それは漁獲制限ができずに魚を取りすぎてしまからだ。行政と政治家と漁師の三すくみが変革を阻んでしまう。
     みなが気づいていない食料の大問題をその原因や間違った先入観、さらに解決策まで書かれている。昨今、グローバリズムが色々な場で取り沙汰されているが、日本の漁業の問題は実はそれとはほとんど関係ないというのが衝撃だった。

     世間は豊洲移転問題で騒いでるが、日本の漁業の問題はそんなところにないのである。

  • マグロ、ウナギだけではなく、ホッケやニシンも、日本人が無計画に獲りすぎて、水産資源を損なってしまっている実態が書かれている。水産政策の無策がこの状態をつくった。クジラなども含め、水産政策でお役所の言うことは信じることが出来ない。思い切った禁漁など、抜本的な対策をしないと、ほんとうに「魚が食べられなくなる日」が来てしまう……いや、もうその日がそこまで来ていると思った。

  • 2013年に世界銀行が、世界の2030年までの漁業生産の予測をしている。世界全体で24%の増加で、どこの国も増加しているのに日本のみが10%のマイナスとなっている。日本漁業の衰退は世界の中でも特異的となっている。他方、ノルウェーで最も成長している産業は水産業。この10年間でのGDPの増加分の42%が水産業によるものとなっている。彼我の差を鋭く分析し、今後の日本の進むべき道を示す。
    漁業問題に限らず、今、日本は至る所で同じ課題に直面している。昭和の時代は、人口増加と経済成長によって、社会のほぼすべてのセクションが成長し続けた。問題を先送りしていれば、いつの間にか時間が解決してくれた。しかし、今後は、人口も経済も縮小していく中で、問題を先送りにしていれば、問題解決に使える資源が、そもそもなくなっていってしまう。変化の痛みは一瞬だが、変化をしないことの痛みは、じわりじわりと効いてくる。大切なことは構造的な問題に迅速に取り組む勇気を持つこと。戦後の日本社会には、変化に反対していれば既得権が守られてきたという歴史があり、それが甘えの構造を生んでいる。人口縮小、高齢化社会という厳しい現実から逃避するのではなく、状況変化に迅速に対応していくことが求められている。目を背けたくなるような現実ほど、放置しておけば致命傷となる。迅速かつ適切、大胆に舵を切る勇気を持たなくてはならない。日本が生き残る道は、成長を前提としたこれまでの枠組みから、縮小を前提としたより効率的で生産性の高い枠組みに社会を変革していくこと。肝に銘じたい。

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魚が食べられなくなる日 (小学館新書)の作品紹介

なぜホッケは高くて小さくなったのか?

居酒屋で出てくるホッケ、最近は小さいと思いませんか。小さいどころか、ホッケを置いていない店も増えています。ホッケの漁獲量は、なんと最盛期の9割減。大きな魚を獲り尽くして、いまは成長しきっていない小さいホッケまで獲っている状態なのです。ホッケだけではありません。サバは7割減、クロマグロやウナギはすでに絶滅危惧種です。輸入魚も、世界的和食ブームの影響で、価格が上がっています。このままでは本当に、魚はめったに食べられなくなってしまいます。
日本は世界第6位の広大な排他的経済水域をもつ漁業大国だったはずなのに、なぜこうなってしまったのでしょうか。中国漁船の乱獲? クジラが食べ尽くした? 地球温暖化の影響? いいえ、そうではありません。日本の漁業が抱えている大問題を気鋭の水産学者が解き明かし、日本人がこれからも美味しい魚を食べ続けるにはどうしたらいいかをわかりやすく解説します。

【編集担当からのおすすめ情報】
魚が獲れないのは世界中の課題なのかと思っていたら、日本だけの問題だそうです。なぜ日本だけなのかは、本書で著者が詳しく解説しています。今はまだ輸入魚で補っていますが、日本が広めた世界的和食ブームの影響で魚の値段が高くなり、日本の商社は外国に買い負けているそうです。回転ずしや居酒屋へ行っても魚のメニューが少ない、高い……。そんな日が本当に来ないために、日本の魚の問題を本書で一緒に考えていただければと思います。

魚が食べられなくなる日 (小学館新書)はこんな本です

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