- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784098252916
感想・レビュー・書評
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本書は、タイトルからしてトランプ政権を批判し、その崩壊を予言した書かと思って手に取ったのだが、あにはからんや、著者はトランプ政権を悪しきグローバリスト(国際主義者)と訣別した、全うなナショナリシト政権として高く評価している。
そういえば、著者の「アメリカの社会主義者が日米戦争を仕組んだ」では、先の戦争に日本が参戦した理由を、米国のキングメーカーたる社会主義者=国際主義者=大資本家=ユダヤ勢力の陰謀としていた。本作でも、アメリカのネオコン=国際主義者=ユダヤ資本の「ディアスポラ思想(離散思想)」のイデオロギーを実現しようとする勢力が、湾岸戦争、アフガニスタン侵攻、イラク戦争、「アラブの春」後のアラブ諸国の混乱、シリアの混乱とISの台頭、ウクライナ問題などを影で操り、「世界を無法地帯にしてワン・ワールドにしようとしている」との陰謀説を唱えている。
ユダヤ資本やグローバル企業の隠然たる政治力は全くその通りなのだろうが、彼ら国際主義者が世界を無法地帯にしようとして世界各地で紛争を煽っている、というのはどこまで本当なのだろうか。余りにも穿った見方のような気がするんだけど…。
トランプ政権と共にプーチン政権を評価し、日本はこれらの政権と共同して中国の覇権主義に対抗すべし、と提言している。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
著者の馬渕氏は元外務省キャリアでウクライナ大使などを歴任された方で、以前に『国難の正体』という著書も読んだことがありました。
「陰謀論」も度がすぎて何もかもそれで説明がつくかのような話となると眉唾となりますが、ここで氏が書かれているような「力」が米国大統領選、米国政治に働いていることはかなりの部分真実ではあるのでしょう。
話は対ロシアや中韓にも及び、マスメディアによる報道だけ見ていても見えない政治の裏の力を垣間見ることが出来、一読の価値はあろうかと思います。