「奨学金」地獄 (小学館新書)

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著者 : 岩重佳治
  • 小学館 (2017年2月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (221ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784098252930

「奨学金」地獄 (小学館新書)の感想・レビュー・書評

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  • 「奨学金はヤバい」ということは最近よく言われるようになってきたが、「なにがどうヤバいのか」「なぜヤバいことになったのか」など、具体的な事例をふんだんに用いながら、日本の奨学金の構造的な問題と、その原因、および著者が提起する解決・改善策を手短にまとめた一冊。事例を前半にまとめて一気に紹介しているが、ちょっとダレてくる。とはいえ、文章の端々から著者の現行の奨学金に対する怒りが伝わってきて、熱量が感じられる良い本ではある。

  • 自分も奨学金には、お世話になったので、近年なんでこんなに返済不能になるのか、不思議だったけど、納得。
    昔の奨学金とは違い、単なるローン、しかも返済に超厳しい、でしかないのに、愕然。
    金儲けにしか目がいかず、利益に結びつかないものを切り捨てる国に未来はあるんでしょうか

  • ショッキングなタイトルは、作者も悩みながらつけたらしい。
    私は日本育英会のイメージがいまでも日本学生支援機構にそのまま引き継がれているものと思い込んでいままで保護者に説明などもしてきたのですが、これはちとまずいぞと本気で反省しました。
    取り上げられたケースが誇張されているとも思えませんし、全体からみた影響も決して小さいとは思えない内容です。
    幸い、子どもには奨学金を適用していなかったのですが、私のように以前奨学金の恩恵にあずかった親たちはあまり考えることなく、自分の子には奨学金を薦めてしまうのではないかと思いました。
    何よりも驚いたのは、日本のように学費の無償の道がほとんどない国は世界にはあまりない、という事実でした。
    多くの方が、望む教育を受けられるような国になるために、この奨学金問題をきっかけにできることをやっていきたいと強く思いました。

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「奨学金」地獄 (小学館新書)の作品紹介

知らずにはすまされない奨学金の実態

今や大学生の2人に1人は奨学金利用者です。その背景には、格差や貧困の拡大で親の経済的援助を受けられない学生の急増と、学費の高騰があります。国立大学の年間授業料は、1971年が1万2000円だったのに対し、昨年度は約54万円、初年度納付金は80万円を超えます。多くの学生は奨学金を借り、生活のためにバイトに明け暮れ、そして数百万円の借金(奨学金)を抱えて卒業するのです。しかし、今は3人に1人は非正規雇用という時代です。生活するのさえ苦しく、奨学金を返したくても返せない人が増えています。一方、2004年に日本育英会から変わった日本学生支援機構の奨学金制度は、金融事業になってしまいました。返済が3ヶ月滞ると金融機関の「ブラックリスト」に入ります。4ヶ月滞納で「サービサー」と呼ばれる債権回収会社の回収が始まり、9ヶ月で裁判所を通じた支払督促がきます。中高年の人の記憶にある、育英会時代ののどかな奨学金とは別物なのです。本書は、返済苦にもがいている人の実例をもとに、今の奨学金制度が抱えている問題点、返済に困った時の救済手段などを、長年この問題に取り組んできた弁護士である著者が詳細に解説します。

【編集担当からのおすすめ情報】
この企画にあたり、実際に奨学金の返済に困っている方々や関係者に取材をさせていただきました。共通しているのは、返済しなくてはいけないという強い責任感です。そのために、就職した会社の給料ではまかなえず風俗で働く人がいます。「自分が返さないと次の若者が借りられなくなる」と過酷な労働の会社で働き続け、過労のため事故死してしまった人がいます。
借りたものを返すのは当たり前です。しかし、3人に1人が非正規雇用という今の社会の中で、就職に失敗する、リストラされる、あるいは病気になって収入が得られなくなるなどは、誰にでも起こりうることだと思います。格差社会の中で苦悩する人々の現実と、昔と違う、奨学金を取り巻く現在の状況を知っていただければと思います。

「奨学金」地獄 (小学館新書)はこんな本です

「奨学金」地獄 (小学館新書)のKindle版

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